一色産うなぎ産地偽装
ウナギ産地偽装の魚秀社長ら5人起訴
中国産ウナギかば焼きの産地偽装事件で、中国産かば焼きを国産と偽って仲卸業者などに販売したとして、水産卸会社の魚秀社長、中谷彰宏容疑者ら5人が不正競争防止法違反(虚偽表示)罪で起訴されました。社長らは起訴事実を認めています。
兵庫、徳島県警合同捜査本部は、中谷被告らが、偽装した商品で不正な利益を得たとみて、詐欺容疑での立件に向けて捜査を継続。
ほかに起訴されたのは、魚秀福岡営業所所長、川上智行、マルハニチロホールディング子会社の神港魚類元課長、北本順一、高知県南国市の水産加工会社役員、横山圭一、高松市の水産卸会社元専務、稲山恵誉、の4被告。
中谷被告ら5人は今年2~4月、高松市内の倉庫で、中国産ウナギかば焼き約256トンを「愛知県三河一色産」と印刷された段ボール箱に詰め替えるなどして産地を偽装しました。
同3~6月、そのうち約15トンを神戸市内の仲卸業者など9社に販売しました。
北本被告は、6月の偽装発覚以来、一貫して関与を否定していましたが、調べに対して偽装は間違いなく、魚秀側から受け取った現金1千万円は偽装報酬だったと認めました。
魚秀が数年前から福岡市の業者を使って行っていた別の偽装についても認識していたといいます。
ウナギ偽装 強制捜査へ
容疑2社、詐欺立件も視野に入れて、来週にも強制捜査へ
水産卸会社の魚秀とマルハチニチロホールディングス子会社の新港魚類(下図参照:神戸市)が中国産ウナギかば焼きの産地を偽装していた問題で、兵庫、徳島量県警は来週中にも不正競争法違反容疑で両社を強制捜査する方針を6月27日に決定。
偽装を主導したとされる魚秀が不正に得た利益は約3億円に上るとみられ、両県警は詐欺容疑での立件も視野に入れて捜査を進めています。
魚秀と新港魚類の偽装ウナギの流れは計画的悪質
マルハチニチロホールディングの子会社「新港魚類」は、魚秀から仕入れたウナギかば焼きのうち、約34トンを西日本の水産会社に販売。約15トンは魚秀が買い戻し、別の子会社に転売して、取引を複雑にして偽装の発覚を逃れる目的であった。
ウナギの産地偽装に口止め料1億円 魚秀が産地偽装
偽装は架空の会社を使う巧妙な手口で、農水省は悪質性が高いと指摘
農林水産省は25日、水産物輸出入販売会社「魚秀」が中国産ウナギのかば焼き256トン(205万匹)を「愛知県三河一色産」と偽装表示していたと発表。
うち少なくとも49トン(39万匹)は、水産大手マルハニチロホールディングスの子会社「神港魚類」(神戸市)を通じて販売されました。
魚秀の中谷社長は神港魚類の担当社員に、口止め目的とされる現金1000万円を渡していたことも判明。
産地偽装は日本農林規格(JAS)法や不正防止法に触れる可能性があり、徳島県警は同日午後、徳島市の営業所にいた中谷社長から任意で事情を聴きました。
兵庫県警も神港魚類の社員らから任意で事情を聴き、資料の提出を受けました。
神港魚類の幹部によると、5月27日に担当社員が中谷社長中谷社長に神戸市内の喫茶店に呼ばれ、袋を渡されました。魚秀の親会社の徳島魚市場の社員も同席していました。
担当社員は家に持ち帰ってから現金とわかり、返そうとしましたが、中谷社長は「いいから、いいから」と応じませんでした。会社には報告しなかったといいます。
また、6月13日に農林水産省の調査を受けた後、担当社員は別の魚秀幹部から「1億円出すから偽装の責任をかぶってくれ」と重ねて要請されたそうです。
神港魚類は、農水省からこの事実を伝えられました。現金は会社が預かっているといいます。
偽装を主導したとされる中谷社長は記者会見で、「ギョーザ事件などで中国産のウナギの売れ行きが不振となり、在庫をさばきたかった」と動機を明らかにしました。
魚秀の登記上の本店がある大阪市中心部のオフィス街にあるビル4階は、扉が施錠され、同ビルの別の会社に勤める人は、「魚秀の社員は年に2回くらいしか来なかった」と話しました。