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2008年6月の沖縄全戦没者追悼式で、河野洋平衆院議長(当時)は「『ワンネー、ウチナーンチュ、ヤイビーン(私は沖縄県民です)』という心で沖縄の問題に向き合ってほしい」と全国会議員に呼び掛けた
▼式辞では「日本の人々の考えが変われば、沖縄の問題は解決する」という言葉を紹介し、人ごとではなく当事者の一人として取り組むよう求めた
▼先日、河野氏に話を聞いた。「今なお過重な米軍基地がある現況を見ても、(本土側は)沖縄の現実をより重く受け止めないといけない。特に若い政治家は沖縄のことをもっと勉強すべきだ」と訴える
▼河野氏は自民党のハト派を代表する存在だった。改憲や集団的自衛権の行使に慎重なハト派の政治家は昨年の衆院選で勇退、落選し、ほとんどが一線を退いた。政治の右傾化に「直言する政治家がいなくなった。このままでは日本が孤立化する」と危機感は強い
▼中国や韓国との関係が悪化する東アジア情勢に「外交を真剣に考えるべきだ。それは基地問題とリンクする」と強調。安倍政権に「やるべき外交をやらず、やってはいけない外交をやっている」と苦言を呈する
▼基地問題で「頭越しはできない。地元の意向を最も尊重すべきだ」という河野氏の言葉に安倍晋三首相は真摯(しんし)に耳を傾けてほしい。(与那原良彦)