そういえば、小説家 森村誠一氏の書かれた『悪魔の飽食』という本で、中国において『細菌戦』を行い、人体実験を含む極めて残虐な行為を行ったとされる731部隊。
戦後、その資料をアメリカに引き渡す事で、自らはその犯罪行為の追及を逃れたといわれた、その資料がアメリカで公開されたそうで。
その結果はどんなものだったのか。
旧日本軍「細菌戦研究」 米が機密文書公開
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070118/usa070118004.htm
米国立公文書館(メリーランド州)は、旧日本軍が当時の満州(現中国東北部)で行った細菌戦研究などに関する米情報機関の対日機密文書10万ページ分を公開した。
石井中将 尋問記録も
文書目録によれば、石井四郎軍医中将を含む731部隊(関東軍防疫給水部)関係者の個別尋問記録が、今回の公開分に含まれている。また、細菌戦研究の成果を米軍に引き渡したとされる石井中将が、米側に提出する文書を1947年(昭和22年)6月ごろ執筆していたことを裏付ける最高機密文書も今回明らかになった。(ワシントン 山本秀也)
戦争犯罪を立証
今月12日に公開された機密文書は、ナチス・ドイツと日本の「戦争犯罪」を調査するため、クリントン政権当時の99年に米政府の関係機関で構成された記録作業部会(IWG)が、米中央情報局(CIA)や前身の戦略情報局(OSS)、日本を占領した連合国軍総司令部(GHQ)などの情報文書を分析し、機密解除分をまとめて公開した。
IWGの座長を務めるアレン・ウェインステイン氏は、「新たな資料は学者らが日本の戦時行動を理解する上で光を当てる」と意義を強調するが、作業は「日本の戦争犯罪」を立証する視点で行われた。日本語資料の翻訳と分析には中国系の専門家も加わっている。
細菌戦などに関する米側の情報文書は、これまでも研究者が個別に開示請求してきたものの、一度にこれだけ大量に公開された例は少ない。
情報の一部は34年(昭和9年)にまでさかのぼるが、終戦の45年(同20年)前後4年分が大半を占めている。
文書内容の大半は731部隊など細菌戦研究に関する内容だ。公開文書の概要によれば、37年12月の南京事件に関する文書が一部含まれる。IWGでは「慰安婦問題」を裏付ける文書も探したが、「目的を達せず、引き続き新たな文書の解析を図る」と述べるなど、調査では証拠が見つからなかったことは認めている。
日本の使用警戒
細菌戦の研究競争が大戦下で進む中、米側は日本の細菌兵器使用を終戦まで警戒していたほか、奉天(現瀋陽)の収容施設で、連合軍の捕虜に細菌実験が行われた形跡がないかを戦後調べたことが判明した。同じく米本土に対しても、日本からの風船爆弾が細菌戦に使われないか、米海軍研究所が回収した現物を大戦末期に調べ、「細菌の散布装置がついていないことから、当面は細菌戦を想定していない」と結論づけた文書も公開された。
細菌戦に関する米国の日本に対する関心は、44年ごろから終戦までは、細菌兵器の開発状況と731部隊の活動実態の解明に重点が置かれ、終戦から47年ごろまでは、同部隊関係者への尋問による研究成果の獲得へと、重点が移っている。
米側が最も強い関心を抱いたのは、731部隊を指揮した石井中将だった。45年12月の情報報告には、千葉県の郷里で中将が死亡したことを装った偽の葬式が行われたことも記されているが、翌46年から47年には中将に関する報告や繰り返し行われた尋問の調書が残されている。
保身引き換えに
石井中将は自らと部下の保身と引き換えに、細菌戦研究の成果を米側に引き渡したとされてきたが、47年6月20日付の米軍最高機密文書は、こうした説に沿う内容を含んでいる。
「細菌兵器計画の主要人物である石井中将は、問題全体にかかわる協約を現在執筆中だ。文書には細菌兵器の戦略、戦術的な使用に関する彼の着想が含まれる。石井中将の約20年にわたる細菌兵器研究の骨格が示される見通しであり、7月15日には完成する」
同じ文書には、「日本南部の山中」に隠されていた「細菌に侵された200人以上から採取された病理学上の標本スライド約8000枚」が、47年8月末までに米側に提供されることも付記されていた。
米側では日本からの情報収集を急ぐ一方、冷戦でライバル関係となる旧ソ連に細菌戦に関する情報が渡ることを強く警戒していた。ハバロフスク裁判のため、旧ソ連が請求してきた細菌戦関連の証拠引き渡しを渋る一方、約30人の731部隊関係者が「モスクワ近郊で細菌兵器の研究プロジェクトに従事している」とする48年4月の情報報告も今回明らかにされた。
