【ワシントン時事】米国務省のサキ報道官は16日の記者会見で、日本維新の会の橋下徹共同代表の従軍慰安婦に関する発言に対して「言語道断であり、不快だ」と述べた。米政府が今回の問題で公然と批判したのは初めて。また、日本が慰安婦問題を含む歴史問題の解決に向けて「隣国と共に取り組むよう希望する」と強調した。
米政府は北東アジア地域の安定の観点から、歴史問題などでぎくしゃくする日韓双方に対して慎重な行動を求めてきており、今回異例の強い表現でくぎを刺した。
報道官はこの中で、慰安婦問題について「明らかに深刻な人権侵害だ」と改めて指摘。被害者に対して衷心より同情を申し上げると述べた。
一方、報道官は「慰安婦」という表現に関し、米政府はこれまで「性的奴隷」ではなく「慰安婦」という言葉を使用しているとの見解を示した。
橋下氏は、旧日本軍による従軍慰安婦問題について「慰安婦制度は必要だった」と発言。慰安婦制度があったのは日本だけではないとも主張していた。(2013/05/17-07:36)