NHK連続テレビ小説:「あまちゃん」で初の朝ドラ脚本、宮藤官九郎 「田舎離れた原体験投影」

毎日新聞 2013年03月23日 東京夕刊

 手にした肩もみグッズが、超多忙な毎日を雄弁に物語る。劇作家であり俳優、映画監督、ミュージシャンと、多才ぶりは群を抜く宮藤官九郎。4月1日放送開始のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で、初の朝ドラ脚本を担当している。

 朝ドラの記憶は6歳の時、「雲のじゅうたん」が最初だとか。「全部見ると学校に遅刻しちゃうんですけど、どうしても見たくて全部見たり。(テレビを)つければやってる感じがすごい好きだった」。それだけに「それをやるんだなあと。そういう盛り上がりはありましたね」。

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 過疎が進む東北・北三陸の小さな田舎町を嫌い、上京した春子(小泉今日子)が、娘アキ(能年玲奈)を連れて24年ぶりに里帰りする。65歳まで一度も故郷を出ず現役の海女を続ける春子の母夏(宮本信子)の姿を目にしたアキは、海女の「アイドル」を目指す。母娘3代の泣き笑いの物語だ。

 一昨年11月、岩手県久慈市に視察に行った。そのときはまだ、舞台をどこにするか決めていなかったという。「海がすごくきれいな印象があった。ローカル線が走っていたり、琥珀(こはく)があったりとか、僕から見ると豊富にネタがあるけど、町の人はそれを当たり前に思っている感覚がいいなあと。そういう材料がいくつもあったのが舞台の決め手になった」と振り返る。

 実はそこには、「宮城の田舎に育って、そこから離れた」宮藤の原体験も投影されているという。「春子さんじゃないけど、自分も1回東京に出てきたけど、(故郷が)なんとなく懐かしいというか、いつまでもそのままあるものでもないんだなと考えるようになったのかもしれない。田舎っていいよね、だけじゃなく、息が詰まる時がある、田舎特有の人間関係の濃さとかね。それがなんか嫌っていうだけでもなくなったのかな」

 ドラマでは、春子と夏、アキの思惑がさまざまに入り乱れる。「田舎に行ったことがないアキが、おばあちゃんが潜っているのが新鮮でかっこいいと思う。春子はまた潜っているということが本当に嫌。同じものを見ているのに意味が違う。それがわりと、このドラマが一貫して描いているものかもしれないですね。ある人にとってすごくいいものは、ある人にとってはすごく嫌なもの、というかね」

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