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再処理工場「A系炉」試験始まる
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日本原燃は8日、2006年から進めてきた六ケ所再処理工場のアクティブ試験(最終試運転)について、A系統ガラス溶融炉の本格的なガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)製造試験に着手した−と発表した。実際の高レベル放射性廃液(実廃液)を投入、使用前検査受検前の最後の主要工程となる。試験期間は1カ月程度とみられ、順調に進めば今月末〜6月初旬に終了する予定。
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8日午前6時50分から始めたA系統炉の本格試験では、炉の温度が安定した状態で連続運転が可能かどうかを確認する「安定運転確認」と、1時間当たり70リットルの高レベル放射性廃液を供給して、溶融炉の最大処理能力を確認する「性能確認」を実施する。ここでは、炉内の洗浄運転で生じる分を除いて25本の固化体を製造する。
原燃は本格試験に先立ち、溶けたガラスの流下確認作業などを実施。溶融炉内に異物の存在を確認したが、流下に影響を与えるものではなかったという。
A系統炉で実廃液を使用した試験は08年以来。当時は炉内の温度管理がうまくいかず、流下不調などのトラブルが頻発、長期の試験中断に追い込まれた。
もう一つのB系統炉は今年1月に本格試験が終了。B系統炉では本格試験へ移行する前に、供給電力量とガラス温度の変化などを確認する「立ち上げ運転」を行ったが、A系統炉では「使用する廃液が同じ」(原燃)ことから実施しない。原燃はA系統炉の試験終了後、両系統炉の試験の評価結果を取りまとめ、国に報告する予定。
再処理工場は、国の使用前検査を経て10月に完工する予定。原燃にとっては、1993年4月の着工以来、ようやくゴールが見えてきた形。しかし、原子力規制委員会は12月に施行する核燃料サイクル施設の新規制基準に適合しない限り、使用前検査を実施しない方針だ。
川井吉彦社長は4月下旬の定例会見で「10月完工は厳しい」との認識を示しつつ、現時点での工程変更を否定している。
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