2013年05月05日

ありがとうございました。

お久しぶりです。
1年以上放置してすみませんでした。

読者の中には心配してくださっているいるかたもいるようですが、体を壊したとか政治的圧力がかかったとかいうことではありません。

休止の理由は本業です。
前半は寝る間もないほど忙しくて記事はおろかコメントにレスすることもできませんでした。
ヘンな言い方ですが、長く書けないでいると、ここに寄り付くこと自体が怖くなってコメント欄に目を通すこともできなくなって行きました。
後半には、小沢裁判やら総選挙やらがあって、「絶対書かなくては」という気持ちにはなったんですが、やはり仕事等でタイミングを逸してしまいました。モチベーションは下がる一方でした。

「本業が忙しいのは結構なこと」。確かにそうなんですが、フリーのフィギュア原型師なんてたいがいワーキング・プアなんですよ。まったく割に合わないぐらい実入りが少ない。しかも不安定だし。
私の取り引き先は海洋堂だったんですが、このバカメーカーにほとほと嫌気がさして袂を分かちました。現在は孫請け仕事でなんとか食いつないでいますが、もうかなり危ない状況です。実際この仕事を続けて行けるかどうかの瀬戸際と言ってもいいと思います。

実は私、今年年男なんです。もうすぐ48歳です。勝谷氏より5つ年下ですね。それで転職っていうのもまず不可能だと思いますし、できればこの仕事でなんとかやって行きたい。それで今いろいろと努力しているところです。
私には女房も子どももいません。兄弟もいません。きっと孤独にのたれ死ぬんでしょう。それはどれぐらい先なんだろう? あとどれぐらい生きてどれぐらい作品を残せるんだろう? そう考えることも多くなった高齢原型師、できるだけ時間はモノを作るために使いたいなぁと思うようにもなりました。

まあ、そんなこんなで、最近はこのブログを続けるか終わらせるかでずっと悩んでいました。
そこに「勝谷氏『そこまで言って委員会』降板」というニュースが飛び込んできて、これで決心がつきました。

何があったかわかりませんが、降板はやしきたかじん氏の意向によるものでしょう。少なくとも同意はあった。見捨てられたわけですね。
これで関西の番組で残っているのは『あさパラ!』だけ。減ることはあっても、もう番組が増えることはないでしょう。
全国放送でもそれは同じだと思います。もう彼は大きなメディア(大マスコミw)からは消え行く人物だと確信しました。

それならこのブログの使命はほぼ終わった、もうやめてもいいだろう、そう結論づけました。

というわけで『勝谷誠彦様の華麗なる脳みそ』は今回でおしまいです。
やや点睛を欠いた感もありますが、こういうブログが書けて本当によかったと思っています。読者のみなさんのお陰です。ありがとうございました。

manguhsai at 01:00|PermalinkComments(15)TrackBack(0)clip!

2011年12月01日

橋下氏も大根買ってやれば?

遅ればせながら、先日の大阪市長選の結果についての勝谷氏のコメントです。氏の有料配信日記11月28日号から。

<橋下徹が危ないのではない。橋下徹を生み出す民衆が怖いのだ。まさか私がこういうことを言う時代が来るとはなあ>

(略)
 その橋下徹さんが圧勝した。

 <維新の会の橋下氏・松井氏が当選/大阪ダブル選>
 http://www.asahi.com/senkyo/news/OSK201111270024.html
 <(略)維新の会がダブル選で完勝した。市長選の投票率は60.92%で前回2007年の43.61%を17.31ポイント上回り、1971年4月(61.56%)以来40年ぶりに6割を超えた。>

 もっとも「事件」なのはこの投票率である。大マスコミはシレッと書いているが数パーセントの違いではない。71年以来、というがあの「政治の季節」と同じ投票率が叩き出されたことを私たちはもっと真剣に考えなくてはいけない。ましてや、私はよく知るから言うが、あの大阪ですよ。いや、大阪だからこそこの現象が起きたのだろう。
 ハッキリここに書きおいておく。私はファシズムの足音を聞く。こんなことを書くと朝日新聞みたいだけど。
(略)
 大阪は私は日本の「カナリア」だと思っている。炭鉱でカナリアを飼うのは、ガスに敏感で先に死ぬからだ。日本国すべての行く末の数年先を、大阪は常に走っている。生活保護世帯の数を見ていればわかりますね。
 しかも自治体というのは大統領制である。橋下さんがやっているのは「大統領府と議会を一緒に握る」という、独裁国家ならではのやり方だ。民主主義というのは、手間はかかって面倒くさいものだが、こうした手法がとりにくくなっている。だが日本ではまあ、甘く見ていたのだろうし、GHQとしては地方なら大丈夫だろうと考えたのだろうが、自治体では「独裁国家」が作れる可能性が残っていて、それがいま実現しようとしている。
 大マスコミや週刊誌が橋下さんの個性をとらえてヒトラーにたとえているのは間違いだ。その制度そのものが危ういのだ。
(略)
 私は素人なので直感でモノを言っている。もっとそのあたりを知悉した歴史家の、今こそ出番だ。期待したい。
 リーダーシップは確かに今の日本の政治家にもっとも欠けたものだ。しかしその力が政治のシステムそのものまで変えてしまっていいのか。弁護士というものはそこのツボをよく心得ている。
 書いていて奇妙な気分になる。少年のころ密かにヒトラー的なものにあこがれた。しかしそうしたものが出現した時に、警鐘を鳴らす立場になるとは思わなかった。繰り返すが、私はおそらく「もっとも良く識っている」。だからこそ本能がアラートを鳴らすのである。


相変わらずの支離滅裂ぶりです。

タイトルでは「橋下徹が危ないのではない。民衆が怖いのだ」と言っておきながら、本文では「地方の政治制度に問題がある」としている。怖いのは「民衆」なの? 「制度」なの? どっちなんだよ。

またその「制度」にしても、「その力(リーダーシップ)が政治のシステムそのものまで変えてしまっていいのか」と、結局リーダーシップという個人的資質を問題にしている。

まさにバカの堂々巡りで、何に焦点を当てたいのかサッパリわかりません。


さらに「大統領制だから独裁を招く」という主張も「はあ??」です。

大統領制が抱える1番の問題は「議会との対立」で、これにより政治が遅滞してしまうこと。普通大統領が独裁的になるのは、この状況を力技で打開しようとするせいです。
それを「議会とうまくやっていけるから大統領制は独裁を招く」というんですからビックリ仰天。勝谷説、独創的過ぎ!
議会との一体化がヤバいというなら「議院内閣制」のほうがもっとヤバいんじゃないの?



ま、支離滅裂でシュールな勝谷氏のコメントですが、ザックリ見れば「橋下独裁政治」を批判していることぐらいはわかります。
しかし、そうするとこういう疑問も湧いてきますよねぇ。

「なぜ鹿児島県阿久根市の竹原信一市長を批判しなかったのに、橋下氏は批判するの?」

かつて勝谷氏は、制度も法律も無視しまくっていた竹原(当時)市長を「批判しなかった」どころか「利権談合共産主義と闘う軍人」と持ち上げてさえいましたよね。
なんで? なんで橋下氏の独裁はダメで、竹原氏の独裁は立派なの?

あ、そうか! 竹原氏は勝谷氏に講演を依頼したけど、橋下氏はそれやってないもんね。逆に橋下氏は勝谷氏を「いい加減なコメンテーター」ってバカにしてたもんね。
やっぱ「ダイコンを買ってくれる独裁者はいい独裁者」で「買ってくれない独裁者は悪い独裁者」なんだ。そういう意味では守銭奴=勝谷氏のコメントは超わかりやすいですな。


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本業のお知らせ。

岡本太郎のフィギュアが出ます。

岡本太郎(大)






























今度のは高さ13cmぐらいの大きめのものです。
以前のとは違ってオマケ扱いではありません。単独商品です。
写真は私が彩色した塗装見本ですが、量産品の塗装も今回は結構上手くいってると思います。
今月中旬発売予定。3800円。
「岡本太郎記念館」とか関連ミュージアムにしか置かないようなので、行って見かけたかたは買ってください。あと転売屋とかで。


もう1丁。

海洋堂主力商品の1つ「特撮リボルテック」シリーズから「アイアンマン マーク2」が発売されるんですが、そのオプションパーツ「トニー・スターク素顔パーツ」を私が担当しました(本体製作は海洋堂原型師の松本栄一郎氏)。

トニー・スターク(横)




















トニー・スターク(正面)



















http://tokusatsurevoltech.com/series035/

来年2月1日の発売です。こちらはネットをはじめいろんなところで買えます。定価3500円。amazonだと2834円で予約受付中

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2011年11月06日

フツーの判決にビビってます

田原総一郎氏が裁判で負けましたね。

裁判に至る経緯はこうでした。
2009年4月の『朝まで生テレビ!』で田原氏は有本恵子さんら北朝鮮による拉致被害者につて「外務省も生きていないことはわかっている」と発言。
これに憤慨した恵子さんの両親が1000万円の慰謝料を求めて提訴。

で、一昨日出た判決は「発言には合理的根拠がなく、誤りは重大」「原告の苦痛は受忍すべき程度を超えている」として田原氏に慰謝料100万円の支払いを命じるものでした。

この判決に対し田原氏は「民主主義社会では、外交や政治問題について自由に意見を言えることは不可欠。この点を理解していない判決で納得できない」として控訴する構えを見せているそうな。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111105k0000m040068000c.html


