ステップの難しさ
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トラックバック先の「ステップの評価」の記事で、当初私が書いたステップの種類を後から訂正をしたのですが、その事について、当初の方が正しいと言う指摘がありました。
実はこのステップの解釈について、物理的な論理で厳密に行動原理で見ていくと、ますますわからなくなってきました。
そこで、これが正解と言う形ではなく、私の疑問をぶつける形の記事にします。
まずは、最初に判断した元となった、「小塚崇彦のフィギュアスケートラボ」で使用された説明用の画像です。
この説明画像では、回転軸の中心がどこにあるのかがはっきりとしません。
この事が、なぜ重要なのかを示した図が、トラックバック先の記事に追加した図です。
真ん中の「爪先が回転中心点」は書き間違いです。土踏まずが回転中心点です。
同じ回転方向でも、トレスの出来る位置が、変わってくる可能性が考えられるということです。
回転中心点を基準とした突起の向きが、同じ回転方向でありながら、内側に出来たり外側に出来たりする可能性があるということです。
現実的に世界選手権の選手でも、同じ進入方向（前向きか後ろ向きか）から同じＳ字を描いていて同じ反転方向（時計回りか反時計回りか）でも、回転軸中心は、上の3つのパターンがある事は確認出来ました。
ワールドクラスの選手であれば、靴のどの位置でも回転軸の中心として回転出来ると言う事だと思えます。
この点は、一般の競技者レベルで考えられる技術的な難度は違うのではないのかと思えます。
ターンの種類の疑問の一つには、カウンターにしてもロッカーにしても、エッジの傾きが反対になっても問題は無いのかということです。
①−ａ の場合だと、反転の前に一瞬 ＬＦＯ→ＬＦＩとなる気がします。
逆の場合だと、反転後に ＬＢＩ→ＬＢＯ と言う形の切り替えしが生まれる気がします。
正しいエッジとは何を指すのか？
また迷路にはまってしまいました。(~ヘ~;)ウーン
追記 5/11
コメント欄で言われている事はこういう形の動きだと言う事だと思います。
基本的な動きは、言われるとおりで覚えるのだとは思いますが、回転をするためには、必ずその形で無いと回れないという物理的な必然性に納得がいきません。
単純に身体のバランスの取り方がこの方がまわりやすいと言うだけで、バランスの取り方のうまい人なら、右から3番目と4番目の形が無くても回れると思えます。
普通の人では回れないと思えるような形で回れるからこそ技術が高いといえると考えます。
ブレーキをかけて回ると言うのではなく、身体の捻りを利用して回転するのであれば、物理的な考え方で行くと、原理的には回転中心はどの位置でも回れるはずだと言うことです。
点で接触をするので、トゥを使わない限りは、摩擦が起きるのは動摩擦であり、自然滑走での減速は動摩擦によるもののはずです。
身体の捻りは、滑走自体とは別の運動エネルギーが与えられるという事を意味します。
だからこそ回転が出来るということです。
スピードがあると、点で回転をしながら、回転中心点は固定点で移動しないで回転をするのではなく、移動しながら回転をするということになります。
丁度地球が、公転をしながら自転をすると言うのと同じ事になります。
エッジの傾きが変わらずに、突起部分が出来るのは、点で接触しているからといえます。
惰性による直進方向への動きに回転力が与えられるため、その影響で直進方向の動きが、少しずつ弧を描いて変化をするからといえます。
速度が速ければ早いほど、回転中心点は変化をしていなくても、見た目上の横滑りが大きく発生するということです。
回転しながらも、進行方向への動きが止まらないからこそ、横滑りは必ず生まれます。
横滑りが生まれない回転は、回転した後の滑走がなくなるということです。
進行方向への運動エネルギーが回転方向への運動エネルギーに全て置き換えられるなら、定点で回転をするということが物理的運動の意味です。
体感による説明を私はしていませんから、意味の理解しにくい部分はあるかと思います。
経験者の方たちが「そんな動きは不可能だ」ということは物理的に不可能という意味とはなりません。
運動原理上は、普通の運動制御では難しく思えても、理論上は可能となる運動だと言うことです。
「そんなことはできない」というのは、「物理的に不可能だ」というのと「人間の能力的に不可能だ」と言うのとは違います。
「物理的に不可能」というのは、どんな人でも出来ないということであり、「人間の能力的に不可能」というのは、個々の能力に依存するので、「全ての人に対して不可能」と言う意味にはなりません。
フィギュア経験者の方の意見の中には時折この部分に関しての傲慢さが見られます。
「確かに貴方にとってはそれが真実でしょう。けれどもそれが全ての人にとっての真実であるとは限らない。」
と言う点につきます。
競技としての技術評価とは、「通常では考えられない技術をどこまで可能としているか？」のはずです。
