「マグマの上昇によって地表近くの岩盤の亀裂が広がったため、水が吸いこまれて水位が下がったものと考えられます。富士山の下にあるマグマ溜まりがプレッシャーを受けると、溜まっているマグマが上昇してくる。三陸沖の地震があって北はストレスがとれたけれど、その代わりに南にプレッシャーがかかり、関東方面に力がかかってきているのです。富士山は、すでにマグマがたっぷり溜まっている状態です。この状態でまず噴火活動を本格化させるのは富士山だろうと考えています。私は'17年+-4年のうちに噴火が起こると考えていますが、もう準備段階に入っているかもしれません」
4月9日には、富士山頂から北東約5kmの滝沢林道で、300mもの地割れも発見された(1ページ上の写真)。原因は不明だが、一連の異変との関係が気になる。
早ければ4月29日に琵琶湖地震
富士山噴火という未曾有の大災害の予兆に加えて、近畿地方にも大地震の影がじわりと忍び寄っている。昨年末、本誌に登場した「FM電波地震予報家」の串田嘉男氏が、本年4月末から5月初めにかけて、近畿地方をM7.9の巨大地震が襲うと予報しているのである。
串田氏の地震予報の方法を、簡単におさらいしておこう。
彗星や小惑星の発見で知られる串田氏は、FM放送の電波を使って流れ星の観測を行うアマチュア天文家だった。地球のまわりには電離層と呼ばれる層があり、そこに流れ星が飛び込むとプラズマ状態になる。このプラズマにFM放送の電波がぶつかると、反射して普段は届かない場所にまで電波が届くようになる。たとえば普段は東京まで届かないFM仙台の電波が、東京で受信できる。
阪神・淡路大震災時、たまたまこの方法で天体観測をしていた串田氏は、震災の前にも、普段は届かないはずのFM波が受信できることに気づいた。
そこで彼は、複数の地域のFMラジオ局の受信機を山梨の天文台に設置し、観測を継続した。さらに、受信したFM波の強さをグラフ化し、数学的な処理を加えることで、地震の規模、発生する場所、発生時間を推定できるまでに方法を洗練させることに成功した。
この独自の方法を用いて、'08年には岩手県地震を予測。規模、場所、時期のすべてを的中させたのである。
だがその後、串田氏は過去に経験したことのないデータに直面する。それこそが、今回の琵琶湖を中心とした地震の前兆なのである。
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