福島第一原発の事故以降、テレビなどで被曝量の限度を定める国際基準「1ミリシーベルト」を厳守することを主張してきた中部大学の武田邦彦教授。旭化成工業でウラン濃縮研究所所長を務めたこともある教授は、放射能の専門家として数々の危険性を指摘してきた。
9月4日に放送されたテレビ番組「たかじんのそこまで言って委員会」では、東北地方の野菜や牛肉を「健康を害するから捨ててもらいたい」と発言。名指しで危険性を言及された一関市が抗議する騒動にまでなった。そんな武田教授に、もはや放射性物質が広く拡散してしまった現在の被曝対策を聞いた。
まず第一に、「放射線量の高い地域から低い別のところに逃げること」が重要という。
「放射性物質は目に見えない、ごく小さいもの。大気中を漂い、雨粒とともに地表に降り注がれたため、地面に近いほど線量が高いんです。だから、4階以上に移ったほうがいい。コンクリートの建物が有効。木造はダメ、放射線を遮断できませんから」
とはいうものの、現在の住居から上記の条件へ引っ越すことがすぐにできる人など、そうそういるものではない。では、今までどおり暮らしながらどんな点に気をつければいいのか。
「キレイに掃除すること。ポイントは床と壁、換気扇、エアコン。ここを掃除しただけで被曝量を3分の1に減らせます。セシウムは水に溶けやすい性質を持っているので、から拭きではなく水拭き。ダニ除去剤を使うとさらに効果的です。掃除のときはビニール手袋とマスクを忘れずに。使った雑巾はビニール袋に密封して捨てる。掃除機だと排気で放射性物質が舞い上がってしまいますから、カーペットは粘着シートでコロコロ。放射性物質は黄砂や花粉と同じなので、家に入る前に払い落とすだけでも随分違います」
また、人間には放射性物質を体内に取り込んでも治癒する力があるという。だが、それには酵素などの修復材が必要。酵素をつくり出すには、バランスのよい食事と十分な休養を取ること、それと朗(ほが)らかに生活することが免疫力を高めるコツとのことだ。
「被曝した後は自然治癒力が最も強くなります。引っ越せなくても放射性物質の少ない場所に移動し、しばらく体を休めるのがいいでしょう。被曝量が減るだけでなく、回復力が働きます」
過剰反応しすぎだと何もしないでいるか、10年後の自分のために今から少しでも被曝量を減らす対策を続けていくか、今が決断の時だ。