◇中日4−3楽天
中日が逆転サヨナラ勝ち。1点を追う9回1死二、三塁から、代打山崎が2点適時打を放って、試合をひっくり返した。楽天は7回に、代打銀次の2ランで逆転したが、救援の青山がリードを守り切ることができなかった。
無情の一打は左翼線に転がり、フェンスで跳ねた。青山が表情を失う。1点リードの9回。楽天の守護神が逆転サヨナラ打を浴びた。交流戦初黒星。「ヘッ、ヘッ」。2年前の就任からナゴヤドーム5戦全敗となった星野監督は、小さく、苦い笑みを浮かべた。
大誤算だった。7回に代打の代打銀次の2ランで逆転。小山伸、ラズナーと危なげなくつなぎ、残る3つのアウトを青山に託した。しかし、連打とバントでピンチを招くと、最後は山崎に2点打を浴びた。3試合連続失点のクローザーは「情けないです」と声を絞り出した。
星野監督も同じ心境だろう。背信の投球が続く青山に対し、「1つも(自力で)アウトを取れないようじゃダメだな。やられるわ。野球を分かっていない」と落胆を隠せない。
12日のロッテ戦でも青山で逆転サヨナラ負けを喫した。試合直後には「何年かぶりで血圧がブワーっと上がった」。監督室に戻ると、「ウソだろ…。夢だろ…」と放心状態に陥ったという。わずか5日後に、再び悪夢が待っているとは−。
この日の朝、星野監督は名古屋城を望む宿泊先のホテルから窓外を見やり、「昔はここの敷地にプールがあってな。子どもを連れて来たもんや」と現役時代を思い出していた。プロ野球人としての原点でもある地は、試練を与え続ける。 (井上学)
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