【承前】本ブログでは各種画像盗用の検証の契機となった
本ブログにおけるこの記事の拡散を希望します。
『ネットの画像無断使用問題アレコレを考える』
http://ultrazabungrl.hatenablog.com/entry/2013/05/09/162636
円谷プロダクション、東映、東宝、松竹、小学館、パラマウント、ワーナー
邦画や洋画、テレビの特撮作品やヒーロー映像作品のキャプチュア画像を
惜しげもなく盗用し、自分が作った物語を盛り上げる隷属的位置として使用した
『飛び出せ!宙マン』に関する重大記述です。各権利元への通報のご協力をお願いします。
今回は、少し検証レンズの向きを移動させて検証対象を変えてみよう。
実はこれまで本ブログでメイン検証対象になっていた『飛び出せ!宙マン』は
そこでのブログ主に心酔する、文字通りのフォロワー達に囲まれており
その中には、ブログ主に触発されてその模倣を始める者も少なくなかったのだ。
しかし『飛び出せ!宙マン』ブログ主は、むしろ率先して彼等へ設定や世界観を提供し
いわゆる「宙マンワールド」を形成するに至っていたのだ。
他者から無断で画像を盗用する代わりに、誰が宙マンを名乗った作品を作っても構わない。
逆に考えれば、ある意味(歪んではいるが)「一人フェアユース状態」とも言えるのだが
そんな「宙マンワールド」の作品中の一つに『宙マンシリウス』というのがあった。
『宙マンシリウス』
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/sirius.htm
基本的には模倣であるので(模倣である事自体は、模倣源の『飛び出せ!宙マン』ブログ主が
許可しているのであれば何も問題はない)アクションフィギュアを改造したヒーローがいて
専属のメイドがいて、マスコット怪獣キャラがいて、敵の怪獣軍団がいるという
まさに「僕も『飛び出せ!宙マン』をやってみたかっただけ」という清々しい内容。
なので詳しい解説は省くが、基本の作風や技術論も本家と同じだと思えば概ね間違いない。
しかし『宙マンシリウス』には、「むしろ」本家と違う部分」が幾つかあった。
まずは画像加工と合成技術に関して。
これはリアプロジェクションとフリーウェアソフトに頼るという部分では本家と同じだが
光線の描画や効果の付け方等では『飛び出せ!宙マン』の方が見栄えは良い。
正直、画像加工が稚拙過ぎる部分が目立つのは惜しいとしか言いようがないのだが
「そういう所」で本家を受け継いでいない分「悪い所」も、実は意外にあまり受け継いでいない。
今回検証に向かうに当たって、その作風と写真数から
相応数の無断転載疑惑が出てくるかと覚悟して挑んだのであるが
実は思うほどには、疑惑は出てこなかったのである。
まぁオマージュ元が元だけに、食べ物画像やアリモノ画像などでは無断転載疑惑は頻出するのだが
こと「ロケ写真」に関しては、地元の観光地やお祭りなどから
基本的な屋外シーンにおける背景に用いる街の景観まで
コツコツ地道に現地に足を運んで、自分のカメラで撮っていることが
逆画像検索結果やモンタージュ効果、写真の癖等で生真面目に伝わってくる。
「ロケの写真なんだから、当然ロケに行かなくては」きっと『宙マンシリウス』作者も
そう信じて思い込んでいたのだろう、その労力の恩恵か
フィギュアバトル画像加工描写では本家に及ばないものの
ご当地紹介物語絵巻としては、むしろ本家などよりも格段に好感が持てる仕上がりになっている。
しかし「誰に倣ってしまったのか」模倣元のお約束カットに関しては
どれもこれも(特定はできないものの)「テレビの特撮作品のキャプとしか思えない画像」や
「明らかに他の画像加工とクオリティが違う仕上がり」「個人では撮影不可能な炎」等々
「そこは受け継がない方が良かったのに」というカットがまず並んでいる。
変身時の輝き
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/hensin01.JPG
敵怪獣軍団本拠地の星雲
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/002-00.JPG
爆発炎の素材
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/beam02.JPG
ヒーローの家
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/home.JPG
特撮的爆発
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/001-07.JPG
「本家より技術は稚拙だがロケは真面目」「本家の作風を受け継いでいるため無意識に盗用」
これらがこの『宙マンシリウス』の二大特徴に帰結する訳だが
さて、順を追って検証をしていこうと思う。
まずは気になったのはこちら。
第2話・「空梅雨とアイスと侵略者」
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/002.htm
この話で気になったのが、こちらのアイスの写真
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/002-31.JPG