一般的な技術考察ではありえないと思われるような部分を持っているからこそトップレベルといえると思います。
私が焦点を当てているのはその部分だと言うことです。
当ブログの記事を読む場合、この部分の意味の取り間違いをしないようにして欲しいと思います。
かかと側から爪先側へと接触点が変化をする事は、物理的には新たな摩擦抵抗が生まれる事になります。
これは減速の原因となります。
人間の制御が可能かどうかを考慮せずに、減速をせずに回転をするのを考えるなら、同じ点で滑り続ける事が理想の動きだと言うことです。
反転をするための基本原理としては、回転中心軸と重心中心軸との距離が離れているほど、大きな力が反転に必要とされます。
けれども身体の制御の点で言えば、かかと側の方に人間の重心はあるので、かかと側に力を入れて回転をさせる方がやりやすいということになります。
土踏まずの部分では反転が出来ないというのは、力の制御がしにくいと言う意味であって、物理的に無理と言う意味ではありません。
すばやい反転をしようとすると、重心中心軸からなるべく離れた点を回転軸とする方がやりやすいと言う事ですが、同一線上での反転が物理的に不可能であると言う意味にはなりません。
裏を返すと、土踏まずの部分で反転が出来る人がいるならば、身体の振りを反転のエネルギーへと転換できる卓越した技術の持ち主であるといえると私は考えます。
コメント欄にある場合の典型的な例のＧＩＦアニメです。
ヤフーボックスで「オリジナルサイズで見る」をクリックすれば、アニメーションで見られます。
この例は、つま先側で滑ってきて、反転する時にかかと側を支点に爪先側を上げて反転しています。
理論上は、下図のような動きも可能であるということです。
ただしこの場合は、減速する可能性が高いから普通は行われないということだとは思います。
減速する事無くこの様な動きが可能であれば、非常に高い技術だといえると考えます。
そして私が疑問に思うのはこの様な場合の、ターンはロッカーとカウンターとではその定義と違うトレスになる可能性が高いと言う点です。
トレスが残るのは、言うまでも無くその部分に圧力がかかるためであり、そういう圧力をほとんどかけずに、ターンが出来るのであれば、トレス自体に突起部は出来ずに滑らかなＳ字が描けると言うことです。
そういう技術が存在する場合に、トレスに突起部が無いから正しいターンとは言えないといえるのか？
そういう部分に関しての技術的観点はどのように評価するのか？
「ありえない」ではなく、そういうものが生まれた時にどう考えるのか？
フィギュアスケートは新技の開発が体操に比べて少ないので、そういう見方で考える人が少ないのかも知れません。
体操の新技開発には「ありえない」と思う事を「出来るようにする」と言う視点で発達してきた歴史があります。
その部分がフィギュア経験者と体操経験者の考え方の大きな違いの気がします。
ヤフーボックスがうまく動作しないので
右側の図を少し手を加えました。
上記の図でも理解しにくいようなので、さらに手を加えました。
図示する場合には便宜上極端な形で書く方が、わかりやすいので、極端な形を書きますが、現実には選手個々でスケートの浮かしの部分はかなり違います。
チャン選手の滑りがすいつくようなすべりといわれるのは、この浮かしの部分が少ないからだと考えます。
その場合に重心がどこにあるのかは、映像だけからではよほどブレード部分のアップの映像でなければわかりづらいと思います。
重心軸から回転軸４の間まででも、回転中心は理論上はいくらでも作れます。
厳密な文章規定が無い以上は「回れません」では回答にはなりません。
「回れる人が出てきたときはどうするの？」と言う疑問に対する答えにはなっていないからです。
回答に窮したら、紋切り型で返す形が多いのがフィギュア経験者の方に良く見かける傾向です。
これは経験者個人にとっては真実でありえても、万人に通用する真理では無いという事を心に留め置いていてほしいものです。
この様な形の説明をする人が多い事が実は陰謀論をのさばらす元凶でもあると私は考えています。
回転軸２では回れなくても、回転軸１では回れる可能性だってあるのです。
重心軸よりも進行方向に対して後ろ側を回転軸として作ることの物理的な難しさがどこにあるのか？
それを説明が出来て初めて滑ることの無い人にも理解をする事が出来ます。
むしろそういう様々な動きの可能性を求めずに、コンパルソリーには無いからと言うのであれば、なぜターンの説明に「どこを支点として回ると良い」と言うような説明がなされないのかが不思議です。
カウンターの説明に「左足フォアアウトで滑ってきて、つま先側を回転軸の中心として時計回りに回転をして左足バックアウトに向きを変える。」と記述をすれば、誤解を受ける事はありません。
このターンはなんと呼ぶのでしょうね？
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