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事件
【なりすましウイルス】記録媒体に「完全犯罪したかった」 ネットにも痕跡 逮捕から2週間
真犯人は第三者のPCをウイルス感染させ、ネット掲示板経由で犯行予告などを遠隔操作していたが、この掲示板に片山容疑者の派遣先のPCから、匿名化ソフト「トーア」を使わずに接続するミスを犯していたことも分かった。
敏腕弁護士登場
真犯人は記録媒体の中で「完全犯罪をしたかった」と、ウイルスやトーアを使った理由を説明。片山容疑者が1月に処分した携帯電話には、江の島のネコの写真が一時保存されていた痕跡があり、証拠隠滅を図った可能性もある。
また、片山容疑者宅から押収したPCには約2年前、自殺予告メールで使われたのと同じアニメキャラクターの人形をネットで購入した記録も残っていた。
一方、片山容疑者は正月に江の島に行ったことは認めたが、「ネコに首輪は付けていない」と主張。接見した弁護士は、足利事件で再審無罪判決を勝ち取った敏腕の佐藤博史氏。合同捜査本部にとっても“強敵”だ。片山容疑者は佐藤弁護士にも「真犯人は別にいる。真犯人は名乗り出てほしい」と訴えたという。
記録媒体内にあったウイルスのソースコード(設計図)も、「自分は(ウイルス作成に使用されたコンピューター言語の)『C♯』では作れない。その技術がない」と否認している。
「恨んでいない」
真犯人は誤認逮捕された男性4人のうち3人と、愛知県内の会社のPCを遠隔操作ウイルスに感染させたとしていた。ところが、昨年8月29日のアイドルグループの襲撃予告は神奈川県内の男性のPCから送信されており、5件目のウイルス感染だった疑いが強い。
真犯人は「以前、事件に巻き込まれた」「警察・検察を嵌(は)めたかった」と動機を説明。片山容疑者は平成18年、ネットでの脅迫罪などで実刑判決を受けたが、弁護人には「警察や検察に恨みを持ったことは一度もない」と話している。
片山容疑者は現在、合同捜査本部の取り調べに応じていない。弁護士側は「違法な取り調べが行われており、録音・録画をしなければ取り調べに応じない」として、留置場から出ないように助言。片山容疑者は“籠城”しているという。
捜査関係者は「否認は想定の範囲内。否認したままでも、起訴できるだけの証拠をしっかり固めたい」と強調している。
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