勝谷氏も昨日5日の有料配信日記でこうコメントしています。

 まことに難しい判決である。有本さんのご両親の気持ちはよくわかる。しかし、この判決はジャーナリズムの手足を縛りかねない。そのことを田原さんも危惧している。
 発言の不用意さについては田原さんは既に謝罪している。判決がその不用意さをもって「気持ちを傷つけたので慰謝料を支払いなさい」というならば田原さんもおそらく納得したのではないか。しかし判決は「発言に合理的根拠はない」と情報の真偽そのものに踏み込んだ。これは危ういことだ。
 「合理的根拠」を証拠立てるためには田原さんは外務省の情報源を示さなくてはいけない。このことは取材源の秘匿というジャーナリストにとって憲法のような基本的なルールを破ることになる。とてもではないができることではない。


またしても法律・裁判に関して無知をさらけ出す勝谷氏であります。

私も法律に関しては素人だし、この裁判・判決の詳細を知っているわけではありませんから、偉そうに話をするわけにはいきませんが、それでもニュースを読む限り次のことぐらいはわかります。


この裁判の争われ方は名誉毀損のそれとほぼ同じです。

名誉毀損の訴訟の場合、こういうふうな構成で争いが展開していきます。

1 問題の発言・記事が本当に原告の名誉を毀損したかどうか。

これは説明するまでもないですよね。
気をつけないといけないのは、この段階では発言・記事が真実であるかどうかは関係ないということです。「Aさんは昔売春をしていた」という発言が問題の場合、それがAさんの名誉を傷つけたかどうかだけが問題で、実際に売春をしていたかどうかはどうでもいいんです。

ただし、その発言・記事に「公共性・公益性がある」場合は、たとえ原告の名誉を毀損したとしても「それは仕方がない」とされます。
そこで第2段階。

2 発言・記事が公共性・公益性を有するかどうか。

先のAさんが国会議員だった場合、「昔売春をしていた」という発言は「公共性・公益性あり」と見なされ名誉毀損での責任を免れます。

ただし、その場合は発言・記事が真実であることが条件です。もうちょっと正確に言うと、その発言・記事に「真実と判断するに足る合理的根拠」がないといけない。

3 発言・記事に「真実であると判断するに足る合理的根拠」があるかどうか。

「真実であると判断するに足る合理的根拠がある」というのは、Aさんが実際に売春していたかどうかではありません。売春していなくてもいいんです。発言者・記者が取材なり何なりで、「こりゃ売春やってたな」と判断できる証拠なり証言なりを得ていればいいんです。


さて、この図式で「名誉毀損」を「精神的苦痛を与えた」に置き換えれば、これはそっくり今回の裁判に当てはまります。
つまり、勝谷氏は「まことに難しい判決」と言い、あたかもレアケースのように見なしていますが、形式的にはそんじょそこらにある週刊誌等の名誉毀損裁判となんら変わらないんです。
この判決が「ジャーナリズムの手足を縛りかねない」判決なら、名誉毀損で週刊誌が敗訴している日常茶飯事的な判決すべてが「ジャーナリズムの手足を縛りかねない」判決になってしまいます。そんなアホな! まことにジャーナリストに都合のいい解釈ですよ。

勝谷氏は「合理的根拠を証拠立てるためには情報源を示さなくてはいけない」と言っていますが、必ずしもそんなことはない。何の誰兵衛に取材したかまで明確にせず、どの筋の人からどのような証言を得たかを示せばいいんですよ。

それに「(判決は)情報の真偽そのものに踏み込んだ」と、あたかも裁判官が勝手にそこまで判断したかのように言っていますが、踏み込むことを望んだのは田原氏のほうです。
田原氏サイドは応戦の方法として上記の2と3、つまり発言の公共性・公益性と合理的根拠で争うというこの手の裁判の定石を選んだ。だから裁判官は情報の真実性に踏み込んだ判断をせざるを得ないんです。


はじめにリンクした毎日新聞の記事にはこうあります。

田原氏側が根拠として示した07年11月の外務省幹部4人への取材と08年11月の外務省幹部への取材のテープを起こした文書などを基に、真実と信じられるか否かを検討。

・「死亡」について北朝鮮に具体的な説明を求めるべきだとの田原氏の
 意見に幹部らが同意したからといって、死亡を認識しているとは推測
 できない。
・2度目の取材で、幹部は(北朝鮮の)説明に疑問を呈している。
・田原氏は外務省の考えを確認していない。

などから「合理的根拠はない」と結論付けた。


結局田原氏には「外務省も生きていないことはわかっている」と判断できるだけの証拠や証言はなかった。発言は田原氏の勝手な思い込みにすぎなかった。それじゃあダメだろ、と裁判官は言っているわけです。ただそれだけの話です。


以上を踏まえて、判決後の田原氏のコメントを読み返してみてください。

民主主義社会では、外交や政治問題について自由に意見を言えることは不可欠。この点を理解していない判決で納得できない。


理解していないのは田原氏のほうです。トンチンカンも甚だしい。判決は「意見を言うな」などと言っているわけではない。「意見を言うなら、それ相応の根拠をもって言え」と言っているだけです。


こんなフツーの判決にビービー言ってる勝谷氏ですが、その気持ちはよくわかります。
素性もハッキリしない「工作員」だかなんだかのメールで大騒ぎして他人の名誉を傷つけ、精神的苦痛を与え続けている氏のことですから、「訴えられたらイチコロ」っていう恐怖感に襲われちゃったんでしょうね。

バカは死ななきゃ治らない。訴えられて治るかどうかわかりませんが、1度誰か勝谷氏を訴えてくれないかなぁ・・・。

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manguhsai at 18:32|PermalinkComments(14)TrackBack(0)clip!

2011年11月03日

青山氏に謝っていたそうです

2ちゃんねるの勝谷スレに「勝谷が青山繁晴さんに詫びていた」という情報が書き込まれていました。青山氏のブログ『ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ』を見てみると、確かにそういう記述がありました。当ブログでも取り上げさせてもらうことにしましょう。


まず、経緯から。

『女性自身』09年4月21日号に勝谷氏と作家の室井佑月氏との対談記事が掲載されました。タイトルは「番組改編期特別対談 ワイドショーの気になる裏側、すべてしゃべっちゃう!」です。
当時の番組改編期において、室井氏は関西テレビの『アンカー』のコメンテーターを降板させられ、勝谷氏も朝日放送の『ムーブ!』終了により同番組のコメンテーターの仕事がなくなっていました。

この対談に関しては、当ブログの09年4月9日の記事「最低コメンテーター対談」で取り上げましたが、青山氏に関して述べている部分をもう1度ここでも、少し長めに抜粋してみます。

勝谷 今のワイドショーは、ほとんどのコメンテーターが、『何のため
   にそこに座っているの?』っていう人ばかり。流されるVTRに
   は明らかに制作サイドの意図があって、コメンテーターはそれを
   肯定する役割だけでよくなっちゃってる。本来、それに疑問を呈
   する役割でなければいけないはずなのに。少なくとも室井さんや
   俺はそういうスタンスだと思うから、今のスタンダードではない
   んだよ。だって、コメンテーター同士が言い争ってるのなんて見
   たことないでしょ?

室井 私、ありますよ! 大阪の番組で、一緒に出てたコメンテーター
   のオッサンと3年近くケンカしてたもん。

勝谷 えーっ! だれだれ?

室井 ◯◯××。大ッ嫌いなんですもん(笑)。

勝谷 あ〜、なるほどね(笑)。

室井 番組からおカネもらって、政府の機関からももらって、正義なん
   か主張できるか! 恥ずかしくないのか! って。

勝谷 たしかに俺も、政府の委員をやっていながらコメントするヤツの
   気が知れないよ。要するにコウモリなんだよ。国とテレビ局の両
   方を見ながらしゃべってる。俺なんか、政府のナントカ委員をやっ
   てくれなんていう話、きたことないからね。待ってないわけじゃ
   ないんだけどね(笑)。

室井 でも、私たちだからこそ発言できることってありますよね。

勝谷 コメンテーターってある程度、不真面目じゃなきゃいけないと思
   うんだ。役人や政治家に高い税金払ってるわけで、コメンテーター
   は「もっとアンタら、やりあえよ!」と言ってあげればいいんで
   す。国民がそう思ってるんだから、それをぶつけなきゃコメンテー
   ターの意味がない。


「◯◯××」はもちろん「青山繁晴」です。

それにしても室井氏も勝谷氏もよく言いますよねー。両氏とも小沢一郎氏から講演料もらってたんですけどね。自分だけは「八百屋がダイコン代もらって何が悪い!」ですか?


この対談は、掲載されてからすぐに青山氏側の知るところとなったようです(もしかしてウチの読者がチクったのかな?)。氏のスタッフから「名誉毀損で室井氏を訴えましょう」という声が上がる中、青山氏は偶然伊丹空港で勝谷氏に遭遇し、この件について抗議したそうです。

その頃の心境と経緯を青山氏は昨日のブログに書いています。
「ぼくとテレビの、ちと、つらい関係について」という記事ですが、先月23日のフジテレビのある番組の収録で室井氏と共演することになったことを記述する中で、2年半前の対談問題を回想しています。一部転載させていただきます。

 収録の2本目からは、日本側に女性作家のかたが加わった。
 このかたは、かつて女性週刊誌で「アンカーから外された」という話題で勝谷誠彦さんと対談し、ぼくの名前は出さないものの「アンカーで居残った男は、政府から不公正なカネをもらっている」という趣旨を発言された。(正確な言葉ではありません。あくまで趣旨)
 明らかな名誉毀損であり、独研の総務部からは「刑事告発しましょう」という声があがりました。
 ちょうとその頃、伊丹空港のエレベーターで偶然、勝谷さんに会ったから、この女性誌の内容に抗議すると、勝谷さんは「私はそんなことは全く考えていないし、発言もしていない。青山さんは、いちばん、そのようなことはしない人だから」とおっしゃったので、「しかし女性作家の発言に同意されていましたね。記事ではそうなっていました」と問うと、「お詫びします」と謝罪された。


ということなんですが、この勝谷氏の態度、どうですか?

