【野中正治】阿蘇中岳で夜に火口を見学するツアーが行われており、熊本県阿蘇市や気象台、警察などでつくる阿蘇火山防災会議協議会(会長、佐藤義興阿蘇市長)が対策に頭を悩ませている。夜間の火口付近への立ち入りは禁止としているが、あくまで自主規制で法的な効力はなく、業者側は「安全対策をしている」として今後も続ける意向を示している。
14日、阿蘇市で開かれた同協議会で、夜間見学ツアーをした観光業者に対し、抗議文を送っていたことが報告された。協議会事務局によると、観光業者は熊本市東区の観光会社。昨年12月、「阿蘇山 中岳火口ナイトハイクと免の石トレッキング」と題した1泊2日のツアーを、20組限定で2回募集して実施したという。
中岳火口周辺への立ち入りは、同協議会が決めた常時立ち入り禁止区域のほか、火山ガス濃度に応じて随時規制している。夜は立ち入り禁止にし、火口に通じる道路のゲートを閉鎖している。昼間は監視員がいて、警察もパトロールなどをしているが、夜間は無人になる。
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朝日新聞社会部