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【サッカー】

大久保 天国の父に勝利贈った

2013年5月19日 紙面から

◇J1第12節 川崎4−2磐田

 「勝ってよかった。本当に、勝ってよかった」。川崎FW大久保が静かに言った。11日のC大阪戦後に地元・北九州に戻り、翌12日に病床だった父・克博さんをみとった。葬儀を終え、16日にチームに合流。父を亡くして初めての試合で白星をささげた。

 負けず嫌いで、生前に「絶対に負けるな」と話していた父に憧れていた。帰郷中は一睡もせず、体調が十分でないなか、「ピッチに立った以上はやらないといけない」と、気持ちで戦った。前半4分、中央から右サイドの大島にパスを出し、小林が頭で合わせて先制点。チームを勢いづけた。時間を追うごとに攻撃で精彩を欠いていく中で、「ボールがないときに(守備で)走ろうと思った。違うことで、貢献しようと思った」と頭を切り替えた。交代したのは後半45分。ベンチ前で出迎えた風間監督は「サッカー人として尊敬に値する」と、背番号「13」をたたえた。

 約8年の闘病中も息子を気に掛け、川崎へ移籍するときに「おまえが決めればいい」と言ってくれた父との永遠の別れ。「この1週間が終わった。ホッとした。次から切り替えてやれるかな」。大久保は長く、つらかった時間に一区切りをつけるかのように言った。 (関陽一郎)

 

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