本人のいないところでは言いたい放題。
本人から抗議されると、最初は「そんな発言していない」としらばっくれた上に「青山さんは一番そんなことはしない人」と媚びてみせる。
さらに具体的に事実を指摘されると、急に「お詫びします」に転じる。
最低の人間性がよく出てますなぁ。


青山氏のことですから、相手が謝ればそれですぐに許してやったんでしょう。その後も番組で共演してますしね。
しかし『女性自身』の1読者たる私はこれでは済みませんよ。
青山氏に謝罪したってことは、対談での発言は間違いだったってことでしょ。じゃあ、読者にも謝罪しろよ! 具体的に自分の発言のどこがどう間違っていたのか、ちゃんと読者に説明しろよ!

その場その場でいい加減なこと言いやがって、責任感も誠意もなんにもありゃしない。ウジ虫みたいな男ですよ、勝谷ってヤツは。

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2011年10月29日

爆弾?反響ゼロなんですけど

22日の『あさパラ!』で平野達夫震災復興相の「逃げなかったバカな奴」発言が取り上げられていました。

「平野復興相の発言、問題だと思いますか?」という質問に対し、勝谷氏の答えはこうでした。
問題ないよ。仲良かったヤツ早よ死んだら「バカ」言うやろ、そらぁ。追及する奴がアホじゃ!
このあともっと爆弾あるぞ!

「爆弾」については後回しにするとして、とりあえず平野発言に対する勝谷氏の評価をちょっと考えてみます。

ソースは未確認なんですが、田中康夫氏も平野氏を擁護してこういう発言をしたとか。
芸能人の葬儀で「バカヤロー、どうして死んでしまったんだ」などと言うけど、テレビ局の記者さん達、あれは認めるの?

勝谷氏と同じこと言ってますね。さすがお友達同士。

じゃあ、ちょっと平野氏の発言をもう1度よく聞いてみましょう。こう言ってました。
逆に私の同級生みたいに逃げなかったバカな奴もいます。

これ微妙ですよね。勝谷氏や田中氏が言うように「バカな奴=私の同級生」ともとれますが、「私の同級生と同じように、逃げなかったバカな奴らがいる」と、逃げなかった人たち全体をバカ呼ばわりしているふうにも受け取れます。

後者として受け取った被災者もいるでしょうし、やはり大臣の発言としては不適切だったと言われてもしょうがないんじゃないでしょうか。


で、その後勝谷氏は同番組内でこう言っています。

こういう揚げ足取りを、マスコミがなんでそれをするのかなと。
それを拾ったあの大島(理森・自民党副総裁)のアホが言うてるでしょ、「国会で問題にする」って。復興大臣のそんな発言を問題にするよりも、復興そのものを論議するべきでしょ。
あのね、国会今開きましたけれども、そんなことやってる場合か! それを「問題にする」って言った自民党のほうがずっとアホですよ。

ボク聞いてますけれども、記者からも大勢ね、復興大臣ってなかなか頑張ってるんですよ。またそれでクビにしたりなんかしたら、また空白できるでしょ。
松本龍さんの、前任者はねぇ、ちょっとギリギリやったけど、鉢呂さんなんかもう、あんなん、今では記者なんかみんな「なんであんなことでクビになるかな」言うてるけど、オマエらがクビにして何言ってんだ! 「放射能つけちゃうぞ」発言なんて。それも全部ムダな時間がとられるわけでしょ。他に書くことあるやろ!


国会で平野発言を追及するかどうかは措くとして、引っかかるのは後段の鉢呂前産経相の発言に関してですねぇ。
「放射能つけちゃうぞ」を問題発言ではないとし、騒いだマスコミのほうを「言葉狩り」と非難しているわけですが、勝谷氏は当初これとは真逆のこと言ってたんですよ。同じ『あさパラ!』の9月10日の発言。

(「死の町」発言は問題ないが)ホントの問題発言はこのあと記者に対して言った「放射能うつしたろか」、このほうが1番いけない。これこれ、「つけちゃうぞ」これがいけない!

普段だとこんなじゃれ合いは、記者クラブと議員はグルですから、しょっちゅうやってることですよ。ブラックユーモアで。
だけどこれはいけない。なんでかと言うと、福島から来た車だけでもなんか差別するというようなことが今・・・。つい先日も九州の福岡で福島からの産品を販売しようとしたグループがいた。それに対して地元が、地元っていうかね、すごい「放射能がうつるやないか」みたいなこと(苦情)がきて、中止になったっていうことがあった。こんなん風評被害じゃないです。悪質なデマです、正直言って。
そういうようなことを助長するようなことを大臣が言うと、これはもうクビです。


大マスコミだけじゃなく勝谷氏も「クビ」って言ってたんですけどねぇ・・・。

その後、なんの説明もなく「問題ない」に転じ、挙げ句の果てに「工作員(つまり自分のメルマガ読者)」からのニセ情報に引っかかって、52歳フリーターがツイッター上で創作した記者と大臣のやり取りを「真実」として拡散してしまったのは当ブログの9月12日の記事に書いた通りです。



さて、後回しにしておいた「爆弾」です。

22日の『あさパラ!』で勝谷氏は、司会者の「時間がない」という言葉を振り切って「これ爆弾だから炸裂させとかなあかん」と半ば強引に発言しています。
しゃべっている言葉を書き起こすのが面倒臭いんで、今発売中の『週刊SPA!』11/1号掲載の『ニュースバカ一代』VOL.443「内閣記者会㊙メモ の巻」を引用します。内容は同じです。

 そのメモを見て私は目を疑った。いつのものか冒頭にただし書きがある。『内閣記者会キャップ懇/二三年十月十三日/十八時二十分〜十九時半/公邸大食堂』。野田佳彦首相が首相公邸の食堂で記者クラブの代表者たちをあつめて行った懇談会の一問一答だ。重要なのはそれに続く注記である。『完オフ』『取り扱い注意』これがこの国の政府と大マスコミの利権談合共産主義の実態なのだ。
(中略)
私が目を疑ったのは一問一答の最後の部分を読んだからである。記者はこう尋ねた。「横田めぐみさんが生きているというが」。これは少し前に出た報道を踏まえている。韓国の自由先進党の朴宣映議員が、横田めぐみさんは〇四年から〇五年はじめの時点で生存していたとの情報を、〇七年に北朝鮮を脱出した男性から得たと明らかにしたものだ。であれば〇四年に北朝鮮が出してきた「遺骨」は偽物であって、めぐみさんの生存の可能性が極めて高くなるという嬉しい情報だった。野田首相は即座にこう答えた。「ガセでしょう」。これが同胞が拉致されている国の首相の言うことだろうか。
 家族の心情を考えれば人間として「そうあって欲しいですね」と答えるのが普通だろう。また政治家としてならばある情報に対して首相が断定的な発言をするのは北朝鮮に対して言質を与えることになる。しかしそれらよりも重要なのは記者が「めぐみさんが生きているという報道があったが」と聞いているのではないことだ。「生きているというが」に対して「ガセでしょう」は日本国首相が「死んでいるよ」と言っていることではないか。
 復興担当相の「バカ」発言の揚げ足を取る暇があれば野党はこの野田発言を国会で徹底的に追及するべきだ。もちろん報じなかった大マスコミの責任も問われることだろう。


はあ? これが爆弾? これこそ揚げ足取りと言うか、別にどうということもない話に強引な解釈をこじつけて騒いでいるだけじゃん。

「生きているというが」という質問は、勝谷氏自身が言及しているように、朴宣映氏がもたらした情報を前提にしているわけでしょ。だったら「ガセでしょ」という答えは当然その情報の評価です。生きているという事柄そのものを否定しているわけじゃない。「ガセ」という言葉は「情報」に対してしか使わない。「事実」に対してなんか使わない。そんなこと小学生でもわかるでしょ。

野田首相が何をもってその情報を「ガセ」としているかはわかりませんが、普通に考えれば「めぐみさんは生きているかもしれないけれど、その情報はガセですよ」と言っているだけ。
それを「死んだと言った!」などと騒ぎ立てるとは・・・オマエは幼稚園児か!と言いたいですな。

それに「生存の可能性が極めて高くなるという嬉しい情報」ってなんじゃ? 情報で生存の可能性が高くなったり低くなったりしねーよ。バカじゃないの?
「嬉しい情報」であろうが「悲しい情報」であろうが、客観的な判断を下すのは至極真っ当な態度。嬉しい情報だからハッキリ否定してはいけないなんていうほうがどうかしてるでしょ。


で、まあ、そんな幼稚な屁理屈よりなにより、勝谷氏のこれらの文章・発言で1番問題なのはネタの出所です。
『あさパラ!』でも言ってましたが、またしても「工作員」なんですねー。
いつも言っていますが、それってどうやって信憑性を担保するんでしょうか? 自分でその読者と直接会って話をしたの? 他の出席者に確認を取ったの? そういう裏取り、なーんもしてないよね。いっつもしてないしね。鵜呑みだよね、鵜呑み。

もちろん国会でも誰一人取り上げていません。そんなどこの馬の骨とも知れないメモを元に国会で追及なんかできるわけないっしょ! それこそ偽メール事件の再発だよ。そうなったときに勝谷氏は責任とれるのか。とれるわけないし、とろうともしないよねー。

「なぜ取り上げないんだ!」と勝谷氏から責任を問われているもう一方の大マスコミも「爆弾」への反応はすこぶる悪いようです。勝谷氏自身が25日の有料配信日記でリポートしています。これがなかなかの傑作。

