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トモニツクル

本社×館 編

2012年11月、北千住店1階の食品フロアが全面リニューアルオープンしました。「Patiso」の誕生です。北千住の街をより活性化させたいという思いでリニューアルを担当した2人が、プロジェクトを振り返ります。

北千住店 施設管理部 二級建築士 佐藤 由佳 2009年入社 工学部建築学科卒
本社 施設管理部 サブリーダー 焼山 彩子 2003年入社 理工学部建築学科卒
Phase 1 ソフト、ハード両面の課題を解決する“ギャレリア”コンセプト
焼山
北千住店1階の食品フロア売場をリニューアルするに際し、ソフト面での課題として佐藤さんと共通して考えていたことは、上層階のファッションフロアを利用されるお客さまに、もっと食品売場をご利用頂きたいということでした。
佐藤
はい。50代以上のお客さまを中心に従来から1階の食品フロアをご利用頂いていました。それにとどまらず、上層のファッションフロアを利用される20代から30代のお客さまにも、もっと1階の食品フロアをご利用頂きたいと思っていました。
焼山
ハード面で認識していた課題は何でしたか。
佐藤
食品フロアのエントランスは、バスのロータリーに面しており、多くのお客さまがエントランスの前を通行しているのに、少し暗いイメージでした。北千住の街に向けて食品フロアの魅力をアピールすることで、もっとお客さまが入館したくなる工夫が可能だと感じていました。
焼山
そうした北千住店のソフトとハードの課題解決策を模索していた一方で、北千住の街自体が変わり始めていましたよね。
佐藤
「つくばエクスプレス」の開通を契機に、沿線にファミリー向けの大規模マンションが数多く建設され沿線人口が増加しました。また、利便性が向上し、つくばから35分で北千住に来られるようになったことで、つくばのお客さまにとってはショッピングをする街の選択肢として北千住という街の存在感がぐんと上がってきたのです。それに加えて、「東京電機大学」が移転してきたことで、若い人の姿が街の中に増えたと感じていました。
焼山
そうした北千住の街の変化をチャンスととらえ、一気に課題を解決しようと、1階食品フロアの改装計画がスタートしました。佐藤さんはどんな思いでしたか。
佐藤
私にとっては初めての大規模改装でしたから、経験値を上げる意味で、楽しみでした。それと同時に、改装規模が大きくなるので改装工事に関わる人の数も多くなるので、現場での調整作業に不安を抱いていました。
焼山
そういった不安も抱いていた中、新しい食品フロアのコンセプトは、どういう思いで創り上げましたか
佐藤
ルミネらしい、ファッションと食を連動させる新しいスイーツフロアを創りたいと考えました。北千住にルミネがあることで人がたくさん集まり、それがさらに街の価値を高めることにつなげたいという思いでした。
焼山
そこで生まれたのが「北千住ギャレリア」というコンセプトでしたよね。
佐藤
ええ。1階をヨーロッパの街並みに見立てて、ショップを路地に並ぶお店と位置づけました。
焼山
ルミネの食品フロアに新しいストリートが誕生するようなイメージですね。
佐藤
北千住という街は路地が多くて、歩きながら小さいお店を発見する楽しみがあります。まさに北千住店ならではの地域性を活かしたコンセプトだと思いました。そして、上層階のファッションフロアを利用されるお客さまが食品フロアを利用したくなるように、環境面でのファッション性を高めることに留意しました。
Phase 2 目指したのは、北千住らしいサードプレースとしてのルミネ
焼山
6月から基本設計が始まり、その段階で私が本社サイドから参加しました。
佐藤
私をはじめとして、北千住店に勤務するスタッフは、日々の巡回を通じてお客さまの声も耳にしていることもあり、当然のことながら北千住店のことを誰よりも詳しく知っているという自負があります。ただ、それだけにどうしても視野が狭くなりがちな面も否定できません。
焼山
その点を補うために私が在籍する本社の施設管理部があり、日頃から広い視野で全ての館を見る役割を担っています。今回も、本社の私と北千住店の 佐藤さんの両者がチームを組むことで、よりバランスの取れた改装ができたと思います。
佐藤
本社の視点で、今回の改装のコンセプトをどう感じていましたか。
焼山
基本的には素晴らしいコンセプトだと思いました。ただ、北千住には北千住ならではの良さがあるから、あまり高級路線を追求し過ぎるのはマーケットと乖離するのではないか、という懸念もありました。気軽に立ち寄れる敷居の低さは必要で、あまりグレード感を求めないほうがマーケットに合致し、お客さまの支持を得られるのではと考えていました。