あの・・・アメリカの公開した資料からは、731部隊の行った残虐な行いの証拠、従軍慰安婦の強制の証拠、いずれも出てこなかったって事ですか。
南京事件の資料も含まれる、と。その内容も気になるところです。
しかし・・・これまでの『常識』は一体何だったんだ・・・
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コメント(7)
日本は、戦争の悪を誤魔化している。
それでは、国際協調も出来ないと思う。
傑作☆トラバおねがいします。
2009/7/25(土) 午前 9:42 [ TAKA ]
TAKAさん、戦争の悪を誤魔化しているのは日本だけでは無いと思いますよ。
なかなか表現が難しいのですが、『被害者が実は加害者の一面を持っている』と言うケースもあります。
日本が『その全ての悪を引き受ける』と言うのは誤まった考えのように(私は)思います。
日本は戦争の悪を誤魔化している=国際協調は出来ない
が正しいとすれば、アメリカもロシアも国際協調は出来ないでしょう。中国など論外。韓国や北朝鮮は言わずもがな。
一体誰が国際協調が出来るというのでしょう。
2009/7/25(土) 午後 10:10
40年位前、「人体実験をしていたと疑われて、していないと言っても信じてもらえず、書類が在るだろうから出せと言われて、無いと言っても全然信じなかったので、仕方なく書類が在る振りをしようという事になって、見せ掛けをやっている。それによって、日本に利用価値が在ると思われれば、日本の延命が図れるのではないだろうかと思って。」と聞いた事があります。731の事にしては都合が良すぎる気もしますが、嘘を言っている様子でもなく、子供相手にでも真摯な態度でしたので、何処かで誰かにお伝えせねばという事で、ここで少し。おそらく、子供に言っておけば後の時代に伝わるかもと思われたのでしょうか。
また、「亡くなった人を火葬していたら、中国人が大騒ぎしていた」「薬が無くて麻酔なしで手術をしたり、薬が少ししか無くて効かなくてもそのまま手術するしかなかったりした」「その際に、麻酔代わりに殴って気絶させたり、台に縛ったりして、手術中に動いて危険にならないようにしていた。中にはつわものが居て、麻酔なしでそのままじっと大人しく耐えていた人も居た。」などとも他の方達から何度か伺いました。(1/2)
2010/3/27(土) 午後 2:17 [ nao**_jp ]
731部隊と言われている給水防疫部隊が、人体事件をしたとの事が一部で言われているようです。
手術を知らない人から見れば、「薬が足りない状態で、切開して、内臓の破損箇所に対して止血・切除等の作業等をしていた」→「生きたまま腹を切り裂いて、内臓を取り出していた」、「手術中に亡くなる方が居た」→「生きたまま体を切り、殺した」、「術後の経過が悪くて亡くなった」→「実験して、殺した」、「感染や損傷等で切断するしか方法が無く、仕方なく体の一部を切断した」→「生きたまま体を切断していた」、「伝染病で隔離し、家族との面会も規制、治療の甲斐なく亡くなった」→「強制連行して閉じ込めて、合わせて貰えない間に亡くなった」、といった、認識違いによる訴えのような気がするのです。言葉が通じなければ、安全確保の為の行為でも、見方によっては判らないままの強制行為にも見えてしまいます。
日本人の基本的なキャラクターからしてみれば、やったとも思えないのですよね。(2/2)
2010/3/27(土) 午後 4:34 [ nao**_jp ]
nao**_jpさん、この資料から見ても、いわゆる731部隊の人体実験については『あったかも知れんけど、資料は無い』って所でしょう(もちろん、百歩譲って)
ただ、死刑囚を使って人体実験を行っていたと言う証言はあるようで、全く無かったわけではないだろうと(私は)考えています。
しかし、大々的に行われたって事は無いでしょうね。
2010/3/30(火) 午後 9:52
昔「陸軍中野学校」という古い本を読んだが、その中には、もともとロシア軍が、給水所に毒を撒くので、その対策のために、731部隊は出来た、と書いてあったな。
2011/10/8(土) 午後 5:36 [ uta*e_z*ki ]
utage_zukiさん、確か設立の目的はそのとおりみたいですね。
2011/11/12(土) 午前 8:42