2013年05月02日
地域住民が応援する大会こそ理想
4月28日に幕を閉じたウルトラトレイル・マウントフジ。161kmに及ぶ壮大なトレイルランニングレースは、数えきれないほどの関係者やボランティアに支えられており、その数は1,000人超と言われています。 外国人ランナーも増え、レースは成功裡に終わったように見えますが、A5の水ケ塚公園の手前あたりでしょうか。選手と住民の間でトラブルがありました。 「こんなレースをするなんて今日の今日まで聞いていなかったし、(鈴が)うるさい」と、住民がトラックと乗用車で道路を封鎖し、選手を通せないようにする事態が発生しました。 これに怒った選手の中には住民に「通せ」と怒号を浴びせたり、大声で通行を懇願するする形が見られました。状況を理解できなかった外国人はこの状況を避けようと森の中に入り、先を行こうとしていました。実際、森の中を通過して先を急ぐ日本人選手もいました。こうした選手に対し、住民は「器物損害だ」と声を荒げ、携帯でどこかに電話をかけ始めるなど、状況はいっこうに好転せず、しばらくこう着状態が続きました。この間もランナーは増え続け、バリケードされた道に膨れ上がりました。 「No, No。ダメだ、ダメ。そんなことをしたら来年レースが開かれなくなる。決められた道を守らないとだめだ」。多くの選手が来年の開催を願い、コースを外そうとした選手を制止しました。しかし、現場には住民と選手しかいないため、打開策がありません。 どう考えてもこの状態が長く続くはずはなく、先を急ぐ選手が森に入ってロードを避けるか、バリケードを無理矢理突破するかの二者択一であることは明白でした。 15分ほどたったでしょうか。結局は後者となり、トラックと乗用車の間のわずかな隙間に選手がなだれ込みました。 地帯は別荘地域です。もしかすると、住民は週末を利用して富士山麓での滞在を楽しみにしてやってきた人たちかもしれず、そうだとしたらこの大会の実施を知るチャンスがなかったのかもしれません。 UTMFなど山の中で競われるトレイルランニングはマラソンなどと違って住民と接する機会がなく、理解が得られるまでには時間を要します。しかし、出場する選手、応援する人、ボランティア以外に、そこに住む住民が大会の主旨を理解してくれ、一緒に参加してくれる形こそ理想的な大会運営です。 UTMFの最大の苦労は、道がないところにコースを設営し、10の市町村を結び、警察、自治体、環境省、諸団体など多数の組織に許可を得る作業だったと、ウルトラトレイル・マウントフジ実行委員会事務局長の岡嶋智己氏は述べています。 継続は力なり。UTMFも他の歴史ある大会同様、地域住民に手を振って応援される大会になることを願います。 別荘のあるロードを通過する選手たち 住民ともめる選手たち
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posted by sportstour |17:33 |
トレイルランニング |
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