担当教員
徳永 隆治 教授 (プログラムマネージャー)
tokunga@cs.tsukuba.ac.jp
http://www.chaos.cs.tsukuba.ac.jp/~tokunaga/
専門分野 / 非線形問題(カオス・フラクタル理論)を中心とする数理工学が専門です。フラクタル画像圧縮の研究に端を発するゲームソフトメーカーとの共同開発以来、アミューズメント向け組み込み機器のアルゴリズム設計に"はまり込ん(embedded)"でいます。
コメント / 最初のプラットホームは、"vb"でした。"マリオパーティ"の実装技術として考案した画像圧縮エンジンは、"64"、"GC"向けの"hvqシリーズ"として沢山のゲームソフトに採用されました。その後、アミューズメント筐体向けのハードウェア圧縮エンジン"rapicシリーズ"をアクセルさんと共同開発しています。マーケットを常に意識し、コストを最適化する"組み込み技術"は、まさにビジネスに直結した戦略的技術です。一人でも多くの学生にその面白さを知ってもらいたと思っています。
尚、私の書くcプログラムは「括弧の多いbasic」と言われ、半田は芋半田を越えて「溶接のレベル」とも言われています。そもそも、私生活同様に分解した物を復元した経験が無いほど(ケンさん位)不器用ですから、本企画では完全な事務方です。優秀な担当教員と講師の皆さんの活躍に期待します。
木村 成伴 准教授
kimura@netlab.cs.tsukuba.ac.jp
http://www.netlab.cs.tsukuba.ac.jp/~kimura/
専門分野 / 現在,インターネットを通して様々な通信が行われています.例えば,電子メールの送受信や,ウェブページの閲覧,音楽や動画像のストリーミング配信などは,我々の生活に欠かせないものとなりつつあります.私の研究の専門は,これらの通信の効率を測定し,これを更に改善する手法を提案していくことです.
コメント / 組み込み技術は,スイッチングハブやルータなどといったネットワーク機器の制御を司る中核を為す技術でもあります.近年,インターネットが普及するに連れて,ネットワーク通信の高速化や大規模化,多機能化が進められており,組み込み技術は今後益々重要な技術となっていくものと思われます.
専門分野 / 将来の情報家電、情報アプライアンスをターゲットとした、オペレーティングシステム、仮想マシンモニタといったシステムソフトウェアの研究をしています。特に、組み込み機器向け仮想マシンモニタの研究、仮想マシンモニタを用いた信頼性の向上に興味を持っています。
コメント / 皆さんの部屋にはいくつ家電機器があるでしょうか?そのうちコンピュータ(マイコン)制御でないものはあるでしょうか?実は、現在コンピュータ制御でない家電機器はほとんどないと言ってもよいくらいです。自動車もたくさんのコンピュータにより制御されています。街角にある自動販売機もコンピュータ制御です。私たちは、PCなどよりも遙かに多くのコンピュータ制御の組み込み機器に囲まれて生活しています。そのような組み込み技術を学ぶことが将来に渡って重要であることは言うまでもないことだと思います。
専門分野 / 主にアナログ電子回路に関する研究を行っています。アナログというと、一般的には、古くて性能が悪いもの、というイメージが先行しがちです。実際にアナログ回路技術は、センサで拾った信号を取り扱うときや、電波や光でディジタルデータを送受信するときなど、現在のIT技術の様々な場面で必要不可欠なものです。こういったことからアナログ回路技術は一般的な認識とは異なり、ますます重要になっている技術の一つです。研究では、新しい回路、特にフィルタ回路を提案し、計算機シミュレーションを行い、また各種測定器を駆使して、集積回路の試作・動作試験を行っています。
コメント / 身の回りを見回すと、テレビ、ビデオ、携帯電話、そして、エアコンでさえ、リモコンの信号の送受信、温度や風向きのコントロールにマイクロコンピュータを使用しています。これらは組み込み技術なしには成り立ちません。最近は、電子機器の工作を趣味としている人の間でも、扱いやすいマイクロコンピュータを積極的に利用する動きが出てきています。情報学群で、組み込み技術を学び、社会で活躍してくれることを期待します。
プレ講義担当講師
筑波大学 客員教授
林 徹
所属・役職 / (株)ネットディメンション 代表取締役社長
担当 / ソフトウェア技術向けコース
講義枠 / 「教養と科学」・「ソフトウェアサイエンス概論II」
