「今回の前兆はこれまでにない長さのもので、'08年7月3日に始まり、4年9ヵ月も続いています。しかもこれまでは、ひとつの前兆が始まってからFM波の受信の度合いが最大となる『極大』に対して、ひとつの地震という対応関係がありました。その『極大』の時期と前兆開始の時期から発生の日づけも割り出せました(図1参照)。ですが、今回は『極大』が示す地震発生の時期が来ると、そこでまた新たな前兆が始まるという特異なグラフが現れたのです」
この前兆が指し示す地震の規模は、M7.9+-0.5という超弩級のものだった。これが的中すればとんでもない被害が発生するということで、未知の前兆であるにもかかわらず、串田氏は前回、本誌に「'12年12月29日に琵琶湖付近で大地震が起こる可能性が高い」と情報を提供して警鐘を鳴らしたのである。
その予想は的中しなかった。4年超という長期の前兆だったため、地震の規模と発生時期を推定するための根本データである「極大」の位置を読み間違えたからだ。前回の誤読を修正し、再検証した串田氏の予想が以下だ。
「3月末から4月初めにかけて、各地のFMラジオ局からの電波の受信度合いを測っている複数のグラフで前兆が終息しました。このままいけば、早ければ4月29日、遅くともそれから1~2週間のうちには大地震が発生します。規模はM7.9+-0.5。発生時間は午前9時+-2時間。もしくは午後6時+-2時間です。場所は前回の予想より少し東に広がっていますが、基本的には琵琶湖周辺を中心とする近畿地方です(左上地図)」
阪神・淡路大震災がM7.3だったことに照らせば、M7.9がいかに破壊的な数字かがわかるだろう。ただし、注意したいのは、これはあくまで現時点での「前兆」から割り出した予想だという点だ。
「注意していただきたいのは、今回の前兆はこれまでにないものだということです。また新たな前兆が現れるかもしれません。そうなったら、極大を推定し直す必要が生じます」(串田氏)
外れるならそれにこしたことはない。けれども、前号でも指摘したとおり、近畿には地震の前兆を思わせる不気味な胎動の数々が、すでに現れている。
そのひとつとして本誌は、井戸水の温度を測り、断層のズレが起きている場所を推定することで地震の発生地域を予想している元東大地震研究所の佃為成氏の研究をお伝えした。その佃氏が「地震の発生地域となりそうだ」と予想している兵庫県の猪名川町と京都府の亀岡市も、串田氏の予想する震源地域ときれいに符合しているのである。
東西に忍び寄る大災害。覚悟しておくに越したことはない。
「フライデー」2013年5月17日号より
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