韓国軍:ソフト違法使用問題で軍とMS社が歩み寄り

昨年、韓国軍内でのソフト違法使用を主張したマイクロソフト
国防部は「購入中断」の実力行使
業務協約を結ぶ形で歩み寄り

韓国軍:ソフト違法使用問題で軍とMS社が歩み寄り

 約2000億ウォン(約183億円)と推定されるソフトウエアやサーバーの使用料をめぐって1年以上も続いていた韓国国防部(省に相当)とマイクロソフト社の争いが、16日に妥結した。

 国防部の関係者は16日「国防IT分野の先進化事業のため、韓国マイクロソフトと業務協約を締結した。今回の協約締結を機に、ソフト使用料をめぐるマイクロソフトとの紛争も妥結した」「マイクロソフト側はソフト使用料をこれ以上要求しないことになった」と語った。韓国軍周辺では、国防部とマイクロソフト社が、互いの体面と実利を適当なところで折り合わせた「ウィン・ウィン」の協約だとみている。

 双方の対立は、昨年4月から5月にかけてマイクロソフト社が国防部に対し4度にわたって送付した文書を機に始まった。当時マイクロソフト社は、韓国の国防部や合同参謀本部(合参)・陸海空軍が、正当な代価を払わずに同社のソフトを違法に使用しているとして、使用料の支払いを要求した。マイクロソフト社は特に、韓国国防部が、ウィンドウズサーバーにアクセスする際に必要な「クライアント・アクセス・ライセンス(CAL)」の購入数をはるかに越えてウィンドウズサーバーにアクセスし、同社に損害を与えていると強調していた。同社は、被害額が年間約2011億ウォン(現在のレートで約184億円)に上ると主張した。

 これに対し国防部は、純正品ソフトウエアの使用状況を毎年独自にチェックするなど、ソフトの違法な使用を根絶するため努力していると表明した。CAL問題に関しては、マイクロソフト社と事前に協議したことはなく、ウィンドウズサーバーを使用しないユーザーも多いため、CAL購入数に合わせて費用を算定するのが妥当だと主張した。

 調査の結果、国防部では違法にソフトウエアを使用していないという結論が出たが、ユーザーのサーバーアクセス許可権に伴う費用の支払い問題をめぐって、双方の神経戦が続いた。そこで国防部は昨年5月以降、マイクロソフト社のソフトウエアやサーバーなどの製品を一切購入せず、外国製のデータベース管理システムから韓国製のシステムに切り替える方法を検討するなど「実力行使」に出た。

 結局マイクロソフト社は、国防部と業務協約を締結、過去の問題をこれ以上提起せず、国防IT分野で協力することにした。韓国軍消息筋は「北朝鮮のサイバー攻撃が相次いだことから、韓国軍ではサイバーセキュリティーに関する大規模な事業展開を計画している。このため、マイクロソフト社としては、大きな収入源になり得る韓国軍のIT市場を失いたくなかったのだろう」と語った。

ユ・ヨンウォン記者 , チョン・ヒョンソク記者
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