これは見たまんま「エッセルスーパーカップ」と「Aya」というアイスの画像であるが
「完璧なライティングと撮影」や「公式が商品紹介に使用する背景」等々色々疑わしい。
ピンと来たのでどうやら調べてみると、そもそも(どちらも同じ明治製菓の商品である)
公式のメーカーサイトで、商品紹介画像として使われていた物を貼り合わせて使用したらしい。
確認してみれば、商品を写す角度もライティングもメーカー公式では統一がなされていて
『宙マンシリウス』で使用されてる画像は、まさに「公式画像をそのまんま二つ足しました」という状態。
もちろん『宙マンシリウス』にはどこにも「協賛・明治製菓」とも「協力・明治製菓」とも
むしろ明治製菓には全く言及されていない為、ここでの公式画像使用は
無断転載である可能性が極めて高い。いやこれは流石にクロだろうと言及せざるを得ない。
そして続く第3話でも幾つか疑惑がある画像が見られ、検証対象として取り上げる事になった。
第3話・「夏だ! 山だ!! 怪獣だ!?」
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/003.htm
まずはこの画像。
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/003-07.JPG
ここで劇中で「タスカニューム」と呼ばれる、架空の(はずの)鉱石は
実はただのラジウムで、そして「全く同じ画像を使う個人のブログ」が発見された。
『Blog??・・・LifeLogだな・2 検波鉱石1 黄鉄鉱』
http://ycttim2008.blog6.fc2.com/blog-entry-507.html
こちらのブログ主は、トップに『写真とカメラの獨言録』と冠するに相応しい写真の腕前。
もちろん、これだけ完璧に撮影されたラジウムであるから
一見するとアマチュアが撮った写真だとは思えないが
このブログと『宙マンシリウス』との間には、全く相互リンクも見受けられないし
互いに画像を借用したとは言及していない為、普通に考えてどちらかがどちらかの写真を
勝手に無断で使用したとしか解釈できない(もちろん「第三の正式権利者」が他にいて
ここでの両者が共に二次転載をしていたケースも考えられるが)。
しかし、両者共にシロで、実はこのラジウム画像そのものがフリー素材だったという
そういう可能性もしっかり残して検証をしなければいけない。
今のところそのどれもが確証を欠いている状態に過ぎないのだが
仮にどちらかが正式な権利者だったと仮定するならば、『宙マンシリウス』作者とこのブログ主
どちらが「撮影者」でどちらが「無断転載」なのだろうか?
そして、劇中で迎えたティータイムで出てきたクッキーの画像。
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/003-18.JPG
こちらも『身長を伸ばす方法を公開します|身長アップのしくみ』というページで
http://shinchomanual.com/plot/plot04.html
パンの写真や珈琲の写真と共に掲載されていたが、これもラジウムと同じ理屈で
フリー素材である可能性が強いのは確かである。
ただこちらの『身長を伸ばす方法を公開します』というサイトも企業サイトではある筈なので
むしろ「完全フリー素材」であるか「『身長を伸ばす方法を公開します』からの無断転載」か
究極にどちらかであるかのように思えてしまう。
私としては、これ以上この画像の出自に関して言及できる資料を持ち合わせていないので
前者である事を祈ろうと思う(確かに身贔屓ではなく「たまたま」ではあるのだが
「画像を逆検索した結果から推察するに、無断転載であると言い切れる画像よりも
フリー素材であると考える方が妥当かもしれない画像」の割合は
本家の『飛び出せ!宙マン』よりも『宙マンシリウス』の方が圧倒的に多いのである)。
しかし、そう褒めたのもつかの間、しょせんは「類は友を呼ぶ」でしかないのか
「朱に交われば赤くなる」と諦めるしかないのか、本家『飛び出せ!宙マン』作風に似せて
豪華に食卓が飾られるネタ話になる次に紹介する話では、無断転載が鮮明に発覚した。
第7話・「聖夜の鐘を鳴らすのはどなた?」
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/007.htm
この話では、本家の『飛び出せ!宙マン』よろしく、様々なクリスマスならではの食べ物が
次から次へと出てしまう故か、数々の画像の疑惑や盗用発覚が浮き彫りに出ることになる。
まずは最初に専用メイドが用意するクリスマスケーキ。
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/007-09.JPG
こちらはどうやら『2009クリスマスケーキネット通販ショップ特集』というページの
『LETTRE D’AMOUR デリス・ショコラ』の写真をそのまま転載したようである。
http://xmascakeshop.seesaa.net/
『宙マンシリウス』作者には悪い物言いになるが(ここは他の食べ物転載画像にも言えるが)
あまりにも、作者本人が撮影した写真と、技術も機材も違い過ぎて違う撮影者だとすぐ解る。
もちろんながら、ここでもケーキの写真の中では、洋菓子サイトやメーカーの記述もないし
