(セ・パ交流戦、阪神0-1オリックス、1回戦、オリックス1勝、14日、甲子園)明日へつなげる、不屈の一打だった。交流戦5連敗スタートだった昨季との大きな違いは、新井のバットから快音が響き続けているということだ。0-1の九回二死から意地の右前打を放ち、5月1日の広島戦(甲子園)からの連続試合安打を「11」とした。
「ボールが動いていた。対応しないといけない。またあしたです」
初対面の先発ディクソンの前には3打数無安打2三振。悔しさが口をついたが、最後までファイティングポーズを崩さなかった。「あと1人」としてクローザー平野佳に食らいつき、133キロのフォークをフルスイング。低く強く伸びた打球は、スライディングキャッチを試みた右翼・川端のグラブを弾いた。続く代打・桧山が倒れ、得点こそならなかったが、希望は見せた。
全11試合で安打している5月は打率・381(42打数16安打)で打点17、5本塁打と驚異の数字をたたき出している。昨季の同月が打率・207(87打数18安打)で7打点、1本塁打だったことを考えると雲泥の差だ。
今年の虎は、新井は違う。最後の最後に見せた一振りにも、希望が詰まっていた。
(紙面から)