自衛隊の装備品について、納入した民間メーカーが表に立ち、開発の舞台裏などを語るのは極めて異例なこと。今回、自衛隊ブースに参加した民間企業関係者は、三菱重や日本製鋼所に加え、オートバイを納入する川崎重工業など10人ほど。引き連れてきた大塚1等陸佐は、こう話す。
「これも広報姿勢を変えていこうという方針の表れ。自衛隊だけでは防衛はできない。自衛隊と防衛関係企業はクルマの両輪であり、国産技術があって初めて、安全が保たれているということを見ていただこう、知っていただこう、という狙いです」
■「若い人にも防衛のことを考えてほしい」
連れてこられたメーカー関係者はどういう思いなのか。「我々が戦車を造りましたよ、と話すのはこれが初めて。こっちがやりたくても、勝手にやったら『このやろう』と大変なことになりますからね」と話す三菱重の織田事業部長は、こう続ける。
「今回、防衛省からいわれて、協力しますよっていったのは、我々が出ていっていろんな話をすることで、防衛への理解が深まるだろうし、いろんな議論にもつながると思ったから。そもそも防衛って何なんだろうか、とか、若い人にも考えてほしいんですね。防衛産業の一員として、そういう機会があるんだったら、話してもいいんだったら、(超会議に)いこうよって」
国内の防衛産業は、毎年、軍事関連の国際展示会などでアピールしている欧米の防衛産業とは違い、裏方、黒子に徹してきた。一方で、自分たちも防衛の一翼を担う者として世間とかかわりを持ちたい、という思いも抱いてきた。その場が、超会議で初めて与えられた。
では、実際に参加してみてどうだったのか。織田事業部長はいう。
■「若い人の世論形成に少しでも役立てるんだったら」
「息子や娘にいったら、なんでお父さん、そんなのに出るのって驚かれましたけれど、僕はニコ動や超会議のことは何も知りませんでした。大学生とか高校生の世代にしてみれば当たり前かもしれないけれど、僕ら50を超えたおっさんにしてみれば、何それ、っていう世界」
「でも、きてみて、若い人が戦車の周りで写真を撮ったりしているのを見て感じたのは、みんながどれだけ防衛のことを理解しているか知らないけれども、実際に見て分かることってあると思うし、聞いてなるほどねって思うこともあると思う。いまの中高生、大学生、若い人の世論形成に少しでも役立てるんだったら、僕らもどんどん協力したい。そういう気持ちですよ」
米ニュースサイト「ザ・ハフィントン・ポスト」と朝日新聞社は7日、日本版「ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン」のサービスを開始した。米ザ・ハフィントン・ポスト・メディアグループのプレジデント兼編集長の…続き (5/7)
自衛隊が若い世代向けの情報発信を強めている。4月27、28日に幕張メッセ(千葉市)で開催された大規模イベント「ニコニコ超会議2」。数ある参加企業・団体のなかでも自衛隊ブースは異彩を放ち、「変わる自衛…続き (5/6)
各種サービスの説明をご覧ください。
・「片山の変」シャープ救えるか 奥田体制1年で終了
・JVCケンウッド、監視カメラの海外市場を本格開拓
・三菱自、ディーゼルエンジンの生産能力倍増へ
・東京ガス、工場蒸気設備の効率化支援
・スターツ、防災マンション年5棟、積層ゴムで免震…続き