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【大相撲】

日馬 必死の逆転 もう負けられない!

2013年5月18日 紙面から

日馬富士(左)が押し出しで阿覧を下す=両国国技館で(松崎浩一撮影)

写真

◇夏場所<6日目>

(17日・両国国技館)

 横綱日馬富士(29)=伊勢ケ浜=は平幕の阿覧の変化に対応して連敗を免れ4勝目。横綱白鵬(28)=宮城野=は小結隠岐の海をはたき込み、6戦全勝とした。大関陣は稀勢の里と鶴竜が6連勝。琴欧洲は安美錦に、琴奨菊は妙義龍に屈し、ともに4連勝後に2連敗となった。平幕の碧山が敗れて土つかずは3人だけになった。

 日馬富士が薄氷を踏む思いで連敗を免れた。立ち合い、阿覧の右への変化にまわしが取れず、前につんのめったが、相手の太ももにしがみついて対応。体勢を立て直し、逆転の押し出しで何とか2敗を死守した。

 「自分の立ち合いをやるだけ。体が反応してくれた。調子はいいですからね」。早くも優勝争いから脱落し、勝ったとはいえヒヤヒヤの内容。それでも取り囲む取材陣には強がってみせた。

 この日朝、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の知人で占術師の宮城悟さん(59)が部屋を訪れ、横綱に「数字と色が人生を変える」という1冊の本を手渡した。全勝優勝した今年の初場所前にもアドバイスしたことがあるそうで「今年の(日馬富士の)運気は絶好調。でも運は生きもの。不安になると逃げていってしまう」と伝えたという。

 自信回復を期し、この日の一番ではちょっとした験直しもした。締め込みに付けるさがりの場所をきのうまで残り1周のところに合わせていたが、残り2周に変更し、気分転換を図った。

 「きょうの一番に集中する。以前にも言いましたが、過去のことは変えられない。気持ちだけは負けないように頑張っていくしかない」

 北の湖理事長(元横綱)は「突っ込みがいいから残せた。精神的には苦しいだろうが、勝ち進んでいくことで落ち着くはず」と激励した。

 左足首の痛みはピークに達している。支度部屋を出る際は何度も足元を気にして顔をしかめた。地下駐車場に向かう通路では2度、つんのめって転びそうになったほど。ただ、帰り際に国技館の大広間で観戦した東京女学館の女子中学生数十人との記念撮影に応じ、黄色い声援を浴びて「元気をもらった気がします」と日馬富士。逆転でつかみ取ったこの1勝を何としても逆襲への一歩にしたい。 (竹尾和久)

 

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