田中将大のピッチング（多重露光で撮影）

＜ＤｅＮＡ3-7楽天（14日）＞楽天・田中が１４日のＤｅＮＡ戦（横浜）に先発。自己最速タイの球速１５５キロを記録する快投で無傷の６勝目を飾った。

「狙うのは勝ち越しじゃない。優勝です」と堂々の優勝宣言をして臨んだ交流戦初戦。その言葉どおりエースが豪腕をうならせ、チームに勢いをつけた。

　味方が１ー１の同点に追いついた直後の４回だった。二死三塁で打席には好調の多村。フルカウントからの６球目だ。バックスクリーンには「１５５キロ」の表示。自己最速タイだ。沢村賞を獲得した１１年６月１５日の広島戦（マツダ）７回に二度記録して以来の剛速球。速球はファウルにされ、その後多村を四球で歩かせたが、続く石川を二ゴロに料理してピンチを切り抜けた。

　全力投球で味方の勝ち越し打を呼び込んだ。ピンチをしのいだ直後の５回、ジョーンズが三浦の外角スライダーをバットに乗せ、右翼席最前列に６号３ラン。一、二打席ともにスライダーで打ち取られていた助っ人は「スライダーをマークしながら打席に入ったよ。ここまでになかった感じでスライダーが高めに浮いてきたんだ。自分のスイングができたね」とドヤ顔。これには、ベンチ前でキャッチボールをしていた田中も笑顔でガッツポーズだ。

　２回にブランコに先制弾を献上したものの、その後は圧巻の投球。ピンチを背負っても落ち着いたマウンドさばきで得点を許さなかった。６回には犠打でつなぎ、松井の適時打をアシスト。エースは“打”でもチームに貢献した。

　これでハーラー単独トップの６勝目。絶好調の田中がチームを初タイトルに導く。