焦点:韓国サムスン電子、今後は部品業者めぐりアップルと激突
[ソウル 17日 ロイター] 韓国のサムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)はスマートフォン(多機能携帯電話)の世界販売台数が米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)を抜いて首位に立ったが、系列会社からの部品調達能力が限界に達し、アップルの主要な部品供給業者の一角を取り込もうと働き掛けている。
両社の技術特許をめぐる裁判所での戦いが、今度は部品供給業者の奪い合いへと形を変えつつある。
アップルは中国など新興市場国向けの「iPhone(アイフォーン)」廉価版など、商品の次のラインアップの準備を進めており、サムスンに部品供給業者を奪われれば悪影響を受ける恐れがある。サムスンが力づくで部品業者を横取りすれば、コストが上昇して供給不足が生じ、製品の立ち上げに支障を来す可能性もある。
サムスンにとってはディスプレーや半導体、メモリーやバッテリーに至るまで系列業者の供給する膨大な部品が、スマートフォンの覇権争いにおける競争力の核を担ってきた。同社は高額機種から低価格機種まで幅広い製品を市場に投入してリードを広げようと狙っており、系列の部品業者の供給能力が上限に近づく中で、まさかの事態に備えて系列外の業者を物色している。
NHインベストメント&セキュリティーズのアナリスト、Lee Sun-tae氏は「最も性能の良い部品を大量にだれが手に入れるかが鍵だ。サムスンがこれまで以上に部品業者を探し求めているのはそのためだ」と話す。
<シャープめぐり火花>
サムスンはディスプレーメーカーのシャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)や韓国の半導体大手SKハイニックス(000660.KS: 株価, 企業情報, レポート)など、アップルの以前からの部品業者に供給を打診した。携帯端末向けのスクリーンはほとんどを傘下のサムスン・ディスプレーから調達しているが、事情に詳しい2人の関係筋によると、昨年はシャープに対してスマートフォンの「ギャラクシー」向けの高解像LCDスクリーンを発注、その後注文をキャンセルしたという。
シャープは今年初めにサムスンが1億1000万ドルで3%株式を取得。今週はサムスン向けの販売を強化すると発表しており、アップルとの関係が悪化する可能性がある。 続く...