憲法と、
岐路に立つ憲法。その60年余を見つめ直します
【政治】生活保護法 改正案 野党、専門家ら批判政府の生活保護法改正案に、ほとんど議論されていない申請要件の厳格化が盛り込まれていた問題で十四日、野党や関係者、専門家の批判が強まった。(上坂修子) 田村憲久厚生労働相は記者会見で「今まで運用でやっていたことを法律に書くというだけの話。それほど運用面では変わらない」と問題はないとの考えを示した。 民主党の社会保障と税の一体改革調査会は厚労省から意見を聴取した。厚労省は田村氏と同じく「省令や通知に基づき同様の運用をしている。今後も変わらない」と説明した。 民主党の山井和則厚生労働部門会議座長は「現状と変わらないのなら、なぜ法制化するのか」と追及。長妻昭元厚労相は「生活保護は国民を助ける救命ボート。不正受給を取り締まるあまり、本来の制度の趣旨まで殺してしまうのは本末転倒だ」と批判。民主党は法案審議で追及する方針だ。会合には有識者も出席。改正案の基になった報告をまとめた厚労相の諮問機関・社会保障審議会「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」の委員だった藤田孝典氏(NPO法人ほっとプラス代表理事)は厳格化に関し「部会では慎重であるべきだということだった。議論なき改正だ」と指摘した。 生活に困っている人を支援するNPO法人自立生活サポートセンター・もやいの稲葉剛代表理事は「(改正案は)今の(申請者の)取り扱いと全く違う」と指摘。改正案が資産や収入の書類添付を義務付けたことについて「生活に困窮している人ほど、資産などの書類は容易に用意できない。困窮度の高い人ほど窓口で排除される」と懸念を示した。 特別部会は二〇一二年四月に制度見直しの議論を開始。計十二回の会議を経て、今年一月に最終報告をまとめた。報告を基に厚労省が改正案を作成。今月十日、自民党に示された改正案には報告で触れられていない厳格化の条文が入っていた。 PR情報
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