提携、協賛、協力の文字もないので、無断転載と判断せざるをえない。
そして、その後の展開で出てくるフライドチキンとローストチキン画像であるが。
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/007-17.JPG
まずフライドチキン画像に関しては、これはそのまんまケンタッキーフライドチキンの
公式で使われていた画像ではないかと推察するに至った。
例によって逆検索画像結果には、全く同じ画像も二つほどあったのでリンクを飛んでみたが
どちらも公式ではないようで、どこのサイトの誰に著作権があるかは明確にはならない。
もっとも「これだけの撮影技術と画質」で「明確にケンタッキーフライドチキン」なのであるから
「以前にケンタッキーフライドチキンが公式で使用していた画像が
ネットのあちこちで無断転載を繰り返されるうちに、この作者も手に入れ
『宙マンシリウス』で使用したが、その頃から現在に至るまでの間で
ケンタッキーの公式サイトの画像が変更された」辺りであろうかと
推測は(あくまで推測である)できる。
そしてお次はローストチキン画像になる。
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/007-18.JPG
こちらの逆画像検索結果が以下の状態。
検索結果から絞り込んでみると、過去に同じ画像がネットで用いられていた事が解る。
画像の「類似の画像」と書かれたすぐ下の画像が、同じものでないかと思われる。
その画像のリンクへ飛んでみると「ぐるナビ 食市場」の
『いい肉やどっとコム』というネットショップの
★クリスマス★X'mas「ローストチキン(ローストレッグ)」[5本セット]<限定販売>
http://shop.gnavi.co.jp/e298/xmas02/
このページに移動するが、現在はここで挙げた画像は使われていないようなので
確かな事は何も言えないというのが冷静な見解であろうか。
そしてラストを締めくくる「クリスマスのご馳走カット」に関しては
「同じ素材を使った、ネットショップの画像らしき物」は見つかった。
まずは『宙マンシリウス』内での画像。
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/007-37.JPG
続いて、逆画像検索結果から見つかったほぼ同一の素材の画像。
http://mono11074.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_d1b/mono11074/3-7e165.jpg?c=a4
しかし、ネットショップの画像には
「クリスマスパーティセット」等のデコレートが追加されており
非情に失礼な言い方になるが、この『宙マンシリウス』作者が行っている画像加工の技術では
とてもではないが、この画像から文字や装飾を消して
バーベキューの画等を追加し、素の画像の状態を作り出すのは無理と思えるのだ。
なおかつ、冷静に二つの画像の加工有無順序で考えると
決して『宙マンシリウス』作者がこの画像をこのネットショップから無断転載したとは考えられず
むしろ、このネットショップの「クリスマスパーティセット」の画像の素材と
『宙マンシリウス』で使用された画像が、同じ素材を共有していたと考える方が自然である。
そうなると、そもそもこの元画像自体がフリー素材である可能性も出てくる。
なのでこの画像に関してはこれ以上の追及は難しい。
しかし、その直後に登場する(本当のオチ扱いの)「宙マンシリウスの大好物である鳥天」は
逆画像検索ではっきり転載元が判明した。
http://oitamugentosi.web.fc2.com/sirius/toriten.JPG
『臼杵の郷土料理』
http://www.us.oct-net.jp/~sekibutu/ryouri.html
まさにドンピシャ。こちらの「とり天」画像そのままである。
こちらに関しては、キャプ画像を参照して頂ければわかると思うが
他の「だんご汁」「ふぐ天丼」等と共に
統一したコンセプトや角度で、商品画像がしっかりと整頓されている。
このサイトが独自に撮影し陳列した写真であることが推察できる。
この画像元は、(有)石仏観光センターが過去に運営していたご当地グルメ特集のページであり
現在はサイトもリニューアルされているが、リニューアル前のページも残されていたのだ。
『宙マンシリウス』内において「協力・(有)石仏観光センター」といったような
ロゴは見られず、画像に対してもなんら注釈が入れられていないことも
『飛び出せ!宙マン』と同様で、憶測の域を出ないが、残念だが無断転載でないかと思われる。
『宙マンシリウス』の方では決して安易な無断転載は
確実なクロとしての検証結果は、決して多くは見受けられないのではあるが
(検証の結果、フリー素材である可能性が高い画像が多い)
それでも「宙マンワールド」に足を踏み入れた以上は、同じ末路を辿ってしまうのであろうか。
現在では2011年春を最後に、更新が途絶えてしまっているこの『宙マンシリウス』であるが
むしろ「ご当地を紹介するためには、ちゃんと足を向けてロケに行く」この作者の方にこそ
(無断転載だけは今後しないようにして)頑張ってほしいと願わずにはいられない。