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東北電 女川防潮堤15メートルに 15年度内かさ上げ
東北電力は14日、女川原発(宮城県女川町、石巻市)敷地内の防潮堤を現在の高さ3メートルから約15メートルまでかさ上げする計画を発表した。敷地の海抜(約14メートル)を考慮すると、同社が新たに想定した最大津波(高さ23メートル)からも施設を防御できるという。2015年度内の完成を目指す。 海抜を含めた原発の防潮堤の高さとしては、浜岡原発(静岡県)で建設中の防潮堤(高さ約22メートル)を上回り、国内最大となる見込み。東北電は原子力規制委員会が7月に導入する新規制基準を視野に安全対策を進める。 東北電によると、女川原発の既存の防潮堤の内側に直径2.5メートルの鉄製の柱とコンクリート製の板を使った防潮壁を建設。総延長は約800メートル。うち敷地北側の約120メートル分はセメント改良土で敷地もかさ上げする。事業費は非公表。 同社は昨年4月、東日本大震災で東京電力福島第1原発を襲った津波(高さ約15メートル)を想定し、高さ3メートルの防潮堤を整備。最新知見で最大津波が約23メートルになることが判明し、かさ上げを決めた。 東北電の海輪誠社長は記者会見で「対策を地域住民の安心感につなげたい」と述べ、16年度以降に計画する女川原発の再稼働に意欲を見せた。 東通原発(青森県東通村)に、原子炉格納容器の圧力上昇を防ぐフィルター付ベント(排気)装置と緊急対策拠点の免震重要棟を新設する計画も発表。フィルターベントは15年3月、免震重要棟は16年3月の完成予定。
2013年05月15日水曜日
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