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アマミノクロウサギ襲う野猫も保護世界自然遺産への登録を目指している奄美大島で、国の特別天然記念物・アマミノクロウサギを襲う野生化した猫を捕獲し、島外などでペットにする取り組みが進んでいる。希少生物の命を守りつつ、飼い主に捨てられた猫も保護しようという試み。環境省奄美野生生物保護センター(大和村)には、全国から引き取りの希望が寄せられている。 奄美大島には、固有種のアマミノクロウサギのほか、国天然記念物のアマミトゲネズミなど希少生物が多い。ただ、捨てられるなどして野生化した飼い猫(野猫)に捕食される被害が十数年前から目立ち始めた。 同センターの調査では、クロウサギの生息域は1970年代に島内全域に広がっていたが、2003年にはほぼ半減。03、04年のふんの数を基にした調査では、クロウサギの推定生息数は奄美大島で2000〜4800匹、徳之島で約200匹だった。 センターは07年、わなを使って野猫の捕獲に乗り出した。同省奄美自然保護官事務所は、島内のペットにマイクロチップを装着し、飼い主を明らかにする制度を導入。島の5市町村も2年前から、飼い猫の登録を義務づける条例を制定するなど、ペットの野生化に歯止めをかけてきた。 センターでは当初、野猫を殺処分していたが、「捨てられた猫に罪はない。できるだけ生かそう」と11年から、引き取り手の募集を開始。捕獲したばかりの野猫は性格が荒いため、2週間〜3か月間かけて、餌を与えたり、人との触れあいを重ねたりして飼い慣らす。動物病院で避妊手術などを済ませた後、希望者に譲っている。 チラシを配布したり、全国の動物病院などで呼びかけたりし、これまでに捕獲した218匹のうち約30匹に飼い主が見つかった。「希少生物の保護につながれば」と協力的な申し出が多く、東京や大阪に引き取られるケースもあった。取り組みは成果を見せ、クロウサギのふんを基にした調査では、この3年間で2〜5倍に増えたと推定されるという。 同事務所の石川拓哉・自然保護官は「島の生態系が徐々に戻りつつある。世界遺産登録に向けて、豊かな自然環境を守るとともに、責任を持ってペットを飼う大切さも訴えていきたい」と話している。 (2013年5月14日 読売新聞)
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