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【大リーグ】

黒田完璧!8イニング無失点で6勝目 監督「25歳と勘違いするよ」

2013年5月19日 紙面から

◇ヤンキース5−0ブルージェイズ

 【ニューヨーク穐村賢】ホントに38歳!? ヤンキースの黒田博樹投手(38)は17日(日本時間18日)、地元でのブルージェイズ戦に先発。8イニングを2安打無失点と完璧な内容で6勝目を挙げた。初回に無死二塁としたが、マリナーズの岩隈久志投手(32)からヒントを得たスプリット(フォーク)でピンチを脱出。以降は二塁を踏ませぬ快投で、防御率も1・99と1点台に突入した。衰えを見せぬベテランに、ジラルディ監督も「たまに25歳と勘違いする」と感嘆。いまだ進化するエースが、故障者相次ぐ名門を支えている。

 こんなに風格漂う“25歳”はそういない。ベテラン黒田が、リーグ屈指の強力打線の前に仁王立ち。「一発がある打線。警戒はしてたけど、僕は低めに集めてアウトを取っていくスタイルなんで、それはどこでも変わらない」。冷静にアウトを重ね、8イニングで許した安打は2本だけ。余裕の表情でベンチに戻ってくる右腕に、ジラルディ監督も「たまに25歳と勘違いするんだよ」と笑った。

 “新球”で波に乗った。試合前、ブルペンで試したのはチェンジアップ気味に落ちるスプリット。「人のを見ながら、変えてみようと」。2日前にヤ軍打線を手玉に取った岩隈からヒントを得て、握りを浅くした変化球。初回、先頭カブレラに二塁打を打たれたが、続くバティスタを空振り三振に仕留め、3番エンカーナシオンはそのスプリットで空振り三振。「2つの三振が大きかった」。今季、ここまで防御率7.88と苦手な初回を切り抜けると、もう止まらない。

 2回以降は最速93マイル(約150キロ)のシンカーも効果的に交ぜ、7回1死から左前打を許すまで19打者連続無安打。3回に川崎に四球を与えたが、けん制で刺して付け入る隙を与えない。ブ軍打線とはここ1カ月で3度目の対戦だが、普段はあまり使わないカーブでもカウントを稼いだ。「そこは臨機応変に」。円熟の投球術で、ここ3試合連続2桁得点と好調な打線を封じ込めた。

 これで1・99となった防御率はア・リーグでは岩隈に次いで4位。両リーグを通じても9位だが、トップ10で30代は黒田と岩隈の2人だけ。7戦連続クオリティースタート(6イニング以上自責3以下)を果たした38歳に、指揮官も「ブルペンも休ませてくれた。本当に本当に素晴らしい」と賛辞を惜しまない。

 この日は40歳のペティットが故障者リスト(DL)入り。32歳の左腕エース、サバシアも3試合連続で勝ち星なしとピリッとしない。黒田への期待は高まるばかりだが、ベテランはひょうひょうと笑う。「1年通してうまくいくとは思ってない。また次の登板に向けてしっかり準備したい。それの繰り返し」。今や名門の押しも押されもせぬ大黒柱。酸いも甘いも知る“25歳”が、常勝軍団を引っ張る。

 

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