今日は『SPA!』の発売日だ。この日記で先行して書いた野田佳彦首相の横田めぐみさんに関する「ガセでしょう」発言を私は巻頭コラムで書いている。
この日記は多くの大マスコミ関係者が読んでいるのだが、今に至るまであの発言を報じたところはない。その間、多くのメディア関係者にあった。「いやあ驚きましたよ」とみんないう。しかしオノレのところで取り扱ったところは皆無だ。わかりやすいところでは『スッキリ!!』のスタッフにも言っているんですよ。しかしなかったことのように日々は過ぎていく。凄い国である。これほど怖い国はないと言っていい。ファシズムがその姿を見せていないだけで、実はこの国はもうすでにそうなのかも知れないね。
大マスコミの連中が目を逸らせる。「やりましょうよ」というと打合せの最中にスッと目を逸らせるのである。こういう国に独裁者はあらわれるのだ。ヘタに多くの「失敗国家」を見て来てはいない。しかしそうした国々ではそういう話題に巻き込まれただけで秘密警察に家族が逮捕される。この国ではそういうことはない。にもかかわらず「オノレの世間体と出世」のためにヤバい話題の時にスッと目を逸らせるということがメディアの人々に本能的に刷り込まれているというのは、ひょっとするとこちらの方が国家の病としては重いのかも知れない。
今日は「小マスコミ」とはいえいちおう全国の書店の店頭に並ぶ週刊誌で私が書いているものが出るのである。それをも大マスコミや国会は黙殺するのか。


ファシズムだって(爆笑!) 相手にされないから被害妄想に陥ってるよ。
週刊誌のコラムで出るんだから、大マスコミや国会も取り上げろって? バッカじゃねーの!? どんだけ自我が肥大してるんだよ。

『スッキリ!!』のスタッフはもう勝谷氏のこと見限ってますな。完全に厄介者扱いですよ。降板騒動でさんざんイヤミ言われた上に、ガセやらデマやらばっかり流してますからね。吉本興業との契約がなかったら、とっくに切ってるでしょ。

『スッキリ!!』に限らず、どこの大マスコミも相手にしなくなってるんじゃないですかねぇ。頼りの中小マスコミもどこまでもつのやら。




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2011年10月26日

専門家が認めるデマの常習犯

光文社から『検証 東日本大震災の流言・デマ』という新書が出版されています。著者はあの荻上チキ氏です。
この本では表題通り、東日本大震災が起きた直後からネット等で広まった多くの流言やデマが検証されています。

その中に、こういう一節がありました。「3章 救援を誇張する流言・デマ」のP163から。

 東日本大震災の際に、その対応への不満が語られていたのは、政府ばかりではありません。原発事故への不満から、東京電力への反感が大きくなっていました。そんな中、あるコラムニストがメールマガジンに書いた文章から、次のようなコピペが拡散されていました。

   信じがたい情報をいくつか。しかし決して「噂」ではない。
   当初「行方不明」と言われていた福島原発の東電の職員は冷却装
  置を誤作動させたまま、郡山市まで逃げていたという。そこで酒を
  呑んで騒いでいたところを目撃されてバレてしまった。
   もちろんいま現場では命懸けの作業が続けられている。しかしや
  がて初動のこういう出来事はきっちり検証すべきだろう。

 また、「行方不明」とされていた職員2名を「俺の友だちの店」で飲んでいたのだと、名指しで指摘するブロガーもいました。しかし後に、逃亡したとされていた社員2名の死亡が確認されます。


そうです! 「あるコラムニスト」=勝谷氏ですね。勝谷氏が流した悪質デマが事例として掲載されています。
しかも勝谷氏への言及はこう続けられています。

 今回のケースでは、誤った陰謀論なども多く出回ります。たとえば2004年のイラク人質事件の際には「人質の自作自演説」もまことしやかに囁かれましたし、2010年の尖閣ビデオ問題でも、「職員2名が中国人船員にモリで突かれて死亡」といった報道が広められていました。なお、このコラムニストには、そのいずれも拡散してきた経歴がありました。
 情報が不確かな状態において、「真実はこうである」とインパクトのある内容を大声で叫ぶほうが、短期的に注目を浴びます。政府や関連機関が情報を隠している可能性を検討するのは国民・市民として重要ですが、その懐疑を補強してくれるような「怪しい情報」に対しても無防備であってはならないので、常に「確かな1次ソース」の有無の確認などが重要であることを、繰り返しておきます。


「勝谷誠彦=デマ常習犯」。まさに専門家がそれを認定! お墨付きをいただいたようなものですね。
ネット上だけではなく、出版物としてもデマ犯・勝谷氏の悪行が記録され、伝えられていくわけですな。


しかし、です。それでも私はこの本に不満です。
なぜ「あるコラムニスト」なのか? なぜちゃんと実名を出さないのか?

「序章」にこうあります。

本書は流言やデマを流した者を非難するのではなく、豊かな情報環境の構築こそが重要という立場から、多少の資料性が落ちることと引き換えにしても、あえて具体的な人名などは記載しないようにしています。


「豊かな情報環境」というのは、要するに、情報を検証してそれがデマであることをネット等で報せる有志の「検証屋」がたくさん出てくるということです。それが重要だと言っています。

しかしそうであったとしても、デマを流した個人を批判することが無益だとは思えません。
特に勝谷氏のような常習犯は世間から非難を浴びせておくべきで、それによるデマ拡散抑制の効果は大いに期待できる。
批判・非難までしなくても、実名を出すだけでも勝谷発言のデマ性を世間に注意喚起する効果はある。
もっと控え目に言うなら、実名を出したところでデマ対策にデメリットがないなら出せばいいじゃないか。

にもかかわらず実名を伏せるというのは、デマ問題云々ではなく、実名を出された本人とトラブルになるのをビビっているからでしょ。要するに腰が引けてるだけです。


不満ついでにもう1人言及しておきます。そうです、宮崎哲弥氏です。

震災から1か月経った4月10日の『たかじんのそこまで言って委員会』で宮崎氏は「ウソ情報やデマに騙されるな!」と視聴者に訴え、VTRでは荻上チキ氏に取材してデマ問題を解説させていました。

宮崎氏は新書マニアで有名で「出版される新書はすべて読んでいる」と豪語するほどです。
当然荻上氏の『検証 東日本大震災の流言・デマ』も読んでいるはずだし、そこに勝谷氏のデマが掲載されていることもわかっているはずです。

なのに勝谷氏とは今も仲良くテレビで共演し、このことで勝谷氏を批判する素振りなど微塵も見せていない。「なんじゃ、そりゃ」と、「オマエの発言は口先だけのエエカッコシイか」と、そう言いたくなります。

もうちょっと言わせてもらうと、最近の宮崎氏のテレビでのコメント・解説はホントにつまらなくて全然耳に残らない。「口先だけ」が透けて見えるんですな。ときどきリキんでしゃべってみせますが、それもなんか芝居臭くて逆にシラケてしまう。そんなことないですか? 私だけ?


ま、とにかく、勝谷氏がデマの常習犯だということは専門家も認めているわけです。それでもテレビ・ラジオ・雑誌は勝谷氏を使い続けるのか。講演主催者は彼に講演を依頼するのか。今度はそっち側の良識が問われますよ。

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manguhsai at 11:56|PermalinkComments(20)TrackBack(0)clip!

2011年10月22日

これが削除させた発言の中身

前々回の記事のコメント欄に読者のがんのすけさんから「勝谷がネットマガジンに圧力をかけ記事の1部を削除させたらしい」という情報提供がありました。
前回記事のコメント欄にも読者の北原さんから同様の書き込みがありました。

ちょっと調べてみたので、今回はそのことについて書きます。



今月8日、勝谷氏の出身地である兵庫県尼崎市で医療問題のシンポジウムが開かれました。主催者は「医療を支える関西オカンの会…時々、オトン」で、2009年から毎年行われているようです。
今回のテーマは「産科医療−かけがえのない新しい命を育むための患者力とは」だったそうです。「犬猫と子どもが大嫌い」と公言してはばからない勝谷氏がこんなテーマでパネリストとして参加するとは悪い冗談にしか思えないんですが、氏は毎回参加しているようです。ま、子どもは大嫌いでもお医者様は大好きな勝谷氏ですからね、医者の側にベッタリと寄り添った発言をするために参加してるんでしょう。

http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/0004502894.shtml


このシンポジウムの様子を『ロハス・メディカル』という医療系フリーマガジンがウェブサイトでリポートしています。
それによると、今回のシンポジウムの目玉は「福島県立大野病院事件」の被告人だった加藤克彦医師の参加です。
「大野病院事件」は2004年12月に起きた帝王切開手術での産婦死亡に関して加藤医師の医療ミスが問われたものです。加藤氏は業務上過失致死と医師法違反で逮捕・起訴されましたが、裁判で無罪が確定しました。
その加藤医師が事件後はじめて一般聴衆の前で話をするというので注目されたようです。

http://lohasmedical.jp/news/2011/10/13145147.php?page=1


ところがこのロハス・メディカルのリポート、1部が突然削除されたというんですね。

北原さんが教えてくれた『新小児科医のつぶやき』という、開業医のかた(このシンポジウムには参加していません)のブログがこれに興味を持って記事にしています。
それによるとロハス・メディカルのリポートがアップされたのが13日、そこには「大野事件は誰も関わりたくない『東電案件』」という項目があったが、翌14日の昼ごろまでに削除されていた、と。

これは15日に更新されたブログ記事「消えたロハス記事」に書かれているんですが、この時点ではロハス・メディカル側からなんの説明もなく、ブログ主がその理由について推測しています。その上でブログ主は記事をこう結んでいます。

ロハスはメディアの中でも医療関係者がそれなりの信用を置いているものであり、医療関係者にとって福島大野事件は巨大な存在です。記事の訂正は行っても問題はありませんが、「てにをは」レベルではなく、ここまで大きな削除編集を行ったのなら、一言ぐらい説明があった方が良いと思います。
そうする事がかえって信用を上積みすると思いますし、説明までの時間が長いほど余計な疑念が広まりやすくなります。これからのロハスのために適切な対応を期待したいところです。


