山口朝鮮学園:下関市が補助金交付見合わせへ
毎日新聞 2013年05月14日 20時37分
山口県下関市は、市内の山口朝鮮初中級学校を運営する山口朝鮮学園への今年度の補助金交付を見合わせる方針を明らかにした。ミサイルや核実験など北朝鮮の動向に加え、山口県が補助金計上を見送ったためで、市教委は「補助金交付は市民の理解が得られないと判断した」という。一方、学園側は14日、同校で記者会見を開き「不交付の理由は極めて曖昧で不当。即時撤回と補助金交付を要望する」とする抗議声明を発表した。
市の方針は5月臨時議会で明らかにされた。市教委によると、補助金交付は93年度からで、2013年度も25万4000円を当初予算に計上していた。
山口県も95年度から補助金を交付してきたが、政府が朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としたことなどに歩調を合わせ、今年度は当初予算に補助金を計上せず、交付を見送った。
同校には児童・生徒42人が通学。記者会見で鄭万石校長は「教育と政治は別次元の問題。人権侵害で断固抗議したい」。同校オモニ(母親)会の李和淳副会長は「なぜ子どもたちに矛先が向けられるのか。残念で憤りを感じている」と話した。【西嶋正法】