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「東北六魂祭」今年限りか 運営者示唆、未開催3市困惑
東日本大震災からの復興をテーマに東北6県の祭りが集まる「東北六魂祭」が、6月の福島市での開催を最後に終わる可能性のあることが分かった。実質運営者の電通パブリックリレーションズ(東京)が示唆した。六魂祭は2011年に仙台市で始まり、翌年に盛岡市で開かれ、今年で3回目。被災3県での開催で打ち切りとなり得る事態に、開催継続を望む未開催の青森、秋田、山形3市は困惑している。
同社の担当者は取材に対し「現時点では次回以降開催しない可能性がある」と述べた。 理由は明らかにしていないが、スポンサーの減少や、会場の交通規制をめぐる地元自治体との交渉の負担が重いことがネックになっているという。山形市幹部の話では、日本海側の開催だと集客が思うように望めないことも一因になっている。 仙台市によると、六魂祭を始めるに当たり、同市での初回開催は決定されたが、それ以降の開催回数や開催地の順番は明確には決まっていなかったという。今年で被災3県での開催が一通り終わり、来年以降の開催が懸案になっていた。 6市の市長が昨年10月に集まり、六魂祭が復興の象徴で経済的効果も大きいことを確認し、「福島開催後も未開催の青森、秋田、山形の3市で開き、6県を一巡すべきだ」と電通側に開催継続を申し入れた。 山形市は「今回で終了したら、祭りで一丸となった東北復興の精神が損なわれる」と打ち切りに反対する。秋田市は「未開催3市は東北一巡開催に向けて要望し続けた。これで終わるのは考えられない」と困惑。青森市は「青森県も被災地。開催を続けて一巡してほしい」と望んでいる。
[東北六魂祭]青森ねぶた祭、盛岡さんさ踊り、仙台七夕まつり、秋田竿燈まつり、山形花笠まつり、福島わらじまつりが一堂に会する震災復興イベント。主催者は東北の県庁所在地の6市で、電通パブリックリレーションズが運営事務局を担う。仙台市での初回は約36万人、盛岡市での2回目は約24万人が訪れた。経済効果は20億円を超すと言われる。福島市では6月1、2日に開かれる。
2013年05月12日日曜日
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