このような要望はロハス・メディカルのサイトのコメント欄にも寄せられたようです。それを受けて16日にリポートを書いた記者が同じコメント欄に次のコメントを発表しました。

読者の皆様、某救急医様


今回、私の方で13日に記事の一部を14日に削除いたしました。
この経緯について、ご説明申し上げます。

14日に主催者側から記事の削除を求める連絡がありました。
しかしこのシンポジウムは公開であり、筆者は取材許可も得ていました。
削除を求められても応じる理由は見当たらないものです。

しかし、主催者側はパネリストの勝谷氏から削除・修正の要望があったということで筆者に相談をしてこられました。

筆者自身がこのシンポジウムのブレーンとして参加しており主催者側との信頼関係があったこと、主催者を支援しようと毎年参加している勝谷氏に対して主催者側が最大限配慮したいという思いがあったこと、など様々なことを考え、一度記事の一部を削除いたしました。

削除の理由については早々に公開すべきでしたが、私の方でしばらくどう書くか悩んでいたために遅くなってしまいました。
皆様にご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。

投稿者:熊田梨恵 | 2011年10月16日 08:49 | 219.124.35.187

http://lohasmedical.jp/blog/2011/10/post_2497.php


削除は勝谷氏からの要望だったわけです。
氏の「要望」というのが「圧力」というような強硬なものであったのか、「お願い」程度のものであったのかはわかりませんが、シンポジウム主催者が勝谷氏に相当配慮したこと、またその主催者にロハス・メディカル側が相当配慮したことがコメントからうかがわれます。「苦渋の決断」による削除と言ったところでしょうか。


ところで、削除された「大野事件は誰も関わりたくない『東電案件』」というのはどういう内容だったんでしょうか? 勝谷氏は何を語ったんでしょうか?
削除された今となっては知るすべもないか、なんて思ってるアナタやアナタ、甘い! 実は勝谷氏、自身の有料配信日記にちゃんと書いているんです。
シンポジウムの翌日に配信された10月9日号です。

(略)

昨日、ご本人や周囲から聞くとなるほど「調書の捏造」に近いことがやはり行われていたのだ。

(略)

 圧巻は加藤先生による独白だった。満員の会場は静まり返った。私の言葉にするとそのリアリティがなくなるのだが頑張って書いてみよう。

 妊婦が亡くなった理由については専門的な話になるので特に書かない。医学的には「起きうること」であったことは裁判記録にある。昨日のその場でも言ったが医者の息子として生死をずっと見てきて「医学は万能ではない」どころか「医学で治せるのはむしろ幸運だ」なのだが、多くの人々はパソコンのアイコンをクリックすれば結果が出るようなことを医師に求めている。
 それでも加藤先生は遺族に謝った。立たされたまま1時間罵倒されたという。そうしたディテールが実は大切なのだが紙幅もあってざっくりと出来事を記していく。
 次に県が事故報告書を作った。全面的に非を認めるもので先生は「これでは逮捕されてしまいますよ」と言った。しかし県は「こう書かないと遺族に賠償金が出ませんので」と答えたという。賠償金は県民の税金から払われるのである。いったい県はどちらを向いて動いていたのか。
 ここで重要なことがわかる。 亡くなられた妊婦もその夫も東京電力の社員だったのだ。そして大野病院は福島第一原発からわずか3キロ。いまはだから稼働していない。加藤先生が逮捕されたあと、医局に医師を送りこんでいた大学の教授にすっかり有名になったあの東電の勝俣恒久社長(当時)から電話がかかってきた。「加藤の後任をよろしく」と。大野病院そのものが東電のコントロール下にあったのだ。そこで東電の社員の奥さんが亡くなったとすれば「独裁国家」としてはそれなりの生贄を欲したというのが、実はこの事件の構図だ と私は昨日悟ったのであった。


またしても根拠薄弱な陰謀論ですよ。
外形的な事実は「大野病院に医師を派遣している大学教授のもとに東電から『後任をよろしく』と連絡があった」というだけのことでしょ。そこから「病院人事に関して東電が影響力を持っている」ってことはわかりますよ。
しかしどうやったら「東電職員の死をキッカケに東電が大野病院への支配力を見せつけるために加藤医師を生贄にした」なんていう結論が導けるというんですかね?

ちなみにこの日記では続けてこうも書いています。

 拘置所で先生は看守の部屋の真正面に入れられた。看守は上司から「自殺させないように厳重に監視しろ」と言われていたそうである。先生が刑事と歩く写真を報じて日本の産科医療を崩壊させて大マスコミは連日極悪人のように報じた。
 何かを思い出しませんか。そう。小沢一郎民主党元代表などに関する報道と全く同じだ。司法と大マスコミが結託して生贄を作り「誰が主人か」を愚民に刷り込むのである。それが本当に権力を持っている奴らであればまだ仕方がないとも言える。しかし加藤先生の場合はいち私企業に過ぎない東京電力がそれをやったのだ。きわめて悪辣であったと言うほかはないであろう。
 特別弁護人の澤先生はそうした構造を見抜いていた。しかし週刊誌記者などであまたのワルを見抜いてきた私の指摘には彼も驚いたようだ。加藤先生が逮捕されて7日後に彼の奥様は出産した。子供を先生は抱くことができない。その彼に検察官は「この調書に署名すると出られるよ」と示唆するのである。
 ひょっとしてこれは明らかにそのタイミングを狙った逮捕ではなかったか。その後明らかになってきた検察というものの恐ろしさを見ると私はそうしたことまで考えたのである。


バカの妄想にはつき合ってられんわ。


発言内容はともかく、問題は記事削除のほうです。勝谷氏はなぜ自らの陰謀論に対して削除要請を行ったのか?
普通に考えれば「その誤りに気付いた」ということですよね。しかし、それなら記事をこっそり削除して済む話じゃないでしょ。これは公開の場でなされた発言ですよ。その場にいた聴衆はどうなるんですか? 勝谷氏の陰謀論に耳を貸したままですよ。発言が誤りなら、何を措いても彼らにそのことを伝えるのが先決でしょ。
だったら記事はこっそり削除するのではなく、逆に自分の発言が誤りだった旨を記事にして付け加えてもらうことが正しいやり方でしょ。
主催者も自らのホームページに勝谷氏の「お詫び・訂正」を掲載すべきでしょ。それが主催者としての責任でしょ。
それで聴衆全部に行き渡るかどうかはわかりませんが、少なくとも今打てる手段としてそれらはやるべきです。

さらに言うなら、勝谷氏は日記にもそのことを書いて配信したんだから、「お詫び・訂正」は日記読者にもしなければならない。しかし私はそのような話をいまだに聞きません。 


主催者が協力者に気を遣ってメディアに削除要請する。メディアが主催者に気を遣って記事を削除する。これって勝谷氏が常に批判している大マスコミの談合体質と何が違うって言うんですか?
勝谷氏の談合批判は談合に対する批判じゃないんですよ。談合に入れてもらえなかったヒガミにすぎないんですよ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ちょっと見落としていました。

ここ ↓ にロハス・メディカルの記事の削除部分が保存されていたようです。

http://henachoko.tumblr.com/post/11389342885

勝谷氏の発言部だけを抜粋するとこうです。

僕は記者クラブに入れない人間だから、当初から大野病院事件は東電案件だという事を、記者クラブ以外の報道に携わる人々はみな知っていました。小さい声で囁くんです。東電は当時ブイブイ言ってましたから。東電だったら警察は動かざるを得ないだろう、東電だったらマスコミは書かざるを得ないだろう、ただし県の佐藤栄佐久さんはどちらかというと原発反対派だったので、そこが微妙なところだね、という話でした。福島原発から大野病院は3キロです。大野病院自身、東電の原発関係者の人たちが非常に深くかかわっている病院ではあります。この事件から検察がどんなにひどいかが分かりました。だから検察を言えるようになりました。東京電力は下手を打ちました。だから東電のことも言えるようになりました。この二つのタブーが消えたから、我々は壇上からこの話を言えるようになったし、この二つの地獄の釜の蓋が開いたから、色々なものが見えるようになってきて、いまだからああなるほどと。この国は本当に怖いところです。これがこの出来事の本質で、加藤先生がいる前では言えませんでしたけれども、おられなくなったので私の責任においてお伝えする次第です


日記に書いたことと趣旨は同じだと思いますが、表現が曖昧ですねぇ。これで削除要請とは・・・。

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manguhsai at 17:37|PermalinkComments(11)TrackBack(0)clip!

2011年10月19日

緊迫した生放送のはずでは?

