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2013年5月14日(火)付

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もんじゅ処分―もう再開はありえない

原子力規制委員会が高速増殖原型炉「もんじゅ」の使用停止を命じる方針を固めた。中性子検出器など最も安全が求められる機器を含め、1万近い機器の点検を怠っていた。規制委による[記事全文]

パキスタン―混乱を周辺に広げるな

パキスタンの総選挙で政権交代が決まった。文民政権が初めて5年の任期をまっとうした。軍事クーデターや暗殺をくり返した過去と比べれば前進したと言える。しかし、その結果をかんたんに喜べない。[記事全文]

もんじゅ処分―もう再開はありえない

 原子力規制委員会が高速増殖原型炉「もんじゅ」の使用停止を命じる方針を固めた。

 中性子検出器など最も安全が求められる機器を含め、1万近い機器の点検を怠っていた。規制委による処分は当然だ。

 点検放置の背景には、原発の使用済み燃料からプルトニウムを再利用する核燃料サイクル事業の行き詰まりがある。

 国は一日も早くサイクル政策を捨て、もんじゅの廃炉を決めるべきだ。

 高速増殖炉は燃やした以上のプルトニウムができるとして、かつては「夢の原子炉」ともいわれた。だが、経済性が低く、各国は次々に撤退した。

 94年に運転を始めたもんじゅは、95年のナトリウム漏れ事故などでほぼ止まったまま。それでも、ナトリウムを熱して循環させることなどに年間約200億円を費やしている。

 事業主の日本原子力研究開発機構は、運転再開の旗を降ろさず、09年にそのための点検計画をつくった。しかし翌年から放置が始まっていた。

 原発事故でサイクル政策自体が宙に浮いているうえ、直下に活断層がある疑いも出ている。近い将来に運転再開が望める状況にはない。

 もんじゅの所長は、朝日新聞の取材に「現場はいつ運転再開するか分からず、いつまでに点検すればよいのか、組織全体で認識を共有していなかった」と語った。目標を見失った組織のゆるみは明らかだ。

 鈴木篤之・原子力機構理事長の責任は大きい。

 もんじゅでは、旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の時代から事故隠しなどが何度も問題になった。旧日本原子力研究所(原研)との統合後、安全研究畑の理事長が就くことが増え、鈴木氏も東大教授、原子力安全委員長を経て、10年から理事長を務める。

 だが、今回の点検放置について鈴木氏は、原子力規制庁長官から報告命令を受けた際、「形式的なミスはやむを得ない」と口走った。トップがこの程度の認識では、安全文化を定着させることはできまい。

 原子力機構は、原子力安全の研究でも国内有数の組織だ。

 私たちは社説で脱原発を主張しているが、もんじゅを含め原発やその関連施設は「止めれば終わり」ではない。

 原子力の研究者や技術者は、安全な後始末のために使命を担ってもらいたい。

 国はそうした観点から、原子力機構の組織と意識を抜本的に改める必要がある。

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パキスタン―混乱を周辺に広げるな

 パキスタンの総選挙で政権交代が決まった。文民政権が初めて5年の任期をまっとうした。軍事クーデターや暗殺をくり返した過去と比べれば前進したと言える。しかし、その結果をかんたんに喜べない。

 総選挙では、野党だったイスラム教徒連盟シャリフ派が勝った。シャリフ党首が3度目の首相につく見通しだ。ザルダリ大統領の人民党は惨敗した。

 シャリフ氏は1990年代に政権に就いたとき、巨額の汚職や人権の抑圧で信頼を失った。最後は軍が介入し、国外追放になった。国を運営する能力に大きな不安がある。

 それでも国民が政権交代を選んだのは、深刻な経済への不満からだろう。

 産業は未熟で、停電は日常化している。失業率の高さや貧富の格差が改まる気配はない。

 武装勢力、パキスタン・タリバーン運動による与党陣営へのテロ攻撃も、シャリフ氏の追い風になった。

 ザルダリ政権は軍による掃討を進めた。その報復テロによる犠牲者は約150人に達した。

 選挙で、シャリフ氏はテロについて沈黙を守り、武装勢力との和解を主張した。もし票獲得への思惑があったならば許されない。民主主義を脅かす行動を非難すべきだった。

 テロをなくし、治安を落ちつかせることが、南アジアを安定させる重い課題だ。

 武装勢力がこもる北西部・部族地帯では麻薬や武器の密輸が盛んだ。隣国アフガニスタンのタリバーンも潜んでいる。

 シャリフ氏が言う武装勢力との真の和解ができればいいが、安易な妥協は、テロ組織を温存させかねない。対話に批判的な軍との緊張もうむだろう。

 米国との関係改善も難題だ。

 米国は対テロ作戦で、この国とアフガンの国境地帯で無人機による攻撃をし、パキスタン世論の反発を招いた。

 来年末には米欧軍がアフガンから撤退する。新政権が国境地帯の安定でつまずけば対米関係が悪化するばかりか、アフガンの和平実現も遠のく。

 パキスタンの経済と財政は、破(は)綻(たん)寸前だ。国際通貨基金の融資がなければ行きづまる。まず指導層が汚職と縁を切る。そして、大地主がにぎる農地を解放し、経済を担う裾野を広げなければ、成長の道はない。

 前回のシャリフ政権は、インドに続いて核実験を強行した。政情の不安は、核の脅威を世界に広げる恐れがある。

 新政権は、地道な政治で信頼を築いていかねばならない。

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