プロフィール / 1986年-それまで東京築地の魚河岸でバイトしながらJazzギターにのめり込んでいた私でしたが、「そろそろ、まっとうなサラリーマン人生を」などと考えもし、アルバイト情報誌を開きました。目にとまったのが、「ゲームソフト関連:コンピュータ指導します。初心者大歓迎」の見出しです。後に"ヒューマン"と社名を改めたソフトメーカーで最初に手がけた仕事は、コナミのファミコンソフト"グーニーズ"のシャープ製8bitPC"X1"への移植作業でした。それからの4年間、多くのタイトルに関わりました。例えば、「プログラマは肉体労働者」と驚いた"ファミリートレーナシリーズ(ファミコン)"、大ヒットで一気に取締役開発部長へと昇進させてくれた"SDガンダム(ディスクシステム)"、開発の厳しさを思い知った"闘将ラーメンマン(ファミコン)"、願い叶ってサウンドクリエイタとして参加した"ファイヤープロレスリング(PCエンジン)"。そして、最高のサウンドエンジンに仕上げたはずが、バンダイとセガの係争で2年も発売延期されてしまった"ウルトラマン(メガドライブ)"等、仕事を通じて貴重な経験を積みました。
1990年-世界初のゲームクリエイター養成学校"ヒューマン・クリエイティブ・スクール"を設立しました。自分自身のゲームプログラマまでの道のりをカリキュラムに生かし、校長として4年間従事しました。その間、学生数は1000人を超え、多くの優れたクリエイターを輩出しました。まさに、試行錯誤の連続でしたが、私が誇りとする大事業の一つです。当時は、自身の名刺が20枚を超える程、多くの業務に関わりました。業務用ゲーム筐体や遊戯施設立ち上げ、脱ゲーム会社を目指したインターネットオークション、児童向けコンピュータ教育フランチャイズ事業、などなど。その中に、1995年に着手した"3Dオーサリングシステム"事業があったわけです。
2000年-ゲーム事業不振でヒューマンは倒産しますが、"3Dオーサリングシステム"事業を仲間6名と共に買収し、投資家の支援を得ながら設立した会社が"ネットディメンション"です。現在、ゲームの3Dクリエイションと産業界のエンジニアリングの架け橋となる技術"MatrixEngine"を、"組み込み機器"から"Webソリューション"まで幅広く展開しています。日本から発信できる新市場創造型企業を目指し、奮闘の日々は続きます。
著書・出版物 /
"Computer Oriented Construction Activity(C.O.C.A) and Creative Logico- Mathematical Thinking Education", ICCE 世界大会(1999)
"ユビキタス時代のインターフェイスデザイン:3Dマルチメディアコミュニケーション", NICOGRAPH2004 3Dフォーラム, 春季大会 合同シンポジウム(2004)
筑波大学 客員教授
森屋 和喜 (プログラムマネージャー)
所属・役職 / (株)アクセル 技術企画担当シニアマネージャー
担当 / ハードウェア技術向けコース
講義枠 / 「教養と科学」・「ソフトウェアサイエンス概論II」
プロフィール / 大学および大学院での専攻は化学で、"鉄の錆"について研究を行っていた経緯から、鉄鋼メーカへ就職しました。新入社員教育時に「何か新しいことをやりたい」と言っていたところ、新規事業部門であった特定用途向けLSI(ASIC)グループへ配属されて、組み込み市場とのおつきあいが始まったわけです。
画像伝送装置用ファームウェア作成、画像処理用ASIC設計などにかかわった後、シリコンバレーのASICベンダーで1年半ほど研修を受けました。当時、研修先に日本人はほとんどいませんので、まさにサバイバル生活を経験しました。しかし、シリコンバレーのベンチャー企業で活躍する人々の考えに触れて、ベンチャー企業に大きな魅力を感じました。
帰国後、ファミコンのカートリッジに内蔵するアクセラレータ設計なども担当しましたが、アーケードゲーム関連あるいはIEEE1394関連LSIの事業を通じて、徐々に、設計から技術マネージメントに仕事の比重が移ってきました。
アクセルが設立され、社内の技術者も増えて、専門性に沿った計画的分業が可能になった現在は、他社との協業・アライアンス関係、大学との研究、知財関連、新規事業開拓、情報システムへの助言など、「何でも屋稼業」に勤しんでおります。というわけで、本企画では、協力企業側のプログラムマネージャーを担当しています。
著書・出版物 /
"組み込み機器で求められるグラフィックス機能",Design Wave Magazine,10月号, pp.27-33 (2004)
"ファブレスベンチャーはこの技術で勝負する",JASVA, 第10号, 4月, pp.6-7 (2003)
"Design Wave設計コンテスト総評",Design Wave Magazine, 6月号, pp.77-82 (2003)
"Design Wave設計コンテスト総評",Design Wave Magazine, 6月号, pp.24-27 (2002)
"Design Wave設計コンテスト総評",Design Wave Magazine, 5月号, pp.35-36 (2001)