8月14日の記事で、勝谷氏の無様な『スッキリ!!』降板劇をお伝えしましたよね。
自分が書いた『ディアスポラ』という小説の出版記念パーティに同番組が取材に来てくれないとヘソを曲げて自身の有料配信日記で降板宣言したものの、氏が所属する吉本興業と番組との契約上、勝手に降板できないと知ってあっさり宣言を取り消したあれです。

勝谷氏は8月1日に降板宣言をして『スッキリ!!』の「不義理」を喚き散らし、8月13日に宣言を撤回しました。その13日の日記では醜態を取り繕うべくこんな威勢のいいこと書いてました。

 ちなみに局の現場からはいかなるメッセージも私のもとには届いていない。上等だ。そういうつもりでスタジオに座る。だからますます緊迫して面白い生放送にはなるはずだ。そっちがそのつもりならこっちもこのつもりで行く。それでも生で出すというなら出ようじゃないの。あくまでも私を立ててくれている人々の人間関係を考えての決断だ。テレビ局とはいかなる妥協もしていない。


私、とりだめした番組録画を整理していたんですが、面白い場面を見つけちゃいました。
啖呵を切った2日後の8月15日の『スッキリ!!』。番組終了間際のプレゼントコーナーで、缶コーヒーとともに件の『ディアスポラ』がプレゼント品になっていました。
取り上げてもらった勝谷氏、上機嫌で本の宣伝をしています。

これね、原発事故が起きて日本に住めなくなったその後の日本人の運命を描いてるんですけれども、これを書いたのが10年前なんです。10年前に『文学界』というところに発表した小説なんですけれども、それがまあこういうこと(震災による原発事故)もあったので「非常に先見性がある」ということで本にしてもらいました。はい。
これを5名のかたにサイン入りでプレゼントしようと思います。はい。
今、売れてます。ぜひとも読んでください。


おいおい、その程度の取り上げかたでよかったのかよ? 「取材してくれないから辞める!」って喚き散らしたのは何だったんだ? 威勢のいい対決姿勢を取ったんだから、「プレゼントコーナー」なんていうショボい扱いは拒否してみせろよ。なにが「いかなる妥協もしていない」だよ。情けねー。




もう1つ。録画していた『スッキリ!!』でこういうのがありました。

10月10日の放送で「ダイエットで注目!話題の『酵素』を大解剖」というコーナーなんですが、これがかつての『発掘!あるある大事典』も真っ青なデタラメ内容でした。

まず、酵素栄養学の第一人者でらっしゃる鶴見クリニック(ちっちゃな医院)の院長先生が酵素について解説してくださいます。

・酵素はあらゆる動植物に存在する体内の化学反応を促進する生きた
 媒介。
・大きく分けて2種類、消化酵素と代謝酵素がある。
・体内の消化酵素と代謝酵素の総量は決まっている。
 なので、コッテリしたものを食べていると体内の酵素は消化酵素に割り
 当てられてしまい、代謝酵素が減ってしまう。すなわち新陳代謝が滞っ
 てしまう。
・生野菜やフルーツなど生ものには消化酵素を補う「食物酵素」が豊富。
 消化酵素を減らすためにこれらを多くとろう。
・「酵素食」をとらず不摂生な生活を続けていると慢性的な酵素不足に
 なる。


もうこの時点でぶっ飛んでしまいます。
1つめの説明はまあいいです。酵素はご存知の通り生体内の化学反応を触媒するタンパク質です。
2つめから意味不明です。代謝というのは異化と同化を合わせてそう呼ぶんですが、異化と消化は同義です。すると「消化酵素と代謝酵素」という分類は「(消化酵素)と(消化酵素と同化酵素)」になってしまい、わけがわかりません。
3つめはさらにキッカイ。コッテリであろうがアッサリであろうが、食べたものを消化するには消化酵素がいるわけで、なんでコッテリしたものだけ消化酵素が増えてしまうのかわかりません。しかも「酵素の総量が一定」なんて聞いたことねーよ。
4つめ。たしかにダイコンやパイナップルなんかにはある種の消化酵素が多いけど・・・。それ食べたら自前の消化酵素が減るか??
5つめ。酵素不足って代謝酵素不足っていう意味? これまた初耳。酵素が減っていってなる病気って知ってます? だいたい酵素を食ってもタンパク質だからアミノ酸に分解されちゃうんですけど。

そして「応用編」。
酵素を謳った商売を紹介しています。

「おがくず酵素浴」
・・・米ぬかを混ぜたヒノキのオガクズを60℃〜70℃まで自然発酵させたものに体を埋もれさせる。発酵させたオガクズから生まれる酵素が古い角質を分解し、お肌がツルツルになる。

60℃〜70℃になったらタンパク質が変性して酵素は失活するのでは? 「オガクズから酵素が生まれる」ってどういうこと? まったく意味不明。

「低回転ジューサーを使ったフレッシュジュース」
・・・回転速度が遅いジューサーなので熱が発生せず、酵素が壊れない。酵素たっぷりのジュース。

タンパク質変性温度は60℃ぐらいなんですが、普通のジューサーってそんな高温になります? ご家庭のジューサーではホットになっちゃうんだ。

「酵素汁作り教室」
・・・野菜や果物を薄切りにして砂糖と混ぜておくと浸透圧で酵素が抽出され、酵素たっぷり汁ができる。

酵素はタンパク質の巨大分子です。浸透膜である細胞膜を通過できません。


そしてスタジオでのアナウンサーによる「まとめ」でも、「発酵食品は文字通り酵素の発生している食品だからこれを食べよう」だとか、「便が溜まると酵素の働きが悪くなるから、便通をよくするために油をとろう」だとか、無茶苦茶なこと言ってました(「発酵」って「酵素が発生」っていう意味じゃねーし、油食っても消化吸収されるんだから便通よくならねーし。だいたい「脂っこいもん食うなって」言ってたじゃん)。


こんな「あるある大事典ネタ」に対しては当然勝谷氏からツッコミが入るだろうと思いきや、氏からはなんのコメントもなく、スルッとコーナーは終わってしまいました。

ええ!? それはないだろ! ただでさえこんなデタラメ話放置しちゃいかん上に、アンタは「緊迫した生放送にする。こっちもそのつもりで行く!」とまで見栄を切ったんだろ!? ここで番組に文句言わんで、どこで言うんだよ!!

まあ無知な勝谷氏のことだから「へー」って思いながら聞いていたのかもしれないけど・・・。
そんなコメンテーターに存在価値がるんでしょうか?

それとも番組にケンカを売るようなマネはできなかったんでしょうか?
やっぱり仕事やお金をもらう立場になると、くれる相手には逆らえなくなりますからね。ダイコンを買ってもらった八百屋はお客さんを大事にするもんなんですよねー。




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manguhsai at 02:54|PermalinkComments(8)TrackBack(0)clip!

2011年10月15日

カタをつけろよ 勝谷VS辛坊

今から1週間ほど遡って申し訳ないんですが、勝谷氏が7日の有料配信日記でこう書いていました。

 昨日収録の『たかじんのそこまで言って委員会』ではなんと衆議院議員にして刑事被告人の(苦笑)石川知裕さんがゲストだった。
(略)
昨日の収録の中で石川さんがフッと「エマニュエル・トッドが言うように」と呟いて、ほとんどのパネラーはスルーしたが私は「へえ、この人は本当に勉強家なんだ」と感心した。卑近な出来事ばかりではなく歴史観を持つ国会議員は大化けすることが多い。こういう人を卑しいゲシュタポ検察のパフォーマンスのために葬り去ってしまってはいけないと思った。ただ持ち上げているわけではない。明日のオンエアを見て考えてもらえばいい。


で、9日のオンエアを見たわけですが、私は石川氏がそんなたいした人物には全然見えませんでしたねぇ。
小沢氏への不評が出れば「(本人に)注意しておきます」「(本人に)指摘しておきます」と冗談めかしてかわすだけ。
自らの小沢評では「小沢さんがカネを集めて何をしようとしているか、そこに焦点が当たってこなかった。彼は自分の(政治的)理想を実現しようとしてきた」なんていうトンデモ説を披露して、聞いてるこっちがひっくり返りそうになりました。
「エマニュエル・トッド」にしたって、三宅久之氏からの「小沢氏の主張は一貫していない」との指摘に対する言い訳として名前を出しただけ。その手の知識が仮にあったとしても「口先だけで芯のない政治家だな」としか感じませんでしたけどね。


ところでこのときの『そこまで言って委員会』、つまんなかったですねぇ。
小沢氏が話題のときは必ず彼に対する悪評が噴出して、勝谷氏が黙りこくるか防戦に回るような状況になるのに、この回では石川氏が目の前にいたせいか、あるいは金美齢氏・村田晃嗣氏といった嫌小沢最右翼のパネリストがいなかったせいか、終始ぬる〜い空気でしたね。
中でもひどかったのがこの場面。

森本敏 たとえば小沢さんの周りに今いる人ってホントにイエスマンばっ
    かりですよ。

やしき せやけどね、冷静に考えたら、あの歳になてね、1個1個にワー
    ワー言うヤツ周りに置いたら・・・置きたないやん!

辛坊 そうですよね!

(略)

勝谷 たかじんさん、それ(イエスマン)を味わうために毎晩おカネ使っ
   て周りにいろんな女の子ね、持ち上げてもらって。

やしき そうそうそう。

田嶋陽子 そうだよね、じゃなきゃストレスとれないよね。

やしき クラブ行ってね、ホステスがイエスマンちゃうかったら、オレ
    何のために飲みに来てん。


・・・目も当てられないアホどもの馴れ合い。


しかしそんな中、一瞬だけ緊張感を見せた場面がありました。

辛坊 今回(元秘書ら3人の裁判)に関して言うと、法学者のほぼ一致
   した見解としては、石川さんには申し訳ないけれども、3人の秘
   書のうち、大久保さんの有罪に関しては私は五分五分だなと正直
   思ってたんですね。石川さんと池田さんの有罪に関してはたぶん
   100人裁判官がいて100回裁判やっても99回私は有罪にな
   ると思う。

勝谷 ボクが聞いてる司法関係社は辛坊さんとまったく逆のこと言って
   ましたけれどもね。

辛坊 いやいや、それはまったく間違ってる。法律知らない人ですよ。


この後、勝谷氏がムキになって何かしゃべろうとしたところで三宅氏が割って入って話題を逸らしてしまいました(なんでこのじいさんは余計なことするのかなぁ。進行は司会に任せろ。越権行為だ)。

実はこのとき勝谷氏が辛坊氏に言いたかったのはこういうことだったようです。10日の有料配信日記で書いています。

  昨日私は彼(辛坊氏)について言いたいことがあった。どこかの局の朝の番組で「小沢一郎さんから講演料を貰っているために擁護している人たちがいる」と発言したというのである。私は講演料を貰っている。石川さんとの話の中でも笑い話として語ったら、彼はどの会でいくらだったまで覚えていた。秘書だったからね。
 いつも言っていることだが八百屋がダイコンを売って「今日はお代はいりません」と言ったならばどういうコンタンがあるのかとむしろ不審だろう。私もそうだ。私のダイコンは言説である。それを原稿にしたり喋ったりしてカネを貰う。…何の不思議もない世界だ。
 それが何がおかしいのかと私がいない場所で誹謗中傷した辛坊さんに聞いてみたかったのだが実に巧みにすり抜けられてしまった。


