いわきで「スギラン」確認 県内2例目、現状では唯一
いわき市平下平窪の吉田一右さん(71)は17日までに、県内では現在、存在が確認されていないシダ植物「スギラン」を同市南部の鮫川流域で発見した。存在が確認されないため県のレッドデータブックでは「未評価」となっている。県は今後、複数の専門家による調査を進め、改訂を進めているレッドデータブックに反映する見通し。
スギランは環境省のレッドデータブックでは「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧2類に分類。県内では1987(昭和62)年に只見町で発見されたという記録が県植物誌に残っているが、その後、存在が確認されておらず、今回は県内で存在が確認された唯一の例となる。
吉田さんは県野生動植物保護サポーターに登録されており、3月1日から市内の着生植物の再調査を行っていた過程で同12日にスギランを発見。発見場所は木々に覆われ、葉の付く時期には隠れてしまうことなどから、これまで見つからなかったと推測している。吉田さんは「株数としても少なく、大変貴重な植物なので、本県から絶滅せず次の世代に残せるよう、みんなで保護したい」と話した。
(2013年5月18日 福島民友トピックス)
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