名古屋グランパスのDF増川隆洋(33)が15日、Jリーグ誕生20年を祝う敵地・カシマスタジアムでの鹿島戦(18日)は勝利だけに集中すると宣言した。鹿島はOBで元日本代表監督のジーコ氏が来場するなど祝賀ムードを盛り上げるが、増川は「純粋に試合に勝つことだけを考えたい」とキッパリ。20年前の開幕大敗など、幾多の負の歴史が刻まれてきた因縁の地で、3連敗中のチームの浮上のきっかけをつくる。
Jリーグ20年の歴史をひもとき、そして屈辱を乗り越えるための決戦だ。20年前の開幕戦、グランパスは鹿島に0−5で敗れ、ジーコ氏にはJリーグ最初のハットトリックを達成された。それから20年。この試合の開始前には鹿島からジーコ氏に「第1号ハットトリック賞」が授与される。グランパスにとっては苦い記憶を蒸し返されることとなる。
逆に言えば、ジーコ氏の目の前で20年越しの雪辱を果たせるまたとない機会でもある。ただ、増川の姿勢はあくまでも泰然自若。「鹿島的にはいいイメージがあるだろうけど、こっちにはない。ただ開幕したという試合。良いチームは周りのことよりも自分たちに集中するものだ。そのほうが結果も残せる」と言い切った。
もちろん、増川にとってもジーコ氏は無視できない存在。「僕も小学生のときにサインをもらったことがある。天皇杯か何かで地元に来て、『すごい選手がいる』ってみんなでもらいに行った」と懐かしげに振り返る。20年前のJリーグ開幕も「(V川崎の)マイヤーのシュートは覚えている」と思いをはせた。ただ、今のグランパスには郷愁に浸る余裕はない。
ここ5戦で奪った勝ち点はわずか「1」。順位は14位まで落ちた。悲壮感が漂うチームに、増川は提言した。
「変に自信を失わないこと。ひとつ勝てればポジティブな流れに変わる。そのためには全員が努力し、戦わないといけない」。11日の横浜M戦では上位相手に内容で上回ることができただけに、今欲しいのは浮上のきっかけとなる勝利。20年前に自信を打ち砕かれ、その後14年間負け続けた敵地を、自らの再生の舞台に変える。 (宮崎厚志)
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