くだらない。
ダイコン50万円分買ってくれる客を八百屋が悪く言えないのは当たり前。現に八百勝は小沢さんちのことを決して悪く言わない。持ち上げるのみ。これじゃあ勘ぐられたってしょうがないだろ。イヤなら論評の対象と距離をとれ。常識だ。

そんなくだらないことではなく、勝谷氏には辛坊氏のこういう主張に反論してもらいたいんですけど。

辛坊氏は写真週刊誌『FLASH』に『辛坊治郎のニュース食い倒れ!』というコラムを連載しています。現在発売中の10.25号に掲載の第23回ではこう書いています。

 先日、小沢一郎民主党元代表の元秘書3人に、執行猶予付きの禁錮刑が言い渡されましたが、その直前に、結構有名な評論家がこんなことを書いていたんです。少しでも法律を知っている者なら、この3人に有罪が言い渡される可能性がほとんどゼロであることはわかるはずだ」。あのね、「少しくらい法律を知っている者」として言わしてもらいますがね、この3人が有罪である確率は100%です。少なくとも直接、政治資金の収支報告書の作成に関わっていた石川知裕被告と池田光智被告が無罪になることは絶対なかったと言えます。だって、問われているのは、政治資金収支報告書にウソを書いた罪なんですから。この罪は、実際に提出された報告書が間違っていて、「どう考えても過失でこんな間違いはしないだろう」と思われる状況さえあれば、それだけで自動的に成立する犯罪なんです。
 何せ、今回罪に問われた収支報告書の間違いは、1円2円の話じゃありません。総額で、この種の事件としては最高の約21億7千万円の「ウソ記載」なんです。常識で、これだけデカい金額を間違って報告書に書くと思いますか? そのうえ、事件の発端となった小沢元代表からの4億円の借り入れに関して、被告らは受け取った日を「間違って」記載しただけでなく、わざわざ12回に分けて、それも5つの銀行の6つの支店に分散して入金してるんです。また不動産を買うに際して、お金があるにもかかわらず高い金利を払って銀行から4億円を借りて支払いをし、さらにそのお金の流れについて、報告書に記載していないんです。また、なぜそのようなややこしいお金の動かし方をしたのか、裁判では一切合理的な説明がなされていません。以上の事実だけで、虚偽記載罪が成立するには十分すぎるくらい十分です。


これは、まさにこの通りだと思います。
前回引用した勝谷氏の日記と読み比べてみてもらいたいんですが、辛坊氏のこの論は具体的で論理的です。
一方勝谷氏の主張は「証拠がない、心証だけだ」と表層的な印象を言いたて、江戸時代だの中国・ロシアだの(トンチンカンな)例え話をしているだけで、問題の法律の趣旨や被告人の行為などをまったく論じていません。
勝谷氏には是非、前回の私の主張とともに辛坊氏のこの文章に具体的かつ詳細に反論してほしいものです。


で、辛坊氏は同コラムをこう結んでいます。

 それにしても、改めて判決文を読み返してみましたが、今回裁判長が認定した内容がすべて本当だとすると、こんなダニどもに国政を任せるわけにはいかないとしみじみ思います。もし小沢元代表らが、判決で指摘された数々の事実が間違っているというのなら、やっぱり説明しなくちゃいけません。一民間人なら裁判で戦えばいいのです。しかし、公人中の公人たる国会議員、しかも大政党のトップまで務めた人物周辺に、一審とはいえ裁判所の「真っ黒判定」が出たのですから、「今後裁判で戦います」は通りません。説明できないのなら、とっとと政治家を辞めるべきでしょう。


これまたその通りなんですが、そう思っているなら石川氏に面と向かって「辞めろ、ダニ野郎!」と言ってほしかったですな。

辛坊氏の主張とは反対に、小沢氏は自らの初公判の後、「裁判中だ。三権分立なんだから国会で説明なんかできるか!」と記者に当たりまくってましたね。
三権分立だからこそ裁判とは関係なく国会で説明しろよ!と思うんですが、私って勉強不足なの?

裁判でも記者会見でも読み上げた小沢氏の見苦しいだけの検察批判の文章を勝谷氏は(やはり)評価しています。

 「ザ・小沢一郎」と冒頭に書いたのは、法廷での意見陳述がここ何年か私に彼が言っていることとまったくブレていなかったことがまずひとつだ。

 <陸山会事件:小沢元代表初公判 意見陳述(全文)>
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111007ddm012010046000c.html 

 裁判で争っている内容について述べているところはまずおこう。それよりも小沢さんが「正統な国民の負託を受けていないものの暴走」について一貫して持っている危惧がこの陳述の中には出ている。満を持してこのことを彼は喋りたかったのだと私は思う。
(略)

 <特に許せないのは国民から何も負託されていない検察・法務官僚が議会制民主政治を踏みにじり、公然と国民の主権を侵害したことであります。一昨年の総選挙の直前、証拠もないのに検察は国家権力を乱用し、野党第1党の代表である私を狙ったのであります。とりわけ2年前の総選挙は本格的な政権交代が十分に予想された特別なものでした。こんな時に、総選挙の行方を左右しかねない権力の行使が許されるなら、日本はもはや民主主義国家とは言えません。
 戦前、軍人と官僚や検察・警察官僚らが結託し、マスコミを巻き込んで国家権力を乱用し、政党政治を破壊しました。その結果p(3は無謀な戦争への突入と敗戦という悲劇でありました。昭和史の教訓を忘れ、権力の乱用を許すなら、日本は必ず同様の過ちを繰り返すに違いありません。>

 <戦前の過ちを繰り返してはいけない>とは小沢さんがいつも私に言うことであった。正しい意味での「文民統制」が崩れ<軍人と官僚や検察・警察官僚らが結託し、マスコミを巻き込んで国家権力を乱用し>たことを繰り返してはならないということだ。そしていまそれはまさに目の前で起きつつあることなのは、この日記をずっと読んで下さっているあなたや、あなたならわかっていただけると思う。今は軍というよりも財務省を中心とした暴走官僚たちではあるが。その大マスコミとの結託は今朝の報道を見ていても言うまでもないだろう。
 小沢一郎の軌跡は私が見る限り彼が考える民主主義の実現への闘いだった。しかし闘いには兵站は必須だ。兵站とは政治資金である。それを集める手法そのものが旧体制的なものから画期的には変えられなかったこと、そしてそれを突かれていることが小沢さんの悲劇だろう。だが、たとえばネット献金で一般から広く浄財を集めるようなことは、まだまだまったく実現していない。小沢さんの悲劇は、あらゆる日本の政治家にも通じることである。そうした中での「狙い撃ち」を憤る思いが陳述の中には溢れている。

(有料配信日記10月7日号から)


私なんか「国民から何も負託されていない検察・法務官僚が議会制民主政治を踏みにじり」ってところに1番引っかかりを持ったんですがね。
これってどういう意味なんでしょうか? 役人が国民から選挙で選ばれていないことがおかしいと言いたいわけ? それとも国民から選ばれた国会議員が1番偉いんだから、そうじゃない奴がオレ様をどうこうするなと?
バカじゃないの。みんな職務を全うしているだけだろうが。選挙で選ばれてるかそうでないかは関係ねーよ。

勝谷氏は「官僚の暴走」を「文民統制の崩壊」とよく言いますが、これは言葉そのものがおかしい。
前にも書きましたが、「シビリアンコントロール(文民統制)」というのは軍に対する用語・概念であって、それ以外では使いません。
以前は警察に対してこの言葉を使っていた勝谷氏ですが、最近ではさらに進んで「すべての省庁にあてまる」(9月10日『あさパラ!』)としています。

まあ用語はともかくとして、小沢氏や勝谷氏の言う「検察の暴走」が事実とした場合、誰に1番の責任があるんでしょうか? 当然「統制」しているはずの「文民」つまり法務大臣でしょ。
ということは小沢氏や勝谷氏は法務大臣に対して「指揮権を発動してこの裁判をやめさせろ!」と言ってるようなもんでしょ。ハッキリそう言えば? それこそ国民から呆れられるよ。

勝谷氏はなにかと言うと旧軍の暴走を引き合いに出しますが、当時は制度としてシビリアンコントロールがないも同然だった。
しかし現在では軍も含めてどの官僚組織でもトップは大臣(国会議員)ですよ。それでも官僚が暴走するというのであれば、大臣が責任を追及されるべきです。
また、制度に問題があると言うなら、どのような制度にするべきなのか具体的に述べるべきでしょ。
勝谷氏にはこの辺りのこともキッチリ言及してもらいたいものです。


そして最後の段落、「それ(政治資金)を集める手法そのものが旧体制的なものから画期的には変えられなかったことが小沢さんの悲劇だろう」という文からは「政治のためには汚い金集めをやったっていいじゃないか」という開き直りの声が聞こえてくるんですがね。
そういう考えかたこそ時代に合わないんだよ。

『そこまで言って委員会』の中で勝谷氏は石川氏の著書『悪党―小沢一郎に仕えて』をこう評しています。

あの本、ボク、熟読しました。ものすごくいい本です。
なぜかといったら、石川さんが通訳になってるんです。
小沢さんが黙っちゃったり、発信がものすごく下手な部分を石川さんが噛み砕いて書いてて、ボクもあれ読んで「ヘー」って思ったところが何カ所かある。


勝谷氏は常々「政治は言葉」と言っていたはずでしょ。
発信がものすごく下手だったり、自分の行為の説明を拒否したり、いかがわしい金集めしかできないような政治家そのものが時代に合っていない。
成熟した民主主義の実現のためには真っ先にいなくならなければならない政治家が小沢氏。
もちろんその御用コラムニストも時代遅れのゴミです。