佐藤
北千住という街の持つ下町らしい親しみやすさと、ルミネならではの洗練されたトレンド感を融合させようということですね。
焼山
ええ。
佐藤
目指したのはお客さまにとってのサードプレース的な存在です。
焼山
自宅と職場の中間にあって気軽に立ち寄れる場所というイメージですね。
佐藤
そうした親しみやすさに、新しさ、先進性をいかに同居させていくかということが基本的な方針になりました。
焼山
今までにないショップラインナップを目指すことにしたのです。そこで個性的なスイーツショップのほか、新業態のギフトショップなど、幸せな時間を創出する空間案が創出されました。
佐藤
ルミネらしい、ファッション性を意識した空間演出で、ファッションフロアとの融合も図りました。
焼山
新しいファッションに出会ったときのワクワク感を大切にするのがルミネですから、「食」においてもそれは実現させたかったのです。今までにない新しいことをやりたいという気持ちは誰もが持っていました。
佐藤
床のタイルの色や形も各人の思いがあり、なかなか決まりませんでした。しかし、誰が何を担当するという縦割りではなくて、デザイナーさんなどを交えて全員で一つ一つ丁寧に検討しながらプランを決めていったのは、素晴らしいことだったと思います。
焼山
一般的にデザイナーさんにとっては、建物の出来上がることがゴールです。でも私たちにとっては、出来上がってからがスタートとなります。だからデザイン性の高さもさることながら、メンテナンス性も重要なポイントとして考えていました。そして、最終的にはお客さまに支持して頂けるかどうかが一番の判断基準でした。改装したものの、お客さまに支持して頂けないというのでは、たとえどんなに素晴らしい空間を創りあげたとしても私達にとっては失敗ですから。
佐藤
今回の大規模改装に携わった方全員に、その目標感の軸にブレはなかったですよね。
焼山
志は共有できていたので、そのあとは時間との闘いでした。
佐藤
9月17日にいったん食品売場をクローズして、11月30日のオープンを目指して工事が始まったのですが、なにしろ撤去に予想外に時間が掛かりました。私は、毎日工事現場に足を運んで進行状況をチェックしていました。また、施工後の収まりなど、施工品質にも目を配りました。
焼山
そういった佐藤さんの努力のお蔭で、大規模な改装のわりには非常にスムーズに工事が進んだと思います。佐藤さんの改装工事に対する真摯な姿勢を受けて、施工業者の方々にもよく頑張って頂けたのだと思います。
Phase 3 ルミネが変われば街の価値も上がっていく
佐藤
10月に入り、営業部が新しい食品フロアに「Patisio」という名前をつけてくれました。
焼山
「北千住ギャレリア」というコンセプトに基づいた、とてもいいネーミングですね。
佐藤
そして11月30日のオープン日を迎えたのですが、今思い返しても大変な盛り上がりでした。予想を上回る人出で、通路を歩けないくらい、お客さまで混雑していました。
焼山
すごい数のお客さまでしたね。
佐藤
特に目立っていたのが学生や若いファミリーのお客さま。従来の下町らしいお客さまに加えて、私たちが狙ったターゲットをうまく取り込むことに成功しました。
焼山
上層のファッションフロアとの連動性が目に見えてよくなり、洋服を買ったお客さまが帰りに立ち寄ってくれるようになりました。
佐藤
土日はもちろんのこと、平日の午前中も賑わうようになりました。われわれの予想以上にお客さまに支持されています。
焼山
思い切って外装までリニューアルしたのは、ルミネとして初めてのことでした。新しいチャレンジだったけれど、地域に向けてルミネの世界観を伝えることができたかなと思います。
佐藤
この外観が、北千住の街全体を変えてしまったような感じさえしますね。変化する街に合わせてルミネが変わると、さらに街が変わり、地域全体の価値が上がると実感しました。これまで北千住の街を利用されていなかった層のお客さまをルミネが呼び込んだことで、街の集客力向上に大きく貢献できたと思います。
焼山
街に対するルミネの発信力の強さというものが再確認できたプロジェクトになりましたね。
佐藤
私は初めての大規模改装でしたが、焼山さんは豊富な経験をもとにプロジェクト全体を見ながら客観的なアドバイスをされていました。同じプロジェクトで、本当に頼りになる先輩でした。
焼山
佐藤さんはチームの雰囲気づくりにすごく貢献してくれて、常に次のことを考えて行動していたと思います。私こそ、いろいろと助けてもらっていたと思えます。チームとして成果をだすことができた、とても楽しいプロジェクトでした。

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