■全米を震撼させたアーミッシュの事件

 アメリカ「ロイター通信」によると、罪を犯したのはオハイオ州ベルゴルツで生活する、サミュエル・マレット(67)がリーダーを務めるオールド・オーダー寄りのアーミッシュの一派と、そのコミュニティに属する男女15人。

 被害者は、ほかのコミュニティに属するアーミッシュで、サミュエルの方針に疑問を感じ、彼のコミュニティから離れたアーミッシュの家族たちを、「破門にするかどうか」を問う指導者集会で、「破門にしない」ことを奨めた指導者らだった。早い話が、サミュエルの逆恨みだったのである。

 アーミッシュの人たちは、結婚すると、男性はひげを伸ばし、女性は髪を伸ばすというしきたりがある。これを切られることは、精神的に大きなダメージを与えるものであり、暴力に等しいと裁判ではみなされた。

 FBIの捜査が進むにつれ、サミュエルの暴君ぶりが明らかになり、世間はさらに驚くことになる。

■次々と明るみに出るサミュエルの悪行

 彼は、コミュニティの女性たちに対して「悪魔から身を清める」と述べて性的な行為をしていたり、反抗的な態度をとる者に対して暴力をふるっており、コミュニティは、アーミッシュの皮をかぶったカルト状態だったというのだ。

 FBI捜査班が、逮捕しようとサミュエルの自宅に乗り込んだとき、彼は自分の甥の妻に「カウンセリング」と称してセックスをしていた真っ最中だったとも伝えられている。

 サミュエルは、コミュニティの者たちに、自分と異なる意見を持つ指導者たちのひげや髪を切るように命じ、戦利品として自分に捧げるよう命じていた。彼自身が切ったわけではないのだが、裁判では「悪質極まりない」として、禁固15年の実刑判決が下された。裁判官から「カルト」だと指摘されたサミュエルは、「私がカルトのリーダーだというのなら、喜んで、皆の罪を引き受けよう」とうそぶいたという。

 2012年、4月12日、禁固刑が下った16人のうち、5人が州立刑務所で服役を開始。2014年に服役する予定の女性2人を除く14人が、次々と服役を開始した。

 米紙「デイリー・ニューズ・レコード」によると、10人の男性は伸ばしているひげをそのままキープしておくことが許可されたが、灰色や黒いアーミッシュの服ではなく、スタンダードな明るい色の囚人服を着用するよう強要されているとのこと。アーミッシュの女性は、長い髪の毛をボンネットで隠しているのだが、これは認められず、男性同様、囚人服を着用しているという。

 彼らは、一箇所の州立刑務所で服役しているわけではなく、バラバラに離されているとのことで、コミュニティから遠くなるため、家族が、馬車で面会に通うことは非常に骨の折れることだ。

 今回事件を起こしたアーミッシュのコミュニティには、26家族、100人あまりしか暮らしていないとのこと。半数以上が子どもで、実刑判決を受けたメンバーの子どもだけでも合わせて50人近くいるという。夫婦で服役しているケースもあり、残されたメンバーたちは、子育てに四苦八苦している状態だと伝えられている。

 神を敬い、質素な生活をし、自然と上手く共存しているアーミッシュ。しかし、閉鎖的な暮らしをしていため、今回の事件で発覚したように、一歩間違えれば、カルト化してしまう危険もあるようだ。人間は罪深く、欲にまみれた恐ろしいもの。理想的なコミュニティを作り上げるのは、とても難しいことなのだろう。



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    コメント(1)

    >まるで原始人! アーミッシュの生活

    この表現には記者の物事への視野の狭さを感じます
    電気を使わない、車を使わない生活の何がいけないのでしょうか。

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