◇アユモドキと共存

　建設予定地周辺に国の天然記念物で絶滅危惧種の淡水魚「アユモドキ」が生息する京都スタジアム（仮称）を巡り、府と亀岡市は１日、環境保全専門家会議の初会合を同市役所で開いた。

　京都大や京都学園大などの魚類研究者、水工水理学者ら１０人で構成する会議の委員のうち７人が出席。座長に村上興正・府環境審議会委員を選び、アユモドキの保全状況の概要説明を受けた後、ＪＲ亀岡駅北側の建設予定地を視察した。この日の会議には、府と市の担当者のほか、オブザーバーで環境省や文科省などからも列席した。

　会議はスタジアムとアユモドキの共存のために必要な調査や施設、工法などについて府や市に意見を具申する。

　府などによると、建設予定地は約１２・８ヘクタール。このうち約３・６ヘクタールをアユモドキとの共生ゾーンとする。１５年度着工、１６年度完成の予定。

　スタジアム建設をめぐっては、日本魚類学会などが「共生ゾーンの効果は疑問」として、計画撤回の要請書を府と市に提出している。【富永浩三】