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【大リーグ】ダルビッシュ、“男気”の130球 チーム事情考え、志願の8イニング投球2013年5月18日 紙面から ◇レンジャーズ10−4タイガース【アーリントン(米テキサス州)大城和美】おとこ気の130球だ!! レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)は16日(日本時間17日)、地元でのタイガース戦に先発。8イニングを投げ、7安打4失点を喫したが、味方打線の大量援護もあって両リーグトップタイとなる7勝目を挙げた。7回を終えた時点で球数は115球に達していたが、前夜の移動トラブルなどでチーム内に疲労が蓄積していた事情をくんで志願の続投。メジャー自己最多の130球を投げ抜き、リーグを代表する剛腕ジャスティン・バーランダー(30)との“最強右腕決定戦”も制した。 涼しい顔でマウンドに上がった。7回を終えた時点で115球を投げていたダルビッシュに、ワシントン監督が「まだ行けるかい?」と問い掛ける。当然とばかりに首を縦に振ると、8回もベンチを飛び出し、3人でピシャリ。「(監督が)投げて欲しそうだったので。僕もすごく元気でしたし、なるべく長く投げたいと思っていました」とダルビッシュ。メジャー自己最多の130球を投げながら、何食わぬ顔でベンチに引き揚げてくる背番号11に、観客席からねぎらいの拍手と大歓声が降り注いだ。 疲弊したチームを救った。前夜はアスレチックス戦後に西海岸からテキサス州ダラスに移動。本来なら約3時間で着くはずだった。だが、飛行機が竜巻で降りられず、ニューメキシコ州アルバカーキに緊急避難。天候回復後の再出発でダラスに着いたのは日付が変わった午前1時半だった。予定より3時間遅れでチームの調整は狂い、加えて救援陣も最近の登板過多で疲労気味。そんなチーム事情からの続投要請だったが、日本でも100球以上が当たり前だった右腕は気にしない。むしろ「100球前後からエンジンがかかってきた」と最後も154キロの直球で5番マルティネスを三飛に打ち取った。 球団地元紙ダラス・モーニングニューズが「夢の決闘」と題した2011年サイ・ヤング賞右腕バーランダーとの対決。だが、ライバルはまさかの3回途中KO。“肩透かし”となったが、「どの投手も悪い日はある。別に思うことはない」と自分の投球に集中。自身も3回に8番ケリー、4回に7番ペラルタに一発を浴びるなど4失点したが、以降は100キロ台のスローカーブも駆使する緩急自在の投球で立ち直った。本調子でなくても投げ抜いた右腕にワシントン監督も「彼は馬のように働いてくれる」と目を細めた。 6奪三振はダルビッシュにとっては物足りない数字。それでも、昨季の三冠王カブレラらを擁する強力打線を向こうに回し、両リーグ通じてトップタイとなる7勝目をもぎ取った。調子が悪くても試合をつくり、救援陣には“臨時休暇”を与える男っぷりの良さ。もちろん試合にも勝った。チーム内での信頼、求心力を高め、絶対的エースへの階段をまた一歩上った夜だった。 PR情報
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