東通原発:規制委調査団、東北電の説明打ち切る 報告書案、「活断層」と結論 /青森
毎日新聞 2013年05月18日 地方版
東北電力東通原発(東通村)の敷地内断層を調べている原子力規制委員会の有識者調査団は17日に東京都内で開いた第6回会合で、聴取していた東北電からの説明を途中で打ち切った。東北電は追加調査の中間報告を7月に示すとして議論の継続を求めたが、説明しようとした7項目のうち3項目しか説明できなかった。調査団がこの日示した報告書案は、東北電の主張を退け、断層について「耐震設計上考慮すべき活断層である」との結論が盛り込まれた。
東北電は2月に始めた追加調査の一部が7月にまとまるとし、調査団がこの結果を踏まえて再度現地調査するよう求めたが、調査団は取り合わなかった。
東北電はこの日も「活断層ではない」との従来の主張を展開。F−3、F−9断層の活動性や、地下深くの固結など7項目で調査団の主張に反論する資料を準備した。だが、午前9時半の会合冒頭で、座長の島崎邦彦委員長代理が「正午まで」と時間制限を設け、正午を過ぎると島崎氏は会合を打ち切った。
東北電の梅田健夫副社長が「説明しきれておらず、議論が尽くされていない」と訴えたが、調査団の委員や事務局はその間も次々と席を立って会場を去る幕切れとなった。
調査団は今後、他の専門家から意見を聞く「ピアレビュー」を経て評価書を正式にまとめる予定。東北電からも再度説明を求めるとみられるが、詳しい日程は決まっていない。【酒造唯】