最近、私の身の周りで不思議なことが起きている。

子供の頃、私は恐い夢をよく見た。

形だけの王位継承権を持ったばっかりに、
回りにぞんざいに扱われた哀れな女の子、それがあたし‥‥。

私はプリシア＝レム＝クライム。
俗に言われる世界は中東、エルディア共和国の末姫。

私が人知れず、誰にも語る事も無く抱え込んできた悩み。

形だけの王位継承権、その絶望的な王位の低さから、
その境遇から、恐い夢を見つづけたのかもしれない。

幼心の目に映る、他の王族達からのいびりやいじめ、
エコヒイキの度が過ぎていた事がこの夢の原因かもしれない。

その夢を、最近になって再び見るようになった‥‥
私はたった一人で遥か彼方を臨んでいた‥‥あの砂漠の真ん中で。

そして権力を手に入れるべく行動する私を、他人事のように眺めているあたし。
これは‥‥夢なのよ。すべて、子供の頃に見た恐い夢なのよ。

でもいいのです、もう気にしないのです。
恐い夢は今日で終わりにしますから。

その為に私は、エルディアから遠い異国の日本へやってきた。
私は、上り詰めます。必ず‥‥。

エルディア共和国の頂点まで。