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【大リーグ】

黒田、怒りの今季5勝目 降板時の球審のひと言に“キレた”

2013年5月14日 紙面から

◇ヤンキース4−2ロイヤルズ

 【カンザスシティー穐村賢】黒田が球審と一触即発!? の黒田博樹投手(38)は12日(日本時間13日)、敵地でのロイヤルズ戦で7イニング2/3を6安打2失点に抑え、今季5勝目(2敗)を挙げた。8回途中の降板時には、直前のストライク、ボール判定をめぐってラス・ディアス球審(50)と言い争いになるなど、常に冷静沈着なベテラン右腕が珍しく激高する場面も。ジラルディ監督らが取りなし、事なきを得たが、「真のプロ」と言われ、“求道者”的側面を持つ男の逆鱗(げきりん)に触れる発言が同球審からあったようで、普段は寡黙な仕事人も聞き捨てならなかったようだ。

 普段は温厚な男が珍しく球審ににじり寄った。8回の降板時、ディアス球審から耳を疑うような言葉を浴びせられると、黒田もけんか腰になり、一言、二言−。一触即発の険悪なムードが流れた。周囲の取りなしで収束し、試合後は黒田も不問に付したが、現場は一瞬凍り付いた。

 同球審は「彼(黒田)に聞いてくれ」と多くを語らなかったが、常に「今日が最後のマウンド」と期し、一球一球に全身全霊を込める黒田にとって看過できない一言だったようで、「『その1球だけだろ』みたいなことを言われた。その1球を投げるために、こっちはたくさん調整をしている。(苦心の投球で)8回まで投げた投手に言う言葉かな」となおふに落ちない様子だった。

 伏線は降板直前の黒田の態度にあった。ゴードンへの3球目。自信を持って真ん中低めに制球したツーシームをボールとコールされると、不服そうなしぐさと表情で球審をにらみつけた。

 たかが1球、されど1球。黒田はその1球をきっかけにカウントを悪くし、結果、二塁打を浴びて降板の憂き目に遭っている。1球の怖さを痛いほど知り、その1球のために多くの時間と努力を費やしてきたことを否定されたようで、さすがの黒田も“大人”にはなれなかった。

 この日もツーシームとスライダー、シンカーなどを駆使し、両コーナーを丁寧に突く投球で6戦連続クオリティースタート(6イニング以上を自責点3以下)。抜群の安定感でチームを今季初の5連勝に導いたものの、実情は「何とかしのぎながら」の投球。最後に冷や水まで浴びせられ、どこか後味の悪さが残る今季5勝目となった。

 

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