広島県警三原署は１４日、自分の子供２人を刃物で殺害しようとしたとして、広島県三原市南方１の会社員、仲宗根正通容疑者（４９）を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。２人は病院に搬送されたが死亡した。仲宗根容疑者も自分の腹を刺し重傷。命に別条はなく、同署は今後、容体の回復を待って殺人容疑に切り替えて捜査する。

　三原署によると、同日午前２時ごろ、仲宗根容疑者から「子供を刺した」と１１０番があり、同署員が自宅に駆けつけたところ、高校生の次女遥さん（１７）と、中学生の長男正哉君（１３）が血を流して倒れていた。同容疑者は長男のそばに座り、近くに刃渡り約３０センチの短刀が落ちていた。同容疑者は「息子を刺した。娘も刺した。自分も刺した」と容疑を認めているという。

　同容疑者は３人暮らし。遥さんは２階洋室、正哉君は１階和室で、布団にあおむけに横たわっていた。

　同署によると、子供の教育方針をめぐり夫婦の意見が対立し、妻は今月上旬から別居して同市内の実家に帰っていたという。

　近所の男性は約２週間前、仲宗根容疑者から「妻が離婚話を突きつけてきた」と相談され、最近は「家を処分して（出身地の）沖縄に帰る」と話していたという。男性によると、同容疑者は遥さんがインターネットを通じて知り合った交際相手のことでも悩みを打ち明けたという。

　現場はＪＲ山陽線本郷駅の南西約１キロで、住宅や工場が建ち並ぶ地域。【高橋咲子、目野創】