名護・大浦湾で国内初確認のカニ

2013年5月12日 10時04分

 【名護】名護市の大浦湾などで活動するダイビングチーム「すなっくスナフキン」に所属する、琉球大学大学院理工学研究科海洋環境学専攻の藤井琢磨さん(26)が、このほど同湾でトゲコブシガニ属のカニの一種を国内で初確認し、同チーム代表の西平伸(しん)さん(55)=同市瀬嵩=の名前から「ニシヒラトゲコブシ」と和名を付け、オンライン学術誌に発表した。

 同種はオーストラリアから台湾にかけて分布が知られているが、国内では初確認で分布の北限も更新した。もともと大浦湾に生息していたのか、生息域が広がっているかは不明という。体は薄いピンク色で甲にはモザイク状に、朱色の模様が入り、甲長は約1・5センチ。ほぼ円形の甲の縁にある9本の細長いトゲが特徴。

 藤井さんは2011年8月20日に、大浦湾の瀬嵩集落沖合約400メートル、水深15メートルの海底で同種を発見。甲殻類に詳しい琉大熱帯生物圏研究センターの成瀬貫助教と共同研究し、今月7日付で、琉球列島の動物に関する情報を掲載するオンライン学術誌「Fauna Ryukyuana」に発表した。発見場所は、米軍普天間飛行場の移設先として埋め立てが予定されている辺野古の海域の近く。

 5年前から同チームで泳いでいるという藤井さんは「西平さんは地元の自然を深く愛していて、大浦の海で泳ぐきっかけをくれた。国内では、この和名が使われることになる」と感謝の気持ちを込めた。西平さんは「新種の発見などもチームの目的の一つで、続けていく楽しみにつながる。自分の名前(が使われるの)はうれしいけど、恥ずかしい」と喜んだ。

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