第13話 『長門』級機動戦艦
夢幻諸島 第01エリア 特別架空連合艦隊海軍工廠
神崎青葉
「さて、予告通りに艦艇の紹介に入る――だが、しかし、ここで新しい艦魂を紹介したいと思います」
エンタープライズ
「誰だよ、一体?」
キティホーク
「誰であろうと、新しい仲間なのですから楽しみです」
神埼青葉
「では、入って来て下さい」
神埼がそう言うと、部屋のドアが開き、まず最初に入室してきたのが、“ある理由”から今までいなかった佐藤であり、その後ろについて来た2人の少女――もとい艦魂が入室してきた。
キティホーク
「えっ!? う、うそでしょ……」
2人の艦魂を見た瞬間、キティホークは思わず驚きの声を上げた。だが、無理はないだろう。なぜなら――
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「お久しぶりです。キティホーク姉さん」
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「取り敢えずは、久々の再会ですね――もっとも、アメリカがいないのは少し寂しいがな…」
――彼女達は、キティホークからすれば“妹”にあたる姉妹。言うまでも無く、上からコンステレーション、ジョン・F・ケネディ(以下、ケネディ)である。
尚、三番艦『アメリカ』は、2005年に海没処分されてしまったため、艦そのものは海底で漁礁と化し、その精霊の艦魂はこの世に存在しない。
エンタープライズ
「おいおい。これはどう言う事だよ――まさか!?」
状況を読み取ろうとしたエンタープライズが一つの答えを導き出した。
神埼青葉
「そうだ。彼は我が艦隊の“特使”としてアメリカに渡り、退役した大型正規空母を破格の値段で買い取った空母と、その艦魂達だ」
実を言うと、アメリカは退役した2隻の空母の後を全くとは言わないが考えていなかった。博物館にしようとしても、今日の情勢で議会は金を出さないし、かと言ってこのまま放置しても“御荷物”になるだけだとして困っていた。
そこに、特使として派遣された佐藤が“空母の技術取得や機動艦隊編成のための経験取得として購入したい”として、アメリカ政府やアメリカ海軍と会談した結果、空母1.5隻分の値段でその2隻を購入したのだ。
しかも、前回の空母+艦載機の購入によって艦艇等を売却する事による資金調達の可能性を導き出したアメリカは、特別架空連合艦隊陸戦隊でも使用されているM1A2『エイブラムス』やAH-64D『アパッチ・ロングボウ』等の兵器も同時に売却したのだ。
結果的に言えば、空母の他に陸上兵器も購入できたために、こちら側は戦力アップとなり、対してアメリカは低迷しつつある軍事産業に発破をかける形での武器輸出が成功したため、両方とも得をしている。
神埼青葉
「お疲れ様だな、佐藤」
佐藤
「えぇ。まぁ、アメリカのお偉いさん達も快諾してくれましたし、おまけも購入できましたからね」
コンステレーション
「そのおかげで、キティホーク姉さんにも再会できましたからね」
ケネディ
「うんうん。本当に感謝しています。佐藤さん」
佐藤
「こちらこそ、長年、アメリカ機動部隊の中核を担ってきた『キティホーク』級航空母艦の艦魂達ならば、まだまだ若い特別架空連合艦隊の艦魂達に指導できるのですからね」
■『長門』級機動戦艦――性能諸元――
全長
・433メートル
全幅
・55.9メートル
平均喫水
・13.9メートル
基準排水量
・12万3900トン
常備排水量
・14万5300トン
満載排水量
・16万7200トン
搭載機関
主機関部
・FE社製核融合炉×10基
・FE社製蒸気タービンエンジン×4基4軸推進
・補機関部
・FE社製ガスタービンエンジン×6基4軸推進
機関出力
・主機関部
・82万馬力
・補機関部
・30万馬力
最高速度
・35ノット(主機関部)
・33ノット(補機関部)
航続距離
・事実上無限(主機関部)
・18ノットで3万2000海里(補機関部)
装甲
・舷側:560mm
・甲板:300mm
・艦橋:780mm
・CIC :1000mm
乗員
・1500名
武装
・13式50口径56cm連装電磁投射砲『ゼクスウントフュンフツィヒ』5基10門
・01式70口径127mm連装速射砲『カノーネン・フォーゲル』12基24門
・01式垂直発射管『クヴァルム』320セル
・スタンダードミサイルSM-2
・スタンダードミサイルSM-3
・01式艦対空ミサイル『フェニックス』
・01式艦対艦ミサイル『アルバトロス』
・01式艦対潜ミサイル『アクエリアス』
・01式巡航ミサイル『ケルベロス』四連装装甲発射筒4基
・01式高性能40mm複合機関砲『ファルケ』12基
・01式21連装近接防空ミサイル発射筒『シュヴェルマ』4基
艦載機
・SH-60K 4機
・MV-22J 3機
・F-35BJ 2機
最大搭載機数 12機
姉妹艦
・二番艦『陸奥』
・三番艦『加賀』
・四番艦『土佐』
説明
特別架空連合艦隊の最新鋭機動戦艦にして、史上初の56cm艦載砲を搭載した機動戦艦でもある。
『大和』級の後継艦艇として建造された『長門』級には、56cm連装電磁投射砲『ゼクスウントフュンフツィヒ』(ドイツ語で『56』)を史実の『天城』級巡洋戦艦と同じ主砲配置に配置し、さらに対56cm対応装甲が船体全体に施されている、戦闘指揮所及び艦隊司令部用の設備の高度化等、次期艦隊総旗艦に相応しい機動戦艦として就役した。
さらに、全長・全幅の拡張によって『大和』級より核融合炉2基・ガスタービンエンジン2基が増設された事で、最高速度が主機関部で35ノット、補機関部で33ノットと高速戦艦としても存在するし、船体比が全長:全幅が約8:1と言う数字を記録している。この比率によって全長400メートル超えにも関わらず良好な旋回半径を記録する等、『大和』級よりも優れた性能を保有している。
尚、56cm電磁投射砲の試射において、最新鋭砲弾――13式徹甲弾を目標物である600mm装甲板を距離3万5000メートルから発射してみた所、一瞬のうちに貫通し吹き飛ばしてしまったため、次期艦砲としての可能性を導き出した上層部の判断で正式採用された経緯を持つ。
キティホーク
「あなた達…これでまた共にいられるんだよね……夢みたい」
あまりの状況に思わず涙を流すキティホーク。
コンステレーション
「私達もですよ。ずっと会いたかったのに、ね」
ケネディ
「そうだよな。現役時代は期待の声が絶えなかったのに、退役した時から現役の頃とは打って変わっての状況を数年も味わったのですからね、私達は。だからこそ、佐藤さん、それに神埼さん。あなた達には本当に感謝しています」
そう言ってお辞儀をするケネディに続き、2人もお辞儀をする。
神埼青葉
「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします」
そして互いに握手を交わす。
神埼青葉
「さて、次回予告を行うぞ。次回は――」
エンタープライズ
「次回は航空機を紹介すると言う事だ」
神埼青葉
「それ、俺のセリフ!?」
次回に続く。
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