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保育所の給食、卵・乳製品を除外…北海道千歳市
北海道千歳市は、給食の際にアレルギー児童に誤って配膳するミスを防ぐため、市内すべての保育所の給食から、卵と牛乳・乳製品を除外することを決めた。
同市立末広保育所で3~4月、配食ミスが相次いだことを受けた措置で、6月から実施する。ただ、卵や牛乳は、成長期の子供に必要なたんぱく質やカルシウムなど多くの栄養素を含むだけに、一律で除外するという同市の対応に、専門家の意見は分かれる。
この方針は、同市が9日の市議会厚生環境委員会で公表した。市立保育所2か所のほか、民間保育所7か所についても同意を得て実施する。市内9保育所には、アレルギーを持つ子供が計57人いるが、卵や乳製品をすべて除外することで、31人は給食をそのまま食べることができるようになる。除外対象は調理用の食材で、飲み物としての牛乳はアレルギーのない子供に提供し続ける。小麦など他の食材にアレルギーを持つ子供には、代替食や除去食で対応する。小中学校は対象としない。
同市の対応について、北海道文教大学(北海道恵庭市)の佐藤薫教授(健康栄養学)は「給食から一律で除外するという対応は聞いたことがない。卵と牛乳は、成長期の子どもに必要な多くの栄養素を含む。すべての子供の給食から一律に除外してしまうと、栄養が偏るという別の問題を生じかねない。アレルギー対策は個別対応を徹底するのが原則で、慎重な対応が求められる」と話す。
一方、日本アレルギー学会専門医の多米淳・円山ため小児科院長は「栄養的に他の食物で補うことは可能だろう。誤食のリスクをゼロにするためならあり得る方法だ。ただ、他の食物でエネルギーを補えることなどを、市は保護者らに対し、丁寧に説明する必要がある」と注文する。
同市は「卵や牛乳を使わなくても、バラエティーがあって栄養も満たす献立は可能だ」と説明している。
(2013年5月10日 読売新聞)
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