岩手のニュース
巨大防潮堤、復旧スタート 地盤沈下部分かさ上げ 宮古田老
| 本格的な復旧工事が始まった防潮堤の第2線堤 |
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東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた岩手県宮古市田老地区の防潮堤(総延長2433メートル)の本格的な復旧工事が14日、始まった。X字形の2重の防潮堤のうち、地盤沈下した陸側の第2線堤を平均70センチかさ上げする。
第2線堤は構造物自体は損壊しなかったが、地盤が最大90センチ沈下。延長1050メートルのうち水門部分を除く965メートルをかさ上げする。幅数メートルの防潮堤最上部の海側にコンクリート壁を並べ、震災前の高さ(海抜10メートル)に調整する。 工事は岩手県が9月25日までの工期で実施。事業費は約6770万円。当初、3月下旬の着工を予定していたが、資材不足などのため遅れていた。初日は、これまで設置されていた転落防止のコンクリートブロックの撤去作業などを行った。 県によると、津波で大きく損壊した海側の第1線堤の復旧工事は年内の着工を目指す。第2線堤と接触する部分で津波が高さを増し、堤体を越えたと言われていることから、計画では第2線堤から約70メートル海側に離した上で、海抜14.7メートルの高さにする。 防潮堤は国内最大級で「万里の長城」とも呼ばれた。昭和三陸大津波の翌1934年に着工、79年に完成した。
2013年05月15日水曜日
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