政治【主張】安倍首相 憲法96条改正はどうした2013.5.17 03:11

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【主張】
安倍首相 憲法96条改正はどうした

2013.5.17 03:11 主張

 平成25年度予算の成立を受け、政局の焦点は今夏の参院選となるが、安倍晋三首相に求めたいことがある。

 憲法改正の発議要件を緩和する96条改正を、参院選の争点として訴え続けることだ。

 与党内での96条改正への慎重論に影響されたのか、首相自身が「最初の改正は慎重にやっていかないといけない」と述べるなど、後退しかねない姿勢が見えるためだ。

 「憲法を国民の手に取り戻す」と、政権復帰をかけた昨年末の衆院選で自民党が国民と約束しただけではない。現行憲法のままでは日本の平和と安全が確保できない事態になっており、憲法改正が喫緊の課題だからだ。

 首相は衆参各院の総議員の「3分の2以上の賛成」という現行の発議要件について、「ハードルが高すぎて国民投票までいかないのはおかしい」という見解を、繰り返し主張してきたことを忘れてはなるまい。

 中国が尖閣諸島の奪取を狙うなど、日本周辺の安全保障環境の悪化に対し、現行憲法による制約の下で日本は他国に依存するしかなく、自らの国を守ることすら、かなわなくなっている。非常事態に対しても、政府が緊急措置をとるための憲法上の根拠がない。

 こうした欠陥のある憲法を改正し、強い日本を取り戻すには、発議要件の過半数への引き下げは極めて妥当である。

 連立を組む公明党が慎重なことに加え、自民党にも96条改正への国民の理解が十分でないとの判断から、「クローズアップさせる争点ではない」といった意見が出始めている。

 だが、自民党は憲法改正草案で「天皇は元首」「国防軍の保持」をはじめ、具体的な改正内容をすでに提起している。堂々と中身の議論を展開し、なぜ憲法改正が必要なのかについて、国民の理解を求めるべきだ。

 憲法改正だけでなく、歴史認識をめぐっても首相は慎重に言葉を選んでいる。同盟国である米国との関係悪化を避けるうえで、やむを得ない面もあるのだろう。

 靖国神社への参拝は、尊い命を国にささげた人に対し、哀悼の意を表するためのものだ。こうしたことへの内政干渉は排し、慰安婦の強制連行など事実に基づかない国家への誹謗(ひぼう)は許さない。この基本姿勢は堅持すべきだ。

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