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| (28時間30分前に更新) | ||
最近、安倍晋三首相の公務以外の動向が耳目を集めている。人気グループのコンサートを観賞したかと思えば、フォークのライブに飛び入りし歌まで披露した
▼その様子はテレビなどで取り上げられ、笑顔で観客に手を振り、マイクで熱唱するシーンを何度か見た。民放番組の司会が「安倍さんは、明るくて庶民的」というほどだから、好感度アップ作戦は今のところ成功しているようだ
▼不思議なもので、昨年末の衆院選で憲法改正を公約し、「国防軍」の創設を連呼していた「タカ派」のイメージは薄れる。そうなると、先の大戦をめぐる歴史認識や右寄りの思想信条まで「ソフト化」したように見えてくるがそんなことはない
▼安倍氏は、麻生太郎副総理ら閣僚の靖国神社参拝をめぐる中国、韓国の批判に「どんな脅かしにも屈しない」と反論。改憲を志向し、米議会の報告書で「強固なナショナリスト」と指摘される姿勢は変わっていないからだ
▼民主党の海江田万里代表の表現が興味深い。「安倍政権はいわば衣の下に鎧(よろい)を着ている」。うわべは平和的に装いながら、武力もほのめかす政権の一面を示していないだろうか
▼これから7月の参院選に向け、安倍政権と自民党のイメージ戦略は本格化する。うわべの華やかさに惑わされず、政権の本質を見極めたい。(平良武)