
産業能率大学客員教授 西野嘉之
慶応義塾大学大学院博士課程理工学研究科修了。07年に企業価値検索サービス『Ullet(ユーレット)』を開発。現在は産業能率大学の客員教授として教鞭をとるとともに、新聞・雑誌などで執筆活動を行うなど、多方面で活躍中。

ユーレットとは?
上場企業約4000社の決算書(財務諸表)や関連ニュース、大株主などの情報を、ワンクリックで表示。各企業の財務データをビジュアル的に把握できる、無料のサービスだ。
東京証券取引所が主催する、株式投資に興味を持ってもらうためのアイデアを自由に表現するコンテスト「ソーシャルかぶコン2013」のサイトに、Dr.西野の動画が公開中! くわしくはこちら
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急成長企業を襲う不正アクセスの魔の手
PC眼鏡で躍進するジェイアイエヌは5月1日、不正アクセス(JINSオンラインショップ)に関する調査結果の最終報告を発表した。事故の原因は、第三者がオンラインショップのシステムに使用していたミドルウェアの脆弱性を利用してシステムに不正に侵入し、ファイルの変更権限を不正に取得したことによるものだという。
どういうことかというと、確かにセキュリティに関してはクレジットカード決済システムの国際的なセキュリティ基準である「PCIDSS」への準拠と、画面遷移型のクレジットカード情報非保持サービスを採用していたのだが、裏口の勝手口の鍵が、簡単な鍵だったため泥棒に入られてしまったということなのだろう。
システム構築をしていくうちに色々なシステムが組み合わさってくる。そうすると全体としてのセキュリティを考えなければ泥棒に入られてしまうのである。「うちは高いセキュリティレベルのソフトを採用しているから安心です。」とシステム担当者に言われると、こちらが不安になることがある。セキュリティに絶対はない。しかし、最大限の防御は必要であろう。
世の中にはまだまだセキュリティが甘いシステムは存在する。ではなぜジェイアイエヌが狙われたのか? 今回のように、PC眼鏡で躍進したからこそ狙われた可能性が考えられる。今注目されている企業の情報セキュリティを破れば、話題となりニュースになる。企業が成長していく中で、全くトラブルがないということはあり得ないだろう。注目されればされるほど、色々なことが起こり得る。そう考えると、それだけジェイアイエヌに今、勢いがあると言うことなのかもしれない。
最新号のメルマガでは、急成長しているジェイアイエヌの秘密を分析している。
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