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'13/5/15

鞆のまちづくり連携を確認



 広島県の湯崎英彦知事と福山市の羽田皓市長は14日、県が埋め立て・架橋計画の撤回を決めた鞆町のまちづくりについて県庁で会談した。トップ会談は昨年6月以来ほぼ1年ぶり。停滞しているまちづくりを前進させるため、関係が冷え込んでいた県と市が連携していくことを確認した。

 非公開で約40分にわたり会談。城納一昭副知事や堀径扇副市長、県、市の担当部局長も同席した。県と市によると、鞆のまちづくりは急務との認識で一致。生活利便性の向上や安心・安全確保につながる事業の早期実現を目指して協力することを確認した。

 県が架橋撤回の代替措置として打ち出している山側のトンネル整備案については議題にしなかったという。

 江戸時代の風情を残す鞆港の架橋計画をめぐっては、湯崎知事が昨年6月に羽田市長に撤回を伝達。架橋を推進してきた羽田市長は事実上受け入れつつも「今後は県に協力しない」としていた。

 県は昨年7月に地元で説明会を開いたが、架橋推進派の住民の大半が欠席。その後は説明会さえ開けず、まちづくりは停滞していた。ことし2月、知事と懇談した架橋推進派から「市と協力して事態打開を」と求める声が出たのを受け、トップ会談を調整していた。

 ほぼ1年ぶりの会談を終えた両者は別々に記者会見した。羽田市長は「まちづくりが膠着(こうちゃく)状況に陥るのは本意ではない。県の方針転換を容認できない気持ちは変わらないが、課題解決へ動きだすための役割を担う」と述べた。

 湯崎知事は「地元には架橋が実現しないなら、何もしてもらわなくていいという強硬意見もある。市に住民との対話の環境づくりで協力してもらえればありがたい」と期待感を強調した。

【写真説明】鞆町のまちづくりをめぐり協議する羽田市長(左列手前から2人目)と湯崎知事(右列同)




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