ヒトクローンでES細胞=米大が作製、韓国虚偽発表から9年

2013年5月16日 01時18分 (2013年5月16日 23時40分 更新)

ヒトクローン胚から作ったES細胞(写真のほぼ上半分)。米オレゴン健康科学大チームが世界で初めて作ったと発表した(米セル誌提供) 【時事通信社】

[拡大写真]

 ヒトのクローン胚から胚性幹細胞(ES細胞)を作ることに世界で初めて成功したと、米オレゴン健康科学大のシュークラト・ミタリポフ教授や立花真仁博士らが15日付の米科学誌セル電子版に発表した。韓国ソウル大チームが2004年に同様の発表をしたが、虚偽と判明。ミタリポフ教授らは07年にサルで成功した技術を発展させ、ヒトでも実現したとしている。

 ヒトクローン胚からのES細胞作製は、山中伸弥京都大教授らが皮膚細胞に遺伝子を入れて人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発するまで、再生医療を実現できる有力な技術とみられていた。この方法はiPS細胞に比べ、若い健康な女性から良質な卵子を多数提供してもらう必要があるほか、クローン胚を母胎に戻すと理論的にはクローン人間が誕生しかねない懸念もある。

 一方、細胞でエネルギーを生み出す小器官ミトコンドリアの異常が原因で起きる難病の患者にとっては、卵子側の正常なミトコンドリアを持つ患者のクローンES細胞を作ることができるため、今後有力な技術に成り得るという。 

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ブログに投稿

関連するエキサイトニュースの記事

注目の商品

花に彩られた河口湖畔から眺めた富士山=山梨県富士河口湖町の大石公園で2013年4月、手塚耕一郎撮影

富士山「登山鉄道を」 静岡・山梨両知事が構想

携帯電話でニュースをチェック!
携帯ポータルサイト「エキサイトモバイル」