ああ、誤解のないように言っておきますが、私は辛坊氏のファンなんかではまったくないです。『辛坊治郎のニュース食い倒れ!』は時々読んでいますが、「はあ?」と思うこともよくあります。
今回はたまたま意見が一致したというだけのことですから。




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2011年09月28日

法律に関してあまりにも無知

政治資金規正法違反に問われていた小沢氏の元秘書ら、3人とも有罪判決が下されましたね。
「小沢信者たる勝谷氏のこと、自身の有料配信日記でまたバカなことほざいてるんだろう」と推測されているアナタやアナタ・・・ご明察、その通りです。

でもその日記の紹介はちょっと後回しにして、氏の別テーマのコラムのほうを先に見てください。『週刊SPA!』9/20-27号掲載の『ニュースバカ一代』VOL.439「福島物産店中止 の巻」です。

(前略)
 福岡市で「ふくしまショッププロジェクト」という団体が福島県の産品を取り寄せて直売する店を出そうとした。事故の前に収穫した食材を使った加工品が中心で、にもかかわらず放射線量を測って販売する予定だった。ところが計画が報じられてから「放射能汚染を持ち込むな」というメールや電話が出店を予定していた商業施設などに多数寄せられたというのである。ここまではこれまでもあったことだろう。プロジェクト側はもちろん出店しようとした。しかし受け入れるはずだった農産物直売所「九州のムラ市場」が中止を要請したのだという。これに私は驚いた。
 そもそもこういう事態の時に「風評」という言葉を使うなと私は思う。ただの悪質な「デマ」ではないか。朝日新聞に載っていた写真でちらりと見えた文章には〈商品全て不買します〉とあった。想像するにその直売所かあるいは商業施設の他の商品もボイコットすると脅しているのである。これは完全な極道の手口だ。であればそれに屈するというのは正義を売り渡し闇社会と取り引きするということである。なぜ大マスコミはそこをきちんと指弾しないのか。今回のような外道は必ずいる。しかしそれを毅然と追い返すのが健全な社会というものだと私は思う。
 福岡県警は捜査すべきだろう。明らかな業務妨害であり恐喝であり福島の人々への人権侵害だ。いわゆる風評被害はそれを看過する社会にも責任があるのだ。悪質なデマを流すような奴らの首根っこをつかまえて吊るしてやらなくては福島はいつまでも浮かばれない。


被災地産物の風評被害がそんなに憎いなら、なぜ「全部捨てろ」と言った武田邦彦氏を非難しないのか!というのが拙ブログの前々回の記事でした。今回はそこを言いたいのではありません。

「悪質なデマを流すような奴らの首根っこをつかまえて吊るしてやらなくては」(ドテッ)まずオマエが吊るされんかい!というツッコミも我慢して。

「想像するに → 脅しているのである(断言) → 極道の手口だ(決め付け) → 闇社会と取り引きすることである(飛躍)」とうい唖然とするほど強引な論理展開も措いときます。

今回取り上げたいのは「福岡県警は捜査すべきだろう」というところです。
勝谷氏は「明らかな業務妨害であり恐喝である」と言っていますが、全然違う。

不買運動がなんで業務妨害に当たるのか。不買運動そのものは犯罪でもなんでもない。
たとえば中国産原料の使用に反対してチャイナフリーの不買運動したら、その手の企業への業務妨害として逮捕されるのか?
たとえば韓国制作番組の頻繁な放送をやめさせようと「フジテレビを見ないようにしよう」デモをやったら業務妨害で逮捕されるのか?
そんなわけねーよ。

さらに言わせてもらうなら、勝谷氏は「恐喝」と「脅迫」の違いさえわかっていない。
「恐喝」は脅して金品を奪うこと。金品関係なしで単に脅すのは「脅迫」です。
「出店をやめないと商品全て不買します」を「脅迫」と言うならまだしも、「恐喝」とはトンチンカンにもほどがある。

また、仮にこれが人権侵害であったとしても、それだけで警察が動くことはありえません。
警察が動くのは刑事問題だけです。人権侵害だからといって即刑事というわけではないのは言うまでもないでしょ。

この短い1文を見ても勝谷氏がいかに法律に無知なのかがよくわかります。



さて、そこで後回しにしていた日記です。昨日、こう書いています。

2011年9月27日号。<白州でのお奉行とのやりとりの「心証」だけで判決を出しちゃ江戸時代だろう>。


 日本国はもはや法治国家ではないと私はことあるごとに言ってきた。小沢一郎民主党元代表の3人の秘書に対する判決を見ると、それが行くところまで行っていると呆然とせざるを得ない。
(略)
 判決の内容はこれが最高学府を出て司法試験に通った裁判官が書いた文章かと思うほど無茶苦茶なものであった。

 <ゼネコンからの裏金受領を認定/小沢氏元秘書ら有罪判決>
 http://www.asahi.com/national/update/0927/TKY201109260708.html
 (引用部略)
 
 今回の裁判ではご存じのように極めて異例な展開となった。裁判所が検察の調書のほとんどを信頼性や任意性がないとして却下したのだ。

 <石川議員らにきょう判決=全面無罪を主張―陸山会事件・東京地裁>
 http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201109260031.html 
 <元秘書の公判で地裁は、収支報告書への虚偽記載を大久保被告や小沢元代表に報告し、了承を得たとする供述調書など、石川被告と池田被告の逮捕後の検察官調書の大半を採用しなかった。>

 背景にはちょうどそのころ起きた大阪地検の調書捏造事件と、石川知裕議員が強引な取調べの様子を録音していたものが世に出たことなどがあっただろう。今から思えば裁判官は「世間の顔色をうかがった」わけだ。そして、この裁判官のとんでもない態度が今回も反映されたように私には思われる。どうやら判決を下したのは「法と証拠にく基づく」のではない。「世間の顔色と大マスコミが煽る世論に基づく」奴ららしい、と。

 社説では小沢さんはすぐに政界引退しろといつもの愚にもつかぬ主張を繰り返している朝日新聞だが、社会面の解説では苦しい説明になっている。
(略)
 都合が悪いのか(苦笑)asahi.comにはないので書き写してみよう。そもそも二つある見出しがかなり苦しい。

 <説明の合理性重視>
 <自白調書に頼らず判決>

 もうこの見出しだけで日本国は法治国家ではないと宣言している(笑)。どこの先進国で<自白調書に頼らず判決>が下されるのかね。ここは支那か北朝鮮かロシアか。記事はその結語部分で言う。

 <法廷の被告人質問では、裁判官の質問に石川議員自身が「合理的に説明できない」などと答えに窮する場面もあった。判決の結論を導く過程で、こうした弁解の不自然さが影響したとみられる。>

 これでは警察も検察もいらないではないか。江戸時代のお白州のように裁判官が自分で質問をして「心証」だけで判決を出せばよろしい。捜査能力のない裁判官がほとんどの証拠を却下しておいて、呼び出した何人かの証人から得た「心証」だけで人を裁いてしまうなどというのは無茶苦茶である。
 3人の被告の有罪無罪以前に、どうして大マスコミがもっとこの「手順」の異様さを指摘しないのか不思議…じゃないなあ。今までもそうだ。検察が不起訴にした小沢さんを世論調査などを使って愚民の空気を煽りに煽って人民裁判に持ち込んでいるんだから。そういえば今朝の朝日新聞の一面の小沢さんの写真もいつものようにわざと作った「護送写真」だった(苦笑)。


「どこの先進国で<自白調書に頼らず判決>が下されるのかね」の個所にはビックリして椅子から転げ落ちそうになりました。刑事裁判において、少なくとも理屈の上では自白に重きが置かれていないことぐらい、読者のみなさんだってご存知ですよね。
たとえば憲法38条3項にだって「自白だけでは有罪にならない」と書いてあります。近代的な訴訟制度では自白に頼らないのが当たり前なんです。

法学をかじったことのあるかたなら氏の日記を読んで「自由心証主義」と「法定証拠主義」を想起されたでしょ。

その昔、中世などでは被告人を有罪とするための要件が法律によって規定されていました。たとえば「必ず自白がいる」とかね。こういうのを「法定証拠主義」と言います。
しかしこれでは被告人の罪を証明するためになんとしても自白が必要になり、拷問が横行することになります。
そこでその反省を踏まえて近代では有罪の要件を法律で決めておくのではなく、いろんな証拠から裁判官が心証で有罪・無罪を決める方針に転換したんです。これが「自由心証主義」です。もちろん「自由」といっても「論理法則や経験則にもとるような判断はダメ」というような制限はあるわけですが。

つまり勝谷氏の言ってることは、現実の裁判史の流れと真逆なわけです。これが椅子から転げ落ちずにいられましょうか!


で、この「いろんな証拠」にはもちろん証人や被告人の証言も含まれます。したがって「被告人の説明は不合理や。こりゃ嘘ついとるで」と裁判官が判断しても全然おかしくないわけです。

小沢氏秘書らの裁判においては、政治資金報告書の事実と異なる記載が「虚偽」つまり「わざと誤摩化すためにそうした」のかという「意識」が問題になっていたんですから、被告人が不合理な説明をしたら当然裁判官は「ああ、こいつ嘘ついてるな。やっぱわざと虚偽記載したんだわ」と、その「意識」に対して判定を下すことになる。
少なくともこの部分に関しては何の問題もない「手順」ですよ。


法に無知なのをいいいことに、自分の都合で「逮捕しろ」だの「無罪にしろ」だの好き勝手喚き散らす勝谷氏。「日本はもはや法治国家ではない」ですか・・・もうちょっと勉強してからほざきましょうね。

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manguhsai at 03:45|PermalinkComments(15)TrackBack(0)clip!